ブッダガヤで学校見学をした後に寄付をしなければ一体どうなるのか

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ブッダガヤで学校見学をした後に寄付をしなければ一体どうなるのか

・仏教の四大聖地ブッダガヤの巡礼
・日本語を喋れるサクラハウスのおじさんとの出会い
・スジャータ村の学校見学に行こう
・有名なはずのドラえもんはインドではドリモン
・「広島じゃけー(宮島)」というTシャツを着たおじさん
・ぼくたちは寄付すべきか
・学校見学をした後に寄付をしなければ一体どうなるのか

・仏教の四大聖地ブッダガヤの巡礼

ぼくはインド一周の旅の中で首都のデリー、タージマハルのあるアーグラー、エッチな遺跡のあるカジュラーホー、聖人に出会ってテレビデビューまでしたサガール、インド最古の仏教遺跡のあるサーンチー、エローラ石窟群とアジャンター石窟群まで日帰り旅行できるアウランガーバード、5つ星タージマハル・ホテルに泊まった大都会のムンバイ、ピースフルな空気漂う南インドのゴア州、全裸の大仏が聳え立つジャイナ教の聖地シェラバナベラゴラ、南インドの伝統古典舞踊カタカリダンスを見られたケララ州のコーチン、東インドの大都会コルカタを経由して、ついにこの旅最大の目的である仏教巡礼の旅を開始するためにブッダガヤを訪れた。

まずは早朝からブッダガヤ観光の目玉、ブッダが悟りを開いた菩提樹があるマハーボディー寺院(大菩提寺)へと向かい、その後はブッダガヤの町を散策して日本寺やブータン寺、タイ寺など世界各国の様々な仏教寺を参拝することができた。

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・日本語を喋れるサクラハウスのおじさんとの出会い

ぼくがブッダガヤで宿泊したのは「サクラハウス」という安宿だった。個室なのに1泊560ルピー(約1000円ほど)と格安。オーナーのおじさんが日本語を話せるインド人でとても親切にしてくれ、ブッダガヤの情報や次なる町ラージギルへの行き方など多くのことを教えてくれた。それだけではなくぼくが早朝からマハーボディー寺院の参拝に行ってから宿に帰って行くと、午後は彼の車に乗せてくれスジャータ村を案内してもらった。途中には彼の友達が経営しているというホテルに立ち寄り、その友達と共にテーブルを囲みながらレストランで昼食をご馳走してくれた。

インド人たちとご飯を食べながら、ぼくはサガールで聖人の大舞台に上げられたという思い出を話すと、やはりこの聖人は彼らも知っているほど有名人だったらしくかなり話が盛り上がった。恐るべしインド聖人のパワー!

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・スジャータ村の学校見学に行こう

昼食を取り終わって車に乗り込み、ホテルのオーナーのおじさんと2人でスジャータ村に向かっていると、彼が営んでいる学校を是非見学してほしいという話になった。別に断る理由もなくその学校に行くことになったが、ぼくはふと「地球の歩き方 インド」のブッダガヤのページの書き込みを思い出した。

ブッダガヤ周辺には、寄付とボランティアで成り立っている組織が数多くある。運営のためと言って、しつこく寄付を求められるケースも多い。もしお金を渡すなら、それが子供の教育などのために使われない可能性もあると了解した上で行いたい。

学校に寄付をしたのにそれが子供達のために使われないことなんて本当にあるのだろうか。そして子供達のために使われないのなら一体何に使われるというのだろうか。まさか子供のためというのは嘘でお金をあげた人のポケットマネーになってしまうとか?この文章が誰によって書かれ、何を根拠に言っているのか全くわからないが、もしかしたら寄付をしてくれと言われるかもしれないなぁという予感はあったので、心の準備をしておくことにした。

車から見るスジャータ村の家や人々の生活を眺めながら、このあたりは貧しいインド人がとても多いのだということをおじさんは強調していた。確かに見ると靴も履いていない子供達も多い。そう言えばブッダガヤがあるビハール州はインドで最も貧しい地方だと聞いたことがある。

 

 

