日本伝統の「マタギ」の文化がここで全て理解できるゾ!!!!!
マタギの由来、伝統的風習、山の神信仰まで徹底解説!秋田県「マタギ資料館」を見学し日帰りで「マタギの湯」も堪能した
・ぼくの「日本海沿いを北上する旅」+「太平洋沿いを南下する旅」=日本一周の旅
・秋田県北秋田市の「マタギ資料館」へ行ってみよう!
・「マタギ資料館」の入場料、駐車場情報
・そもそも「マタギ」とは何か
・マタギという言葉の由来は諸説ある
・マタギは主に山でツキノワグマを狙う
・マタギ独特の「山ことば」について
・マタギ集団の連携プレーとマタギ小屋について
・マタギの秘伝書「山立根本之巻」「山達由来之事」
・醜女の山の神信仰とマタギの男根的風習
・「マタギ資料館」の後で「マタギの湯」も堪能した
目次
- ・ぼくの「日本海沿いを北上する旅」+「太平洋沿いを南下する旅」=日本一周の旅
- ・秋田県北秋田市の「マタギ資料館」へ行ってみよう!
- ・「マタギ資料館」の入場料、駐車場情報
- ・そもそも「マタギ」とは何か
- ・マタギという言葉の由来は諸説ある
- ・マタギは主に山でツキノワグマを狙う
- ・マタギ独特の「山ことば」について
- ・マタギ集団の連携プレーとマタギ小屋について
- ・マタギの秘伝書「山立根本之巻」「山達由来之事」
- ・醜女の山の神信仰とマタギの男根的風習
- ・「マタギ資料館」の後で「マタギの湯」も堪能した
- ・日本各地の男根崇拝/生殖器崇拝の記事一覧
- ・オンラインで国内旅行ツアーをチェックしよう!
- ・秋田県の宿をオンライン検索してみる!
・ぼくの「日本海沿いを北上する旅」+「太平洋沿いを南下する旅」=日本一周の旅
こんにちは!世界一周+日本一周の旅を続けている水色です。
ぼくは今までの人生で日本海沿いの地域をほとんど旅したことがなかったので、新型コロナウイルス感染拡大の影響で外国にも行けず旅人としてはこのまま日本を深めるしかないという絶好の機会に、日本海沿いを北上する車中泊の旅を決行した!
岡山県、広島県、山口県、佐賀県、長崎県、福岡県、大分県、熊本県、島根県、鳥取県、兵庫県、京都府、福井県、石川県、富山県、新潟県、山形県、秋田県、青森県、フェリーに車ごと乗り込んで北海道函館まで渡り、そのまま北海道の最北の離島、礼文島の澄海岬を「日本海沿いを北上する旅」の最終目的地とした。
そのまま北海道をぐるっと一周し、再びフェリーに乗って青森県へ!青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、長野県、岐阜県、山梨県、静岡県と「太平洋沿いを南下する旅」を完遂した。
結果的にぼくは7月〜11月までの間ほぼ4ヶ月かけて「日本海沿いを北上する旅」+「太平洋沿いを南下する旅」=日本一周の旅を達成したことになる。この旅ブログ「ミズイロノタビ」では、あまりに感動的で素晴らしすぎた日本一周の旅の一部始終を公開しようと思う。
・秋田県北秋田市の「マタギ資料館」へ行ってみよう!
