人形供養に針供養に生殖器崇拝!アニミズム信仰が息づく和歌山県淡嶋神社は女性の願いを叶えてくれる神社だった

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和歌山県の人形だらけの神社が色々と衝撃的すぎた!!!!!

人形供養に針供養に生殖器崇拝!アニミズム信仰が息づく和歌山県淡嶋神社は女性の願いを叶えてくれる神社だった

・人形供養で有名な和歌山県の淡嶋神社へ行こう
・淡嶋神社の駐車場は30分間無料だった
・綺麗だけどちょっと怖い!淡嶋神社の日本人形は日本でしか見られない独自の世界観を築いていた
・淡嶋神社であまりに多種多様な人形や置物を見て、八百万の神々を信仰する日本的精神を感じた
・「雛倉」には数多くの雛人形が祀られていた
・「姿社」には少彦名命像と巨大生殖器像が祀られていた
・国造りの神、常世の神、酒造の神、石の神、温泉の神、医薬の神など少彦名命が持つ多様な側面
・女性の下着を奉納?!「末社」には数多くの木造男根が散乱していた
・淡嶋神社の人形供養や針供養に、日本人の精神に根付くアニミズムと多神教的世界を感じた

・人形供養で有名な和歌山県の淡嶋神社へ行こう

人形供養の神社として全国的にも有名な和歌山県和歌山市の「淡嶋神社」を訪れた。インターネット上の画像で見かけた数多くの和風人形が境内に立ち並ぶ様子は独特の迫力があり、ぼくはぜひこの神社へ行きたいと常々願っていたのだがなかなか機会がなく、先日免許更新の用事があったついでに思い切って立ち寄ってみることにした。ただただ和風人形が立ち並ぶ日本にしかない絶景を見たり写真を撮りたいという目的だけで訪れたのだが、この淡嶋神社は和風人形だけで片付けられるほど単純で観光的な神社では決してなかったのだった。

 

 

・淡嶋神社の駐車場は30分間無料だった

淡嶋神社には有料の駐車場があったが、神社の社務所に駐車券を提示すると30分間は無料になるシステムが導入されていた。ぼくは淡嶋神社に車で訪れたので駐車場代を無駄遣いしないためには30分間で急いで参拝を済ませなければならなかった。広い境内だったらどうしよう、30分で見終われないほどに見るものが多すぎたらどうしようと心配していたが、結果的には30分で丁度いい広さと見応え具合だったと感じた。

 

・綺麗だけどちょっと怖い!淡嶋神社の日本人形は日本でしか見られない独自の世界観を築いていた

 

淡嶋神社は入り口だけ見ていると何の変哲もない神社のように見えたが、中に入っていくと他では見られない不思議すぎる光景が広がっていた!

 

 

淡嶋神社の境内はそんなに広くはなく、入口を入ったらすぐに堂々とした赤く美しい本殿が姿を現した!まずは神様にお参り!

 

 

そしてよく見てみると本殿の右側のスペースには和服を来た日本人形が!おおお!これぞまさに写真で見た光景!ていうか怖っ!!!日本人形って沢山並んでいると何だかすごく不気味な雰囲気になってしまうのはなぜだろう。でもこのちびまる子ちゃんみたいな、こけしみたいな髪型って日本独特な感じがしてとても素敵だと思う。さらに日本の着物を着ていることで魅力も倍増!外国人が観光で訪れても喜びそうな光景だなと感じた。他の国では見られない日本ならではの、美しさと不気味さが入り混じるかなり特別な光景。

 

本殿の右側のスペースが可愛らしい少女の日本人形の展示だとすれば、本殿の左側のスペースは美しい着物を着る成熟した日本人形の展示。こちらの方は少女の日本人形のような怖さは全く感じられず安心して眺められた。逆に少女の日本人形ってどうしてあんなの怖いのだろう!不思議!少女の日本人形の表情は笑っていないものが多いから…??

 

・淡嶋神社であまりに多種多様な人形や置物を見て、八百万の神々を信仰する日本的精神を感じた

このように淡嶋神社は日本人形の立ち並ぶ不思議な光景を見て終わりかと思っていたが全然そんなことはなかった!なんと日本人形以外にも様々な人形や置物が神社の境内全域に渡って展示され、参拝者を迎え入れてくれた!

