夏の光の中に輝く瀬戸内海と情緒深き尾道の町並み

 

祝われている旅のはじまり。

夏の光の中に輝く瀬戸内海と情緒深き尾道の町並み

・車中泊で九州一周の旅へ出発
・1日目に力尽きたのは尾道の町
・尊く懐かしく美しい尾道の夏の光

・車中泊で九州一周の旅へ出発

紀伊半島一周の旅の中で、日本の原点とも言える神武天皇の東征の旅路に興味を抱いたぼくは、いつの日にか九州の宮崎県、神話の故郷の高千穂を訪れたいと願い始めた。紀伊半島・熊野古道の巡礼を終え、その後イタリア、フランス、スペイン巡礼の聖なる旅を終え、一時日本に帰国した。

1ヶ月ほど日本にいる機会を逃してはならないと、ぼくは高千穂へ向かう車中泊の旅を計画した。しかし、わざわざ九州の宮崎県まで車で行くのに高千穂だけではもったいない。ぼくの大好きな日本の夏を、九州一周車中泊の旅で過ごそうと考え始めた。

しかし関西から九州までなんて、そう簡単に車で行けるものなのだろうか。人生で九州に行ったことは数回あるけれど、いずれも飛行機で行った経験しかない。学生時代やその後の人生を沖縄で過ごしたぼくには、日本の各地をぶらりと巡ったこともないし、日本の大きさや距離感がイマイチ掴めない。関西から九州って、車で行くのにどれだけ大変なのだろうか。

わからなければ実際にやってみないとわからない!とりあえず関西から九州まで行ってみようということで、実家のある和歌山県から九州まで無計画にひとまず向かってみることにした。しかし心配するには及ばない。ぼくはスペインで800kmの道のりを歩いたのだ。車で和歌山から九州に行くことは、北スペイン巡礼の道を10kgかけて歩くことにくらべたらはるかに簡単に違いない。たぶん。

2019年8月9日14時45分に、ぼくはとりあえず車で和歌山県を出発してみた。お金を節約するために、グーグルマップでは有料道路抜きの設定にしてみた。すべて無料の道路で、さてさて、今日は1日でどこまで行けるのだろうか。

 

 

・1日目に力尽きたのは尾道の町

運転というものは、歩くということに比べたらはるかに楽な作業だ。ぶつかったり人を傷つけたりしないように細心の注意を払わなければならないという精神的な負担はあるものの、やはり肉体的には座ってハンドルを回していればいいだけなので、スペイン巡礼のあとだとなんて気楽なものなのだろうと感動してしまう。

そうはいうものの、11時間ほど続けて運転しているとさすがに集中力も切れてきた。もう夜中の1時くらいだしここら辺で車中泊でもしよう。明日起きたらすぐにまた九州へ向けて出発しよう。そう思って眠りについた場所は、広島県の尾道という町だった。

 

 

・尊く懐かしく美しい尾道の夏の光

 

朝起きると、なんとなく尾道という町が気になり、見てみたくなった。この旅のテーマは「車中泊で九州一周」だったとしても、それまでの日本の地域にちょっとくらい寄り道してみるのも悪くないだろう。

よくよく考えてみると、瀬戸内海というものをじっくりと見たことがない。沖縄の海はいつも眺めていて馴染み深いが、沖縄のような絶海の孤島から見てどこまでも広がる海ではなく、瀬戸内海のようにすぐそこに瀬戸内の島々や四国があるという風景とはどのようなものなのだろうか。

 

 

ぼくは尾道の小高い丘の上にある無料駐車場に車を停め、尾道の市街地へ向かって歩き始めた。するとすぐそこには見下ろすように、尾道や瀬戸内の島々、瀬戸内海の不思議な風景が目の前に広がっていた。こんな景色今までに見たことない!昔ながらの日本の情緒ある家々が所狭しと密集して立ち並んでおり、海なのか川なのかわからないような狭い瀬戸内海の流れ、本土と繋がっているのか繋がっていないのか近すぎて見分けがつかないしまなみ街道の島々!ぼくは日本らしいこの景色に一気に魅了され、尾道の世界観へ引き込まれていった。

 

 

海からすぐのところに丘が立ちはだかっており、その斜面に張り付くようにして建てられている沢山の家やお寺や仏塔。それらが編み出す瀬戸内の独特な趣深さや味わい深さを、どのように表現すれば適切だろうか。決して平野ではない起伏のある激しい地形は、紀伊山脈のようにぼくの心を高揚させて止まない。このような隆起や沈降の激しい変化を感じさせる地形こそ、ぼくが日本という国やその民族の中に見出す特性であるように感じられる。尾道にいると、日本に帰ってきた尊い感覚がする。

 

 

丘の上から尾道の市街地へ坂道を下りていくと、いくつもの懐かしさあふれる古民家を通り過ぎ、照りつける夏の光とともに心が安らかな国へと帰っていく心地がする。坂を下りる途中には立派な仏塔、そして下りきったところには見応えのある仏教寺院。こんなにも見応えがあるのに、訪れる人もまばらで静寂を保っている点がまた心地よい。

 

 

寺院に沿って走っている線路を電車が駆け抜けていく様子に圧倒され、線路の下をくぐって商店街の方へと進むと、そこにはたくさんの素敵なお店や古民家カフェが点在していた。人も多すぎず少なすぎず、旅行者も日本人が圧倒的に多くなんだか心が穏やかになる。国内旅行には、国内旅行の情緒があるというものだ。日本のレトロな街並みの中に、外国という日本にとって異質なものが混在していないことに、国内旅行の情緒があるのかもしれないと夏の光の中でふと思った。

 

海鮮丼や、桃のかき氷、無数の仏像、スイカ、オバQ、スーパーボール、目の前にある尾道のすべての風景がなぜか尊く懐かしく感じられ、夏の光と情緒の中、ぼくはすばらしい旅の始まりを祝った。

 

 

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