日本の山の神は男根が大好き?!
「日本の山の神は醜い女性でしかも男根が好き」という伝説は真実だと、島根県八重垣神社で確認できた
・日本の山の神は醜い女性の神でしかも男根が大好き
・山の神は男根が好きな醜い女性の神だというのは本当か?
・ぼくの「日本海沿いを北上する旅」+「太平洋沿いを南下する旅」=日本一周の旅
・島根県の八重垣神社境内の「山神神社」で見かけた巨大木製男根
・日本の男根崇拝、生殖器崇拝は多様性に満ちている
・日本各地の男根崇拝/生殖器崇拝の記事一覧
目次
・日本の山の神は醜い女性の神でしかも男根が大好き
世の中の常識や正しさは果たして本当なのか追求するためのぼくのブログ「みずいろてすと」で以前、日本の山の神が醜い女性の神だと言われていることを説明した。容姿が醜いがゆえに、自分よりももっと醜いもの、おかしな容姿をしたものとして「オコゼ」を祀ることで、山の神を喜ばせるという風習が日本各地に残っているのだった。
また山の神は醜い女性の神であるがゆえに男性器が好きで、山で何か失くしものがあって困った際には、自らの男根を露出して山の神に見せるようにふるまうと、山の神が喜んで見つけ出させてくれるのだと、日本中に言い伝えがあるようだった。また男性器が好きな上に山の神は女性が嫌いなようで、女性の匂いがつかないようにマタギが山に入る前には性交渉などしないのが習慣であるようだ。日本の山で女性が入ってはいけない聖地が多いのも、山の神が女性であり女性嫌いであることと関係しているのかもしれない。
・山の神は男根が好きな醜い女性の神だというのは本当か?
しかし山の神の話は実に面白いが、何じゃそりゃとか、ほんまかいなと感じないこともないだろう。だいたい山の神なんて誰も見たことがないのに、女性だとか、醜いとかどうしてわかるのだろうか。しかも誰も見たことがないのにとんでもないブスだったとか言われた上に、男性器まで好きだったなどと決めつけられたらちょっと何勝手に決めとんねんと怒るのではないだろうか。もしもぼくが山の神ならきっと怒ると思う。
しかもこれらの話は本に書いてあったりとか、アニメ「日本昔ばなし」を見たりだとか(日本昔ばなしの「山の神」の話めちゃくちゃ面白いよ!みんな見てね!)、武田鉄矢さんがラジオで喋っていたのを聞いただけで、実際に日本の中で山の神の性質や正体というのをこの目で確かめたわけではなかった。本当に日本の中には、山に神にオコゼをお供えしていたり、山の神が男根が好きだということが示唆される風習や聖域が残っていたりするのだろうか。あるんだとしたらぜひ見てみたい。それを見て初めて、あぁ本当に山の神って伝説の通り日本で物語が受け継がれているんだなぁと納得できるだろう。
しかしそんな機会はまるでなく、山の神の性質や風習どころか山の神の神社すら見つけることもないままに時間は過ぎていった。
・ぼくの「日本海沿いを北上する旅」+「太平洋沿いを南下する旅」=日本一周の旅
ぼくは2020年7月〜11月にかけて約4ヶ月間、て「日本海沿いを北上する旅」+「太平洋沿いを南下する旅」=日本一周の旅を実行した。
岡山県、広島県、山口県、佐賀県、長崎県、福岡県、大分県、熊本県、島根県、鳥取県、兵庫県、京都府、福井県、石川県、富山県、新潟県、山形県、秋田県、青森県、フェリーに車ごと乗り込んで北海道函館まで渡り、そのまま北海道の最北の離島、礼文島の澄海岬を「日本海沿いを北上する旅」の最終目的地とした。
そのまま北海道をぐるっと一周し、再びフェリーに乗って青森県へ!青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、長野県、岐阜県、山梨県、静岡県と「太平洋沿いを南下する旅」を完遂した。もはやほとんど日本一周を達成した気持ちだった。
・島根県の八重垣神社境内の「山神神社」で見かけた巨大木製男根
その途中で訪れた島根県の八重垣神社は、ロマンチックな占いができる「鏡の池」が有名だ。「鏡の池」がある「佐久佐女の森」は、素戔嗚尊(スサノオノミコト)が稲田姫を難から救った場所として知られている。「鏡の池」では「鏡の池の縁占い」をすることができる。
「鏡の池の縁占い」は、池に占い用紙を浮かべ、十円玉か百円玉をその上にそっと乗せる。15分以内に沈めば縁が早く、30分以上かかると縁が遅く、また近くで沈むと身近な人、遠くで沈むと遠方の人と結ばれるのだという。
何とも可愛らしいゆるふわ女子が好きそうな内容なので、ぼくは八重垣神社自体もゆるふわな女子向けな感じの神社かと思って訪れてみると、境内に巨大な木製の男根が設置されていたので驚愕した!この神社の名前が、まさに「山神神社」だったのだ!