・有名なはずのドラえもんはインドではドリモン

おじさんが経営している学校Lotus Free Schoolに着くと、女性の先生がぼくに説明しながら丁寧に校内を案内してくれた。子供達が授業を受け、いきなりやって来た日本人のぼくにも明るく元気に挨拶してくれた。いきなりインド人の子供達と何を話したらいいかわからなかったが、日本の説明をするために「ドラえもんって知ってる?」と聞いてみると、みんな全然知らないようだった。ぼくはインド中でドラえもんのグッズをよく見ていたので、インドではドラえもんが大人気なのだと思い込み子供達みんなが知っている自信があったのでかなり驚いた。インドではドラえもんと言わないのだろうか。学校の先生に聞いてみると、何とドラえもんはインドでは「ドリモン」と言うらしい。ドリモンとは…日本が誇るべきドラえもんが変な改名を受けていることに若干不満だったが、子供達にドリモンって知っている?と聞くとみんな元気に知っていると答えてくれた。ぼくはドリモンは日本で生まれたんだよという日本の小話を伝えつつ、子供達に別れを告げ教室を去っていった。

 

・「広島じゃけー(宮島)」というTシャツを着たおじさん

 

この学校には案内してくれた女性の先生の他に、警備員のおじさんもいた。警備員のおじさんはなぜか「広島じゃけー(宮島)」というTシャツを着ており、あまりにも面白かったので写真を撮らせてもらった。どう見ても広島人に見えないインド人のおじさんが、頑張ってこの学校を守っているようだ。

 

 

屋上から外を眺めると、学校の目の前にはのどかな風景が広がっていた。本当に何もない土地に、このLotus Free Schoolは建てられたようだった。

女性の先生はこの学校が寄付金で成り立っていることとその重要性をぼくに伝え、案内は終了した。帰りの車の中ではホテルのおじさんが「学校はこのような感じだ。できる限り協力してほしい」と言われたのみだった。つまり最後まで「寄付してほしい」と直接的な言い方で要求されることは決してなかった。全てが終わった後で寄付してくれと直接はっきりお願いされるのが当然の流れかと思っていたので、ぼくの中では意外な展開だった。

 

・ぼくたちは寄付すべきか

結論から言うと、ぼくは寄付しなかった。寄付をすることの大切さは小学校時代にも教えられるし、寄付をするのは他人の役に立つからいいことだというのはもはや常識として世の中で語られている。学校は子供達の教育のためにきちんと機能している印象を受けたし、寄付したお金が子供達以外のために使われるかもしれないという疑いも持たなかった。にもかかわらずぼくが寄付しなかったのは、ぼくの”お金を守る力”が適切に働いた結果に他ならない。

いきなり出会ったその日にたまたま学校へと連れて行かれ、子供達の授業風景を見学し、寄付金によってこの学校は賄われていると説明されたところで、その場の雰囲気や感情に流されてそうかそうかそれならば寄付しようと即決するのはあまりに安易過ぎるのではないだろうか。お金とは自分の人生の大切な若い時間を切り売りし、労働し、ようやく手に入れたいわば自分の命そのものと言っても過言ではない代物だ。自分の命の化身のようなものを深い思慮もなしにそう易々と渡すべきではない。お金とは自分が幸福だと感じることにこそ使うべきだ。ここでお金を支払ってぼく自信が幸せな気持ちになれるのか、正直言ってよくわからなかった。

寄付のみによって学校が営まれているというのもどういうことなのか謎だったし(義務教育や税金の投入は?)、他人の善意や好意から来る他人のお金ありきで学校を成り立たせていることにも疑問を抱いたし、それによって本当の意味で誰がどのように利益を享受しているのかもちょっとの時間だけ見学しただけだと不確かだったので、ここは慎重になるべきだろう。

