こんな神社見たことなかったよ!!!
日本最古の神社!三重県の「花の崫神社」は巨大岩石の聳え立つ厳かな聖域
・日本最古の神社を求めて
・花の崫神社はイザナミと火の神を祀る
・花の崫神社の風景
・花の崫神社のお土産
・日本最古の神社を求めて
日本最古の温泉、日本最古の湯船ときて、紀伊山脈にはまだ日本最古のものがあるという。それは「日本最古の神社」だ。それを聞くだけで心からワクワクしてしまうようなロマンチックな魅力が漂う。
日本に住んでいると、当たり前のように日常生活の中で、もしくは旅の中で神社に遭遇するものであるが、神社は日本にしかない神道という宗教の日本独特の聖域である。これまでの人生でもあらゆる日本人が数多くの神社を訪れ、参拝し、祈りを捧げてきたことだろうが、そのような神社という聖域の中で、最も古いものというのは一体どのようなものだろうか。
・花の崫神社はイザナミと火の神を祀る
日本最古の神社であるという「花の崫(いわや)神社」は、三重県熊野市の街中にある。“花の”崫というそのネーミングから、既に素敵さがあふれ出している。それは熊野三山や高野山などの熊野古道と共に、世界遺産にも登録されているという。
花の崫神社の物語の内容としては、古事記におけるイザナミ死去の物語である。イザナミはこの国においてたくさんの国や神々を生み出したのち、最後に火の神(火之迦具土神)を生み出したことにより陰部が焼けて黄泉の国に旅立ったのだという。日本書紀に記されているその旅立ちの場所がこの熊野の花の崫神社であるということだ。
それゆえに、この神社ではイザナミと火之迦具土神が祀られている。
・花の崫神社の風景
まず神社の入り口から鳥居に入ると、木漏れ日の美しい並木道が続いている。熊野市街の賑やかで人間的な雰囲気から一転し、神聖で穏やかな雰囲気に包み込まれる。一気に古代の神世の世界まで引き戻されたかのような感覚に陥る。この木漏れ日をくぐってさらに奥へ進んでいくと、そこにはなんと巨大な岩壁が聳え立っていた!
熊野速玉大社でもゴトビキ岩という岩石を御神体に祀っていたが、ゴトビキ岩はまだ岩だなぁと認識できるほどの大きさだった。しかしこの花の崫神社の御神体はその次元ではない。石なのか、岩なのか、はたまた巨大すぎて壁だと見間違うほどの巨大な鉱物の塊が天までのびている。これがイザナミを祀っている花の崫神社の御神体である。その背後には火の神の火之迦具土神が、より小さな岩石の御神体として祀られている。
イザナミの御神体の頂上からは、意味深な綱が空中へとのびており、境内の松の御神体へと結ばれている。その1本の綱の間にはさらに旗縄という3本の縄が垂れ下げられており、それぞれアマテラス、スサノオ、ツクヨミが表現されているという。この綱をかけるための「御綱掛け神事」は太古から続けられており、三重県の無形文化指定にも登録されているという。
神社の空の中には、トンビが円環を描いて飛翔していた。ここに限らず、紀伊山脈では虚空を飛び回るトンビの凛々しい姿をよく見かけた。ことわざに「トンビが鷹を生む」という表現があるが、そう言われてしまうほどトンビは悪くないよと言ってしまうたくなるほど、その悠然とした姿は美しくぼくの胸に焼き付いている。
熊野速玉神社の前身である神倉神社の御神体と同じく、この日本最古の神社でも岩石が御神体として祀られていることに、日本民族の古代信仰の共通点を感じずにはいられない。そしてそのような立派な岩石の御神体が、大切に守られ続けているということに、紀伊半島南部という風土と情緒が表現されているような思いがする。
・花の崫神社のお土産
花の崫神社のお土産には、安くて美味しいものがたくさんあった。特にイザナミ米のポン菓子は素朴な甘みが味わい深く、また花の崫サブレは味噌が入っているという香ばしさが際だつ、今まで食べたサブレの中でもかなり上位に食い込むサブレだった。また再訪した際にも購入したい。