鍵を見つけ出そうともしなかった
鍵があることすら知らなかった
けれど鍵は自ずともたらされた
運命は地下水脈で動いていた
誰に鍵は与えられるのだろう
誰が無視され置き去りにされるだろう
どこにいるとも知れぬ選び主の意を
ぼくたちは操ることができない
けれど選ばれなければそれまでだろうか
待てど暮らせど泣いて終わりだろうか
選ばれなかった我が身を奮い立たせ
土足で軌道を踏み荒らす日もある
この世の悲しみの限りを超えて
この世の憂いの限りを超えて
この世の悪意の限りを超えて
この命は今、荒野に立っている
ありとあらゆる障りを超えて
ありとあらゆる不条理を超えて
ありとあらゆる蔑みを超えて
ぼくたちはまだ、ここに生きている
痩せさらばえた肉体は力を失くして
もうあと3ヶ月ももたないだろう
あなたがこの世を去るまで近くにいよう
導かれるように共に生きた縁があるから