ぼくは前から「マタギ」という、日本古代からの伝統と信仰を継承して来た山の猟師についてとても興味を持っていた。「マタギ」という人々を知ることで、日本人という民族が他とは異なるどのような特色を古来より持っていたのかが見出せるような気がするのだ。それほどまでに「マタギ」の伝統や風習は、今の日本の現代社会を普通に生きているだけでは決して知ることのできない不思議な観念に満たされている。
そんな「マタギ」についてのあらゆる詳細を知ることができるという「マタギ資料館」が秋田県北秋田市の山奥にあるというので、「日本海沿いを北上する旅」の途中で寄ってみることにした。
・「マタギ資料館」の入場料、駐車場情報
「マタギ資料館」は「打当温泉 マタギの湯」という温泉旅館の中にあったが、宿泊しなくても「マタギ資料館」だけを見学することができる。料金は大人200円で、「マタギの湯」のフロントで支払うことができる。しかしなぜだかぼくが行った時は「無料でいいです」と無料にしてくれた!一体なぜ無料だったのか全くわからなかったが、この商売気のなさが素朴で魅力的だと感じた。駐車場は広く、もちろん無料だった。
ここではぼくが「マタギ資料館」で学んだマタギについての詳細を写真とともに掲載することで、自分の中でのまとめとしたいと思う。
・そもそも「マタギ」とは何か
そもそも「マタギ」とは何だろうか。「マタギ資料館」には次のように説明されている。
マタギとは、東北地方・北海道から北関東、甲信越地方にかけての山岳地帯で、昔からの方法集団で狩猟を行う者である。「狩猟を生業とする」ことがその定義とされるものの、現代においては単にマタギの郷として有名な土地に生まれ、鉄砲を生業とする猟師のことを指すのが一般的である。特に秋田県の阿仁マタギが有名であり、その歴史は平安時代にまで遡るが、ほかの漁師には類を見ない古い伝統と独特の信仰を継承して来た集団のことであり、近代的な装備のハンターとは異なるものである。
・マタギという言葉の由来は諸説ある
マタギという言葉の起こりについては様々な説があって、はっきりしたことはわかっていない。最も古いと思われるマタギの記録は1780年「けふのせばのの」で「やまうどにまじりて山刀さしたる翁は、万太幾(マタギ)とて狩人也」と記している。また十和田湖を旅した「十曲湖」(1870年)という紀行文では、山に入ってマダの樹脂をはぐマダバキが、だんだんマタギへ変化したとも述べている。
他には「山に住む鬼よりも強い」というので又鬼(マタギ)としたとか、山を”またぐ”から来ていると言う人もいる。またアイヌ語のマタウンパ(雪山で狩りをする人の意味)が語源だとする説もある。
・マタギは主に山でツキノワグマを狙う
マタギの活動時期は、冬から春の芽吹き前の季節に集中している。狩猟の対象は昔から、換金効率の高いツキノワグマが主である。ツキノワグマの胆嚢、すなわち熊嚢は古来から「万病に効く薬」と信じられており「熊の胆一匁、金一匁」と称されるほど高額で売れた。胆嚢だけでなく、ツキノワグマは毛皮や骨、血液、脂肪までもが余すことなく、薬や厄除けのお守りとして高額で取引された。
・マタギ独特の「山ことば」について
マタギが山に入ると、日常の話し言葉は「里ことば」といってその使用が禁じられ、代わりにマタギ仲間だけに通用する特殊な「山ことば(マタギことば)」を使用した。
こうした忌みことばは杣夫(山子)やきこり、炭焼きなど山の中に入って働く人たちの社会で見られるが、中でもマタギの間では第一の掟とされた。マタギが山ことばを使用するのは、山の神に対する敬虔な配慮と獲物に気づかれないための隠密、さらにマタギ自身の日常生活の”穢れ”を払うためなどによると言われる。
・マタギ集団の連携プレーとマタギ小屋について
初冬の頃、森の木の葉が落ち、山中でも見通しがきくようになる冬になると、マタギたちは集団を作って奥深い森林に分け入り、数日間に渡って狩猟を行った。狩りはかなりの大規模な猟とはならない限り日帰りの場合も多く、万が一野宿するようになっても大半は山の中の洞窟をシェルターの代替として利用したり、その場しのぎの雪洞を掘ったりして野宿していた。
狩りが少人数、もしくは単独行動である場合、「マタギ小屋」と呼ばれる小屋にあらかじめ米や薪などを運び込んでおくことで飢えと寒さをしのいだ。マタギたちはここを基地として熊狩りを行う。この小屋は周辺の大木の切り株や小枝を並べただけの非常に簡易なもので、長持ちはしなかった。風雨によって壊れると、翌年はまた新しい小屋が作られ、マタギ小屋は数世代にわたってマタギたちのベースキャンプとなった。
