海の向こうのあちらの島に
雨が降り注がれている
あれはぼくが昨日までいた島
こちらは光が注がれている
昨日であれば運命を共にし
同じ雨に降り注がれたものを
こちらの島へ来たばかりに
同じ光にさえ注がれない
彼岸も此岸も見知らぬ異郷
こちらへいてもあちらへいても悲しい
同じ雨にも光にも注がれない
こちらであろうとあちらであろうと虚しい
彼岸も此岸も捨て去りましょう
どちらへ属していても涙が止まらないなら
この世でもあの世でもないものになって
孤独に海の青となりましょう
あなたがこの先どのような島へたどり着こうとも
ぼくは海の青として島を包み込み
空と風と海の糸を紡いで
あなたへと世(ゆ)を運んで参りましょう