南インド伝統のカタカリダンスから目が離せない!!!!!
おじさんがメイクアップ!南インドケララ州の伝統古典舞踊カタカリダンスをコーチンで鑑賞した
・コーチンに到着!南インドケララ州の伝統舞踊カタカリダンスを鑑賞しよう
・ケララ カタカリセンターの時間帯とチケットの料金
・ケララ カタカリセンターの内装はまるでヒンドゥー寺院
・お腹のプニプニしたおじさんのメイクアップを静かに鑑賞する
・上映前の美しい不思議な灰の花模様
・今回の演目Narakasuravadham(Narakasura退治)の内容を翻訳してみた
・緑の顔の美男子と、黄色い顔の乙女
・カタカリダンスの様子をYouTube動画で!
目次
・コーチンに到着!南インドケララ州の伝統舞踊カタカリダンスを鑑賞しよう
ぼくはインド一周の旅の中で首都のデリー、タージマハルのあるアーグラー、エッチな遺跡のあるカジュラーホー、聖人に出会ってテレビデビューまでしたサガール、インド最古の仏教遺跡のあるサーンチー、エローラ石窟群とアジャンター石窟群まで日帰り旅行できるアウランガーバード、5つ星タージマハル・ホテルに泊まった大都会のムンバイ、ピースフルな空気漂う南インドのゴア州、全裸の大仏が聳え立つジャイナ教の聖地シェラバナベラゴラを巡り、南インドの最終目的地ケララ州のコーチンへやって来た。
ケララ州はインドの伝統的な自然治癒体系であるアーユルヴェーダや、ジャングルの中を船を使って進んでいくバックウォータークルーズも有名だが、ここコーチンではインドの四大古典舞踊のひとつであるカタカリダンスが気軽に見られるということで、宿でチケットを購入し早速行ってみることにした。サンスクリット語で「カタ」とは物語や会話、「カリ」とは舞踊やパフォーマンスのことを意味するという。
・ケララ カタカリセンターの時間帯とチケットの料金
ぼくはカタカリダンスをコーチンの「ケララ カタカリセンター」で鑑賞することができた。コーチンの街の中心地にあり宿からも歩いて行けるので便利だった。パフォーマンス自体は18時から19時までとのことだが、メイクアップの様子を見たい人は17時から見られるということなので、せっかくだからインドの伝統芸能のお化粧なんてどんな感じでやるのか見てみたかったので17時に行くことにした。
チケットは宿で買えて500ルピー(800円ほど)だった。
・ケララ カタカリセンターの内装はまるでヒンドゥー寺院
「ケララ カタカリセンター」はこぢんまりとした小さな会場だった。しかし建物自体が何だかヒンドゥー教のお寺のような、神聖な雰囲気や趣があり、インド人にとって古典舞踊は神々の物語と繋がっているのだということが感じ取られた。沢山の席が用意されていたけれど、たまたまなのか一番見やすそうな最前列のど真ん中に座ることができたので幸運な気分になった。
舞台上もさながらヒンドゥー教の寺院のようで、ぼくはバリ島の伝統舞踊を思い出した。ここではやはりインドの神々の摩訶不思議な物語が展開されそうな雰囲気だ。
・お腹のプニプニしたおじさんのメイクアップを静かに鑑賞する
17時になると舞台上にはお腹のプニプニしたインド人のおじさん2人が登場し、特に説明をしたり観客に愛想を振り撒くこともないまま、黙々と化粧を開始した。えーこのおじさんたちが化粧をするのを1時間も見て楽しいのだろうかと早めに来たことを一瞬後悔しかけたが、そこはやっぱり伝統芸能の面白さで、何だか見たこともないようなオレンジや黄緑色のケバケバしい印象の化粧を、絵の具のように顔に塗りたくっていく様子は迫力があった。顔がだんだんインドのおじさんから悪魔や神様のようになっていく。セーラームーンのムーンプリズムパワーメイクアップとは全然違ったが、これはこれで見てよかったと思えるメイクアップだった。まさかおじさんのメイクアップの様子をまじまじと見つめる日が来るなんて!
自分の化粧はほとんど自分で済ませていたが、拡張した顎(?)を取り付けたりする作業は他人の手助けを借りていた。見れば見るほど不思議な、拡張した顎…。
・上映前の美しい不思議な灰の花模様
カタカリダンスが上映される前、バケツの中に入れられた灰を使って客席の床に美しい模様がいくつも描かれていた。綺麗だし、可愛い!花も添えられているし、やっぱりこれって神様の通り道なのかな??
・今回の演目Narakasuravadham(Narakasura退治)の内容を翻訳してみた
今回の演目は、Narakasuravadham(Narakasura退治)という物語の一部のようだ。そう言われてもNarakasuraって何やねんとチンプンカンプンなので、「ケララ カタカリセンター」では入場時にストーリーの内容を英語で解説した紙を丁寧に手渡してくれた。何だか時々変な英語の解説文だったが、大まかな内容は翻訳すると以下の通りだった。
CHARACTERS(登場人物):
1. NAKRATHUNDI
Sister of Narakasura (a powerful Demon) according to the Command of Narakasura..Nakrathundi Reaches Heaven in order to Kidnap the beautiful ladies of heaven for him She sees JAYANTHAN, the son of Indran (the king of heaven)
Nakrathundi falls in love with Jayanthan. Forgetting her mission and thereby,courts diaster.
