中島みゆきと巡るベトナムの旅

 

中島みゆきは1989年から自らのライフワークとして「夜会」という“言葉の実験劇場”を営んでいる。この夜会は、中島みゆきが作詞、作曲、歌、脚本、主演のすべての役割を担っており、このような演劇は世界で唯一であるとされる。その夜会の中に、ベトナムへ行くという回が存在する。

その夜会の題名は2/2 。ニガツフツカではなく、ニブンノニである。

 

中島みゆきと巡るベトナムの旅

・中島みゆき夜会2/2 の歴史
・中島みゆき夜会2/2 の内容
・ぼくのベトナムの旅は、常に歌と共に

・中島みゆき夜会2/2 の歴史

2/2 は1995年に初演が開催され、夜会史上初の全曲新曲というど肝を抜くスタイルの新しいステージとして、ぼくたちの目の前に姿を現した。以降1997年、2011年の2回に渡り再演が開かれている。合計3回催された夜会は、唯一2/2 のみである。

 

・中島みゆき夜会2/2 の内容

この夜会2/2 では「幸せになってはならない」という思いに無意識に縛られている莉花が主人公である。

自分が幸せを掴みかけようとすると、誰かがそれを邪魔する。しかし、その誰かとは他でもない「幸せになってはならない」と無意識に信じ込んでいる自分自身なのだった。それに気が付かない莉花は、このままでは大切な愛する人さえ傷つけてしまうと悟り、単身ベトナムへと飛び立つ。

最初は旅行気分でベトナムをまさに観光客として楽しんでいたが、ふとしたことから日本へと帰れなくなる。日本へ帰れなくなり、愛する人も、仕事も失ってしまった莉花。

最初は日本へ帰ろうと試行錯誤していたが、自分には日本にもう帰る場所はないと悟ったとき、「観光客」から「すべてを失くした魂の旅人」へと姿を変え、ベトナムの土地へ根付き、ベトナムの人々と寄り添い生きて行くことを決意する。

この単なる「観光客」から「魂の旅人」へと変化して行く有様が、歌により歌詞により、巧みに表現されていって面白い。

 

・ぼくのベトナムの旅は、常に歌と共に

ぼくはベトナムを旅しながら、中島みゆきの歌を探していた。そして、ベトナムのありふれた景色の中に、彼女の言葉を見ていたのである。

今回はそのようなベトネムの景色と、中島みゆきの夜会2/2 の言葉を合わせる試みを行う。そしてそれこそが、ぼくのベトナム旅の正体である。

 

ベトナム写真集と夜会の言葉

1.旅立ち
2.途上
3.市場
4.紅い河
5.鏡
6.昔の光
7.竹
8.人々
9.傘
10.青空
11.美しい古民家
12.真実
13.道

1.旅立ち(関西国際空港)

 

“ここから遠く消えてしまえ
何もかも失ってしまえ
ゆるされてはならない罪が
闇の中香る花になる

陽の当たる花は咲き
闇の中花は咲き
ふたつの花はジャスミン
どちらの花がジャスミン”

 

2.途上(ホーチミン)

 

“こんにちはとさよならとの間には
なにひとつも持つことのない人々
待つ人もない国をさまよい
聞いたこともない挨拶を聞く

帰りつける場所がひとつあるのなら
珍しさも冷や汗も笑い話”

 

3.市場(ホイアン)

 

“昨日泣いた人もあろう
今日はいない人もあろう
ふりかえるまい悔やむまい
ここは巡り会うところ”

 

4.紅い河(ホイアン)

 

“どこへいく どこへいく 紅い河
ただ流れゆく 流れゆく 時のままに
浮かべた舟はどこへ運ばれる
この心だけ岸に置き去りに

わたしのあの人はもう
わたしを忘れたの
遠い彼方もう
わたしを忘れたの

河に映るのは空の色
あの人の心が見えない”

 

5.鏡(ホーチミン)

 

“鏡の中に知らない人が
誰かいるのに気がついた
あれは幾つの時だったかしら
誰かいるのに気がついた

みんなはそうじゃないのかしら
みんなは気にしないのかしら”

 

6.昔の光(ホイアン)

 

“むかし誰かを愛したことがあれば
二度と誰をも愛してはいけないのですか”

 

7.竹(ホイアン)

 

“月の日 火の日 水の日 木の日
金に踊ってる 月と日に還る
わたしがなりたいものはと言えば
地下に根を張るあの竹林”

 

8.人々(ホイアン)

 

“空の恵み 地の恵み
水の恵み 火の恵み
手に取られよ 試しあれよ
ここは巡り会うところ”

 

9.傘(ホイアン)

 

“間違いだわジャスミンは
3つの文字の名前よ”

 

10.青空(ホイアン)

 

“帰りつける場所がひとつあることを
確かめたい人が出かける遠い国”

 

11.美しい古民家(ホイアン)

 

“あの正しさは間違っていたのに”

 

12.真実(フエ)

 

“優しすぎる弱虫は
孤独だけを選び取る
真実の灯をかざして
帰り道を照らそう”

 

13.道(ホイアン)

 

“植えつけられたおそれに
縛り付けられないで
ただまっすぐに 光の方へいきなさい”

 

 

 

 

 

 

 

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