北の大地を照らす薄暗い光も
碧い王国に照りつける黄色い光も
どれもみな同じ恒星からの光
ひとつも違(たが)わずに等しい光
北の大地に寄りかかる灰色の海も
南の島々を取り囲む宝石の海も
どれもみなつながり合う水
ひとつも異なりを鳴らさない水
ぼくたちは人々をわかち
国をわかち 空をわかち 海をわかち
なにが違うのかを争いながら
いつしか憎しみに巻き込まれてゆく
同じ光を享受することも
同じ水に生かされることも忘れて
隔てを見透かすだけの
彷徨い人となる
赤子だけが知っている
この世界には境いのないこと
旅に出たぼくたちは
少年に帰りながら歌いだす