強力な悪魔であるNarakasuraの妹Nakrathundiは兄の命令により、天国の美しい女たちを誘拐しようと天国までやって来た。そこで天国の王であるIndranの息子Jayanthanと出会い、恋に落ちる。彼女は自らの使命を忘れてしまい、それゆえに災難を受けることになる。
2. JAYANTHAN (Green Face)
The son of Indran gets annoyed by her firting He grows angry and cut of her ears, nose and breasts with his sword.
Indranの息子であるJayanthanはNakrathundiが言い寄ってくることに苛立ち、剣で彼女の耳や鼻や胸を切り落としてしまった。
3. LALITHA (Yellow Face)
Failing in love with Jayanthan Nakrathundi disguises herself as a beautiful damsel
(a demon can assume any shape at her will)Jayanthanに恋をしてしまったので、Nakrathundiは美しい乙女に変装した。(悪魔は思いのままにどんな姿にもなれる)
4. THE STORY IN OUTLINE(あらすじ):
Nakratundi in heaven seizes Heavenly beauties for her brother meets Jayanthan. there Jayanthan prevents her voluptuous Nakratundi. over come with Lust- seizes him Jayanthan resists her advances and mutilates her breast, ears and nose with agony and anguish Nakrathundi depares and informs her brother of her trapic plight.
Nakratundiは兄のために天国の美しい女性を捕まえるが、Jayanthanに出会う。Jayanthanは欲望に打ち勝ち、官能的なNakratundiを妨げ、誘いに抵抗した後、悩みながらも胸や耳や鼻を切断する。Nakrathundiは立ち去り、兄に自らの苦境を報告する。
MEANING OF VERSES SUNG(歌の意味)
Nakrathundi: I have won whatever I desired. I will take these beautiful ladies by force for the pleasure of my brother (after meeting handsome youth Jayanthan, Nakrathundi disguises herself as a beautiful lady and approaches him to make love)
私は欲しいものを何でも手に入れてきた。私は兄のために美しい女たちを力づくで持ち帰ろう。(若い美男子Jayanthanに出会い、彼女は美しい女性に変身し彼と交わろうとする)
Jayanthan: Oh, Beautiful Lady, Let me know what brought you here and what you are.
美しい女性よ、なぜここへ来たのか、あなたが誰なのか教えておくれ。
Lalitha: I belong to the celestial race I have fallen in love with you at first sight and I wish to enjoy the sensious pleasure of life.
私は天界に属する者、あなたに一目惚れをしました。あなたと官能的な生命の喜びを感じたい。
Jayanthan: Sorry I cannot marry you without permission of my father.
すまないが父上のお許しがないとあなたと結婚することはできない。
Lalitha: I wish you were my husband. Kindly don’t dissappoint me rejecting my love. Oh, handsome youth be pangs of separation upset me (at stage Lalitha assumes her original form)
あなたが私の夫であったなら。私を失望させ、私を拒絶しないでください。若き美男子よ、別離の苦しみが私を苛立たせる(Lalithaは元のNakrathundiの姿に戻る)
Jayanthan: Oh, demon keep off from me How did you dare enter this heaven I am going to capture you.
あぁ悪魔よ、私から離れよ。よくもこの天国に忍び込んだな。お前を捕えよう。
Nakrathundi :- You are stupid, I am Nakrathundi, sister of Narakasura. I challenge you to battle.
愚か者め、私はNakrathundi、Narakasuraの妹だ。お前に戦いを挑もう。
Jayanthan :- You have stealthily entered heaven and kidnapped the beautifal ladies it which I will certainly cut off your nose, ears and breasts.
お前はこっそりと天国に入り込み、美女たちを誘拐した。私は確かにお前の鼻と耳と胸を切断しよう。
なるほど何となく意味はわかる。とりあえず舞台上には緑の顔の人と、黄色い顔の人が出てくるけれど、緑の顔の人は天界の王であるIndranの息子で若く美男子のJayanthan、黄色い顔の人は悪魔のNakrathundiが変装した乙女の Lalitharということなのだろう。あのお腹のプニプニしたおじさんのどちらかが美男子で、どちらかが乙女になるだなんて、想像もできないし興味は尽きない。
・緑の顔の美男子と、黄色い顔の乙女
まず最初はさっき化粧をしていたのとは別のお腹のプニプニしたおじさんたちが楽器を持って登場し、音楽が奏で始められた。インド人のおじさんたちはみんなお腹がプニプニしているのだろうか。法螺貝が吹かれ、歌も開始され、雰囲気が高められるが、当然歌の意味はよくわからない。
しばらくして先ほど舞台上でメイクアップしていた緑の顔のおじさんと黄色い顔のおじさんが登場!しかしおじさんと思ってはいけない。緑の顔は若いイケメンで、黄色い顔は乙女なのだ。それでもメイクアップの様子から見てしまっている身としては、あのお腹プニプニのおじさんがまさかの乙女役だなんて全く予想もつかない展開だった。緑の顔の衣装はまるでスカートみたいだし、髪は長髪だし、男性役だというのが意外。やっぱりちゃんと解説を読んでみないと異国の演劇は理解しにくい。
バリ島の伝統舞踊のように激しく機敏な動きはないものの、手や足や目の動きで繊細に物語が進められていった。衣装も華やかで他にはない煌びやかな印象。緑の顔の拡張した顎の謎は最後までわからなかった。あの顎が、古代インドでは美男子の象徴??
・カタカリダンスの様子をYouTube動画で!
カタカリダンスの様子をYouTube動画にアップしたよ!他にもいっぱい旅の動画を上げていくから、よかったらチャンネル登録してね!
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