このように日本の伝統的な羽子板や狸の置物、北海道の熊の置物や芸能のお面に至るまで、実に様々な人形が綺麗に整然と並べられとても賑やかな雰囲気だった!まるで映画「千と千尋の神隠し」の中で人間・動物を問わず多種多様な神様が一気に同時に出現し、練り歩き、湯屋へと向かっていったような八百万の神々の賑やかさに似たものがあると感じられた。

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・「雛倉」には数多くの雛人形が祀られていた

「雛倉」という社には、雛人形が祀られていた。お家にある雛人形は綺麗だなーと眺められるけど、こうやって神社で祀られているとやっぱり雛人形ってちょっと怖い感じがするかも。どうしてだろう。やっぱり笑っているのか笑っていないのかよくわからない表情の人形って、基本的に並べられると怖いものなのかも?!

 

・「姿社」には少彦名命像と巨大生殖器像が祀られていた

 

「姿社」というお社には「少彦名命(すくなひこなのみこと)」が祀られていた。そもそもこの神社の御祭神は、少彦名命と大国主命(おおくにぬしのみこと)と神功皇后(じんぐうこうごう)であるという。

 

 

この姿社の中に立っている少彦名命の像がとても神秘的だった!ぼくは日本人形の有名な風景を見られたことも嬉しかったが、何よりこの少彦名命の像に出会うことができて、今日は淡嶋神社を参拝してよかったと感じられた。それくらいこの少彦名命の像は何だか心に深く刻み込まれるような、不思議な魅力に溢れていた。というかこんなスタイルの像って日本でも世界でも見たことないかも。

 

それよりも何よりも驚いたのは、この少彦名命の像の真下に設置されたこの2体の石像だった。まさかのここで出たー!生殖器崇拝!本当に日本は思わぬところで不意に生殖器崇拝に遭遇する。ぼくは日本一周の旅を通して数々の生殖器崇拝・男根崇拝の姿を目撃して驚いたが、まさか人形供養の神社を参拝して生殖器崇拝が見られるなんて思いもよらなかった!しかし目の前にあるのは明らかに男根と女陰が仲良く並んだ巨大な石像だった。巡り会いたいと思っていなくても巡り会ってしまう。ここまで来るともはや日本人の祈りと生殖器崇拝とは切っても切れない関係にあることは間違いない事実だろう。

 

・国造りの神、常世の神、酒造の神、石の神、温泉の神、医薬の神など少彦名命が持つ多様な側面

それにしても少彦名命と生殖器崇拝には何か関連があるのだろうか。少彦名命といえば日本の神話を伝える古事記の中では、天乃羅摩船(あめのかがみのふね)に乗り鵝(ひむし=蛾)の皮の着物を着て波の彼方からやって来て、大国主命と兄弟の契りを結び、共に国造りに参加した小さな神様として知られている。大国主命と同様に多くの山や丘の創物者であるという。

同じく日本の神話を今に伝える日本書紀によると、スクナヒコナは国造りが終わると熊野の岬へ行き、海の彼方の常世へと渡ったことから常世の神様とも言われている。また伊予国風土記には、大国主命が病気で倒れたときに少彦名命が大分県の速見湯を持ってきて湯浴みをさせ、その病を治したから温泉の神様、医薬の神としての信仰も存在する。さらに古事記や日本書紀では神功皇后の御代大殿の歌に「神酒の司 常世に坐す 石立たす 少名御神の」とあることから酒造の神、石の神でもあると信じられている。古来より薬のひとつとされた酒作りの技術を広めたことから酒造の神としての役割は有名だという。

このように国造りの神、常世の神、酒造の神、石の神、温泉の神、医薬の神など様々な側面を持つ少彦名命であるが、生殖器や子孫繁栄の神であるという要素は見当たらなかった。少彦名命の御前に巨大な石の男根と女陰が並んでいる意味は、果たしてどこにあるのだろうか。

 

・女性の下着を奉納?!「末社」には数多くの木造男根が散乱していた

しかし淡嶋神社における生殖器崇拝の光景は、なんとこの姿社だけでは終わらなかった。この姿社はあくまでも少彦名命信仰がメインであり、よく注意しないと巨大な生殖器像に気づかないかもしれないというレベルだったが、もっと奥にある「末社」には尋常じゃない数の木造の男根が散乱していた!こんな光景見たことない!もはや日本人形よりこっちの方が記憶に深く刻み込まれた。

