巨大岩石に巨大な風穴!熊本県の秘境神社・上色見熊野座神社の穿戸岩が大迫力だった

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上色見熊野座神社の参拝をリベンジ!!!!!

巨大岩石に巨大な風穴!熊本県の秘境神社・上色見熊野座神社の穿戸岩が大迫力だった

「九州一周の車中泊の旅」で上色見熊野座神社を訪れた思い出
・上色見熊野座神社の由来、和歌山県との関係、御祭神
・古すぎて不思議な形をした狛犬
・上色見熊野座神社の異界への通り道
・上色見熊野座神社の神殿の奥には続きの道があったなんて知らなかった!
・上色見熊野座神社の奥で発見する岩石信仰の形
・穿戸岩の大風穴の伝説と、さざれ石
・日本の古代からの岩石信仰の風景の記事

「九州一周の車中泊の旅」で上色見熊野座神社を訪れた思い出

2019年夏「九州一周の車中泊の旅」の最中、熊本県の秘境神社「上色見熊野座神社(かみしきみくまのいますじんじゃ)」を訪れた。どこまでも続く苔むした階段の神秘的な雰囲気と、古代から続く信仰の荘厳な気配に包まれた参拝は、記憶に刻まれた忘れられないものとなった。

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・上色見熊野座神社の由来、和歌山県との関係、御祭神

上色見熊野座神社の御祭神は、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)、石君大将軍(阿蘇山を創った健磐龍命(たけいわたつのみこと)の荒魂)。創建は不明なほど古く相当長い歴史を持つが、紀州熊野から移されたものと言われる。鎌倉から室町時代にかけて熊野信仰の広がりとともに修験者が伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)の二柱の大神を祀ったことから、上色見熊野座神社(熊野権現)と名付けたと考えられている。ぼくもはるばる和歌山県(紀州)から来たので、和歌山県と関係のあるこの神社の神様に導かれたのだろうか。

 

 

・古すぎて不思議な形をした狛犬

上色見熊野座神社でまず印象的だったのは、見たことのない不思議な形をした狛犬だった。これもいつ作られたのかわからないくらい古いものらしい。それも納得してしまうくらい、そこはかとない古代と秘境の匂いが感じられる。

 

・上色見熊野座神社の異界への通り道

まっすぐにのびた苔むした湿潤な緑の階段と、いくつも整然と並べられた灯籠の組み合わせが幻想的で、まるで異界へと迷い込んだような心地がする。

 

・上色見熊野座神社の神殿の奥には続きの道があったなんて知らなかった!

まっすぐな階段の先に神聖な雰囲気に満たされながら建っている神殿。実は前回「九州一周の車中泊の旅」でここを訪れた時には、この神殿を参拝して何も知らずに満足して帰ってしまった。しかし後からこの上色見熊野座神社の詳細を調べてみると、この神社の参拝はここで終わりではなかったのだ!なんとこの神殿の奥にはさらに上まで道が続いており、そこには巨大な岩石と大穴が存在しているというのだ!

ぼくはその情報を知ってから、悔しくてたまらなかった。というのもぼくは神社というものは、神殿が最も重要だとは考えていなかったからだ。誰もが神社を訪れたのならばその中央に君臨している神殿を最も神聖な聖域だと見なし、深く祈りを捧げることだろう。しかしぼくは、神殿は真ん中に設置され目立つ存在でシンボル的ではあるけれども、それは見せかけだけの神聖さであり、本当に神聖なものは、神社のもっと奥深くに隠されているものだと信じているのだ。神殿の裏や奥深くには、新しい神殿よりももっともっとはるかに古くからそこにたたずんでいる素朴な石や木や水が祀られており、実はその神殿の裏の存在が、その神社の神聖さ(パワー)の根源であると考えている。「後戸の神」と呼ばれることもある。

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上色見熊野座神社の神殿には伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)など「古事記」「日本書紀」に出てくる天皇にまつわる神様が祀られているが、しかし「古事記」「日本書紀」が人工的に作成されるずっと前から、ここは神聖な場所だったのではないだろうか。元々あったその聖域に、天皇の日本支配の権力拡大が重なり、「古事記」「日本書紀」の神々が上書きされて設置されているだけではないだろうか。上書きされる前の、本来ここが聖域だった理由はどこにあるのだろう。ここが「古事記」「日本書紀」ができるずっと前から、天皇が日本を支配するずっと前から、日本が日本だと呼ばれるずっと前から、人々がここで祈り続けてきた理由はなんだろう。その理由は大抵、神殿の奥に隠されているのだ。ぼくはどうしてももう一度上色見熊野座神社を訪れ、その裏に隠された神聖な姿を確認したいと決意した。

 

・上色見熊野座神社の奥で発見する岩石信仰の形

時は経ち2020年夏、ぼくは「日本海沿いを北上する旅」に出た。岡山県、広島県、山口県、佐賀県、長崎県、福岡県、大分県と旅を継ぎ、ついに1年前にも訪れた熊本県へとたどり着いた。ぜひこの機会に、上色見熊野座神社の奥に祀られているという「穿戸岩(うげといわ)」をお参りしたかった。その願いは実現し、上色見熊野座神社の神殿までたどり着いた後は、前回知る由もなかったさらに奥の方へ、上の方へと歩みを進ませていく。どれくらい時間がかかるのか未知だったが、意外と10分くらい軽く歩いた程度で、無事に穿戸岩へとたどり着くことができた。

 

 

そこにはまさに巨大岩石と、その真ん中に大きな風穴が空いていた。これまでに見たことのない、神秘的で珍しい聖域だった。しかし上色見熊野座神社が古代から聖域であった理由は、この穿戸岩を見ればはっきりわかる。ここは岩石を崇拝するための聖地だったのだ。

 

 

巨大岩石という大自然に畏怖の念を抱き、神様として祀ろうという古代日本からの自然崇拝の風景が、ここ熊本県の山奥でも広がっていた。ぼくはこれまで日本各地でこのような巨大な岩石信仰の風景を見つめてきたが、やはり古代から日本列島の中で日本の民族は同じような祈りの感受性を共有してきたようだと感じられた。

 

しかし巨大岩石にこんなに大きな風穴が開いているという風景は、まさに初めて見たので圧倒された。この大穴は、どんなに困難な目標でも必ず達成できる象徴とされており、合格、必勝のご利益があるのだという。それにしてもどうやってこんな巨大な岩に、こんなに大きな穴が開いたというのだろう。それにはこんな伝説があった。

 

 

・穿戸岩の大風穴の伝説と、さざれ石

昔、弓好きの阿蘇大明神である健磐龍命(たけいわたつのみこと)が阿蘇山頂から弓を射るたびに、その家来の鬼八法師が拾いに行かされていた。99本目までは我慢して拾っていたが、100本目にめんどくさくなり、足の指で挟んで投げてしまった。これに激怒した健磐龍命は鬼八法師を殺そうと追いかけ回した。上色見の外輪山の向こうまで逃げようとしたが、岩壁(穿戸岩)に妨害され窮地に立たされた。そこでこの岩壁を思いっきり蹴破ると、その岩穴から無事逃げ去ることができたという。 まさにこの岩が「穿戸岩」として伝えられており、上色見熊野座神社のご神体となっている。

神殿までの階段の途中にある神秘的な雰囲気を感じさせる「さざれ石」。これはその時鬼八法師が穿戸岩を蹴破った時に、転がり落ちた岩だという。だとしたならこのさざれ石を穿戸岩に当てはめれば、ぴったり重なるのだろうか。ちょっとやってみたい。

 

 

・日本の古代からの岩石信仰の風景の記事

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