そもそも彼らは子供達が貧しくて可哀想な境遇にあることを強調していたが、ぼくには貧しいことが不幸だとはどうしても思えなかった。貧しいことや富めることは、単なる相対的な評価に過ぎないのではないだろうか。ぼくと比べてインドの子供達が貧しいのと同じくらいの程度で、どこかの大富豪と比べればぼくもかなり貧しい部類に入るだろう。しかし大富豪と比べて極めて貧しくてもぼくは今幸福に生きられている。それはインドの子供達も同様で、彼らは靴がなくても貧しくても笑顔で楽しそうに暮らしているように見えた。貧しいから不幸だと感じるのは、富める者と自分自身を比較し相対的に自分を評価してしまうからであって、他人と比べることなく自分自身の生命とだけ対峙するような生き方を志しているなら、貧しかろうと富んでいようと同じような絶対的幸福を感じられるのではないだろうか。貧しいから不幸だ、だからお金を注ぎ込めばいいという考え方は、幸福についての洞察に欠けている絵空事のように思えた。

また寄付をしなくても、ぼくは十分他人の役に立っているという自覚があった。それは最近毎日コロナワクチンバイトばかりやっていたからだ。医学の専門知識を持った医師にしかできないコロナワクチンの問診や救護を行うことで、何千人もの日本の人々が安全に適切にコロナワクチンを打つことを手助けしてきた。それはお金を稼ぐための単なる労働だから自分のためにやっていることだろうと思われるかもしれないが、自分のためにやっていることが必然的に大いに他人のためになってしまうというのが労働の興味深いカラクリだ。自分のためにはならずに他人のためにだけなる行為と、自分のためにもなって他人のためにもなる行為の、一体どちらが理想的なのだろうか。

ぼくは最近毎日労働ばかりやってきた。労働とは基本的に他人の役に立つという行為だ。確かにお金も稼げるが、稼いだお金を自分の幸福へと転換しなければ、労働が自分のためになっているとは言えない。労働ばかりやって来て、必要最低限の消費で日常を済ませ、お金をただひたすらに蓄え、お金を幸福に転換する行為を怠ってきた最近のぼくは、他人のためにばかり生きていたと言わざるを得ないだろう。むしろ他人のために生き過ぎ、他人の役に立ち過ぎていたのではないだろうか。また医師として毎日労働するあまり、年収は3000万円を超え、累進課税制度によりかなり高額の税金を納めてきたことも、他人のために生きるという生き様に拍車をかけただろう。そろそろ自分のためにお金を使い、お金を自らの幸福へと転換させようと決意した行動が、今回のインド一周の旅だ。

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人間は若くて健康なその若い時代のほとんどを、労働に費やすようにできている。週が7日あればその半分以上の5日間は働くことが普通だし、もっと多くの時間労働している人も珍しくないだろう。つまり人間はせっかくこの世に生まれついたにもかかわらず、自分のためではなくあまりに他人のために生き過ぎているということだ。日頃頑張って労働し、必死に他人のために役立とうと努力しているというのに、その上休日になれば他人のためになる寄付までしてほしいと追加で求められるなんて、「自分のため」と「他人のため」のバランスがあまりに悪いのではないだろうか。

自分を大切にすることよりも、他人を大切にすることの方が素晴らしいというのは本当か?

誰も自分の人生の面倒なんて見てくれやしない。自分の人生のバランスをしっかりと取ってやれるのは、他でもない自分自身だけだ。いい人に見られたいからと他人の目を気にしたり、寄付=いいものだという学校で教わった常識に促され、安直にお金を出すかどうか決められるのは自分以外にはいない。もちろんその寄付によって自分が心から幸福を感じられるのであれば、その選択に間違いはないだろう。しかし心のどこかに違和感を覚えているのに常識や他人の目に惑わされそうになっているというのなら、一度立ち止まってその違和感の正体を徹底的に突き詰めていくべきである。

他人には惜しみない慈悲を、そして同じくらい自分にも慈悲を。

正しいと言われる、他人への慈悲は容易い。

しかし自らへの慈悲を、決しておそれてはならない。

 

 

・学校見学をした後に寄付をしなければ一体どうなるのか

ぼくは寄付しなかったが、ホテルのおじさんはその後も何も変わらずに接してくれたし、日本に帰国後もたまにラインを交換する仲となっている。

 

 

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