実は淡嶋神社の御祭神が少彦名命であるというのは明治時代の神仏分離時に置き換えられたもので、本来の御祭神は「淡島神」という婦人病治癒を始めとする安産、子授け、裁縫の上達、人形供養など、女性に関するあらゆることに霊験のある神様だったという。全国にはこの淡島神を祀る淡嶋神社が多数存在し、なんとこの和歌山県和歌山市の淡嶋神社は日本全国の淡嶋神社を取りまとめる総本山なのだ。それ故にこの神社は女性の願いが 叶うことで有名であり、とても特徴的な参拝の仕方として、女性的な願いを叶えたい場合はこの末社に木造男根や女性の下着を投げ入れるのだという。

少彦名命は医薬の神様でもあるので、婦人病に関わりの深いこの淡嶋神社では少彦名命の像の前に女性生殖器と男性生殖器が仲良く並べられていたのかもしれない。

 

 

・淡嶋神社の人形供養や針供養に、日本人の精神に根付くアニミズムと多神教的世界を感じた

淡島神は女性の裁縫の上達を叶えてくれるということに関わっているのか、この淡嶋神社の境内には「針塚」と書かれた巨大な石碑も設置されていた。

ぼくがこの神社で強く感じたのは、あらゆる人形や針にさえ魂が宿ると信じている日本人のアニミズム信仰の感性だった。日本人は人形や針などの物質にも魂や心が宿ると強く信じているからこそ、このような神社で人形供養や針供養などの供養を行い、たとえ捨てたとしてもそれらの霊魂が怒りを生じ災いが降り注がないように気を付けているのだろう。あらゆる物質にさえ魂や心が宿るという感性があれば、それぞれの物質の魂に関する物語が多様に生じ、それらの物語が受け継がれることで、やがて日本人の信仰の根底にある”八百万の神々”という感性が成立したのではないだろうか。

山には山の神様がおり、海には海の神様がおり、石には石の神様がおり、木には木の神様がおり、水には水の神様がおり、トイレにはトイレの神様がおり、人形には人形の神様がおり、針には針の神様がいる。このような多神教的世界観が日本人の精神の根底には広がっているような気がしてならない。まさに八百万の神々の世界、千と千尋の神隠しの世界だ。ぼくは世界一周の旅をしていても、イスラム教やキリスト教など一神教の地方というよりは、神道やヒンドゥー教、そして名もなき原始宗教が残存している多神教の地方に心惹かれてしまう。それはやはりぼくが多神教国家である日本出身という理由もあるだろうが、多種多様な神々がそこらじゅうでひしめいているという賑やかな世界の方が心が安心する。

多神教という感性の奥底には、他のものを否定しないという”寛容さ”があるのではないだろうか。この世界にたったひとつの神様しかいないと信じ込んでしまうということは、裏を返せばそのたったひとつの神様以外は否定し続けなければならないことを意味する。世界中を見渡してみても多種多様な神々がそれぞれの民族の文化圏に活き活きと存在していることは自明の理であるのに、自分の神様こそが正義であり、自分の神様しか本物の神ではなく、自分の神こそが唯一無二で特別なのだと主張することは、他者を否定したり攻撃することにも繋がる偏狭な悪しきものの考え方ではないだろうか。自らの正当性を主張しすぎるあまりに他者を尊重することを忘れて、自分と異なるものは滅ぼし自分の信仰によって支配してやろうという不寛容な思考回路は、まさに一神教的な負の側面と言えるのではないだろうか。

この神社を見ていると女の子の人形、おじいさんの人形、カエルの人形、クマの人形、タヌキの人形、異形のお面、生殖器の像、針など、人間や動物、生物や無生物を問わずに、森羅万象ありとあらゆるものに魂が宿ると信じることで、多種多様な霊魂が仲良く共存している。このような多神教的世界観こそ、国際化した今の世界に求められるふさわしい感性ではないだろうか。多神教的な感性を身につければ、相手が自分と異なった色の目をしていたり、自分と異なった色の肌をしていたり、自分と異なった宗教を信じていたりしても、決して否定することなく「この世界には思いもよらない多様な神様が存在しているのだから、このような不思議な人間が存在する可能性も大いにあるだろう」とその違いを受け入れ、寛容な心を維持できるはずだ。

日本は明治維新以降西洋に憧れる傾向が強くその気配は今でも残っているが、西洋文明を取り入れてもはや経済発展を成し遂げた今、目指すのは一神教的な西洋世界ではなくむしろ本来の日本的な多神教世界ではないだろうか。

 

 

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