巡礼の荒野

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少年が絶対的な存在を生きるとき
彼はまだ巡礼の道に気づかない
燃えさかる一瞬の炎を貫き通して
広さのない点でしか世界を見出せない

あちらからこちらへと渡るからこそ
はるかなる巡礼の道は示される
位相を違える魂の移動によって
ぼくたちの行為は巡礼へと転生する

今しか見ない者たちには
神聖なる巡礼の道は見えない
されど彼らが聖なるものを何も感じずに
一瞬の炎を生き抜いているとは限らない

あらゆる点が連なり線になるように
巡礼の道はやがて巡礼の荒野になる
一瞬がたちまちに永遠へと繋がるように
絶対的な少年はたちまちに永遠の荒野へと行き着く

生命を燃やしているさなかに
巡礼しているなどと告白するのをやめよう
この一生が終わってからぼくたちは
巡礼していたのだと気がつくのも悪くない

 

 

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