何も知識のない人はこんなところに男根を置くなんていやらしいと考えるかもしれないが、ぼくは日本の山の神がブスで男根が好きだという情報をあらかじめ知っていたので、むしろ本当に日本では山の神が男根と強く結びついているのだということを、目の前のいくつもの男根に初めて証明されたような気がして実に嬉しい気分だった。ぼくは空想の物語の中や伝聞からではなく、この日初めて山の神がしっかりと男根と結ばれているのだということを、実際に目の前で確認できたのだった。
・日本の男根崇拝、生殖器崇拝は多様性に満ちている
日本一周してわかったことは、日本では実に多くの男根が祀られており男根崇拝、生殖器崇拝が盛んなことだった。日本一周の旅の中で数々の男根崇拝の風景を偶然目撃してきたが、それぞれに男根が祀られている理由は異なっているかもしれず、日本の男根崇拝の中にも多様性が感じられた。
例えば既述したようにこの八重垣神社で男根が置かれていたのは、山の神を喜ばせるためだ。山の神は醜く、そして男性器が好きな女性だという物語が今に至るまで受け継がれていることから、男根が供えられているのだろう。
また長崎県ではポケモンGOをやっていて森の中へ迷い込んでいると、いきなり男根が出現した!ここは「木花聞那姫神社(コノハナサクヤヒメジンジャ)」という名前の神社だった。この神社の中には男根だけではなく、洞窟の中に女性器も祀られていた。
木花聞那姫とは、天皇の先祖であるニニギノミコトが高天原(タカアマハラ)という神様の国から降りてきたときに、巡り会った美女だったという。ニニギノミコトは木花聞那姫は彼女を見つけるや否や「まぐわひせむ(エッチしよう)」と告げたという物語が「古事記」や「日本書紀」に残っている。だからここには男根と女性器があるのかなと、ぼくは推測した。
また温泉=女性器であり、だから温泉には男根を祀るのだという風習も、日本各地で残っているらしい。ぼくは秋田県八幡平の「藤七温泉 彩雲荘」で男湯と女湯の扉の間にあまりにも巨大な木製の男根が並んでいるのを発見したし、岐阜県の下呂温泉では、現代的アートとしての男根神「チムチムゴッド」が売られていた。日本で温泉に男根を祀る風習があるというのも、おそらく本当だろうと実感した。
このように一言に男根崇拝と言っても、日本では様々な歴史や伝説があり、多様性に満ちていると感じられた。これからも日本を旅していれば偶然にまた新しい男根の物語と巡り会ってしまうのかもしれない。しかしどんなに伝説や物語を付け加えようとも、日本人が本当に信仰しているのは、この世のすべての人生をもたらしてくれた男根の野生的な力強さかもしれない。男根はあらゆる人間の故郷だということを、古来から日本人は感じ取っていたのではないだろうか。
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