マタギ組の頭領は「シカリ」と呼ばれ、大抵は猟の技術や山の知恵に長けた老練な猟師が任じられた。山中におけるシカリの権限は絶対であり、猟そのものだけでなく、宗教的儀式や炊事など、山中で行われるあらゆることの一切を取り仕切る立場にあった。マタギ組の各人はそれぞれ仕事を分担する。熊狩りの場合、通常はムカイマッテ(見張りと全体の行動合図役)の合図により、勢子(追い出し役)が熊を谷から尾根に追い立て、ブッパ(鉄砲撃ち)のいるところまで追い上げ、仕留めるとされている。
・マタギの秘伝書「山立根本之巻」「山達由来之事」
マタギは「山立根本之巻」あるいは「山達由来之事」と称する巻物を大事に秘蔵していた。マタギの頭領であるシカリは必ずこの一巻を携えて山に入り、様々な作法の中でこれに祈りを捧げ、また神聖なものとして他人には絶対に見せなかった。この巻物を所持さえしていれば、藩境を越えても罰せられることなく、全国の山野で自由に狩猟が可能という、いわばマタギ猟の免許証といわるものだった。
・醜女の山の神信仰とマタギの男根的風習
マタギは高峻険岨な山岳に挑み、常に雪崩などの自然災害に遭う危険にさらされるため、いつとはなしに護符、呪物崇拝の自然宗教に目覚めた。それが山岳宗教と結びついて、山神崇拝となった。阿仁地方のマタギ衆のほとんどは、山の神は女性神だと信じている。この山の神は、山の全てを支配しているため、その怒りを受けないよう細心の注意を払う。山の神はマタギに獲物を授けてくれることはもとより、遭難を未然に防ぎ、マタギが難儀しているときには救ってくれる。
マタギの信仰する山の神は醜女であるとされ、より醜い深海魚のオコゼを備えることで神が喜ぶとされた。またやきもち焼きで、男性が大好きだという変わった性格の持ち主だとされる。そのため山に入る時は、山の神の機嫌を損ねて怒りを受けないよう、細心の注意を払う。例えば猟に出かける前には、水ごりを行って女性の匂いを消し身だしなみを整えるが、反対に里にいて留守を預かる女性は髪を結ぶことや化粧もさし控えたという。
山の神がひどく醜い女性の神であることは「日本昔ばなし」でも紹介されており、その中では山の神にオコゼを祀る理由もきちんと描写されていた。
この「男性が大好き」という掲示の説明はオブラートに包まれているがすなわち男根が大好きという意味だろう。マタギの間では山の中で困ったり失くし物をしたときに、男根を出して周囲を見渡せば山の神が喜んで助けてくれるという伝説や風習が残っているという。山の神が男根を大好きという話は日本全国にあるようで、島根県の八重垣神社でも山の神の祠に木造の巨大男根が祀られている風景を目撃した。さらに三重県の秘境神社「山の神」では木造巨大男根が何本も立ち並んでいる様子が神秘的で不思議で珍しく、日本の山の神と男根崇拝は深く関わり合っているのだということを改めて再認識させられた。
またマタギの儀式の中で男根にまつわるもののもうひとつにクライドリがある。マタギは春になるとマタギ小屋に泊まって狩りをした。そして熊が獲れるとその夜、山の神へのお礼として「クライドリ」が行われた。
まず猟に参加したマタギ一同が小屋の中に焚き火を囲むようにして車座になる。それから山の神の祭壇に向かって、一番歳の若い男の見習いマタギが裸にされ、股を広げて立たされる。他の若い男が男根を揉んで勃起させる。さらに男根に木の燃えさしを麻ヒモで結んでぶら下げ、左右にふらせる。男は恥ずかしいやら熱いやら煙いやらで身をよじる。しかし声をあげてはならない。しばらくそうやって山の神に見せる。周囲の人は声を押し殺して黙って見ている。やがてシカリが「山の神様がお慶びになった。オホホホ」とまるで女性のように手を口の添えて言うと、ほかの者もオホホホと笑う。これが男根が好きだという山の神へのお礼である。(このクライドリについては、マタギ資料館では言及がなかった)
・「マタギ資料館」の後で「マタギの湯」も堪能した
マタギについてこんなにも体系的に学び直すことができて大満足だった。こんな素晴らしい資料館が無料でいいのだろうか!ぼくは申し訳なかったしちょうど夕方になっていたので「打当温泉 マタギの湯」の有料の日帰り温泉い立ち寄って、身を清めた。
料金は600円。内湯も広く露天風呂もあって快適だった。秋田県の秘境の山並みを眺めながら入る露天風呂は最高だ。マタギの湯はかなり熱いお湯だったことが印象に残っている。きっと冬に入ったならばさらに気持ちいいことだろう。
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