天空へと舞い上がる火炎と
大地を叩きつける水が結実する
最も遠いものが最も近い揺らぎ
ぼくたちが信じるものはいつも儚く移ろう
激流によって閉ざされた怒りが
燃え盛る水飛沫として虚空を支配する
人々によって植え付けられた深き罪が
純粋で澄明な愛だと知る
生殖のことしか考えられぬ獣たちが
生殖を超越した真理を嘲笑う
生殖の奥に潜む怒りと悲しみを
快楽だと信じたまま肉体は費やされた
炎と水がひとつになるように
交わり合うのがこの世の定めなら
あらゆるおそれを焼き尽くしながらでも
ぼくたちは必ず出会うだろう
正しいだけでは生きられなかった
まともなままでは美しくなかった
巡り会うはずのないものが巡り会うことだけが
ぼくたちの生きている証だった