日本最古の湯船!和歌山県白浜の「崎の湯」は海がすぐそこに迫る絶景露天風呂だった

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最高すぎて3時間もいてしまった…。

日本最古の湯船!和歌山県白浜の「崎の湯」は海がすぐそこに迫る絶景露天風呂だった

・日本最古の湯船「崎の湯」
・海の絶景露天風呂「崎の湯」とは
・全裸で大自然の野生に帰るという温泉の聖域

・日本最古の湯船「崎の湯」

さて、和歌山県には信憑性の高い日本最古の温泉「湯の峰温泉」があるかと思えば、日本最古の湯船だってあるという。それが和歌山県白浜に位置する「崎の湯」だ。この温泉、日本最古の湯船という名目がなくても十分に素晴らしい最高の露天風呂温泉だったので、ぜひ紹介したいと思う。

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・海の絶景露天風呂「崎の湯」とは

 

日本最古の湯船の「崎の湯」は、和歌山県の有名な温泉街、白浜にあるという。崎の湯、白浜とグーグルマップで検索すれば簡単に位置を把握することができるだろう。検索して気づくのは、その位置の特殊性である。なんと美しい白浜の海に完全に面しているのだ!それどころか露天風呂と海との海との境界線が曖昧であり、温泉なのか露天風呂なのかわからないようにも見受けられる。いったい日本最古の湯船とはどのような温泉なのだろうか。

和歌山県白浜にある「崎の湯」は、歴史的に658年に第37代天皇である斉明天皇行幸の記録が、日本書紀に残されているという。そんなに昔から湯船が存在しているなんて、斉明天皇もこの海の絶景をご覧になりながら入浴なさったのだろうか。

 

 

「崎の湯」の入浴料は500円。中にはシャワーや水道などは一切なく、髪や体を洗ったりしてお風呂の代わりにすることはできない。あくまでも温泉に入浴するだけである。料金を払って暖簾を通ると、そこには既に絶景の予感が漂っている。「日本最古」という新しそうな石の上の文字が踊る。

 

 

脱衣していざ温泉に入ると、目の前には白浜の美しい海、海、海の絶景が広がっている!この世にこんな絶景で迫力のある温泉があったのかという感動が胸に広がっていく。岩に打ち付けて砕ける波のしぶきがかかってきそうでかかってこない絶妙な位置に、露天風呂は位置している。

 

男湯の露天風呂は海にかなり接近している方とちょっと遠い方のふたつが用意されており、近い方がやはり絶景の迫力はあるものの、快晴の際にはやや直射日光が強い印象だった。遠い方の露天風呂には温泉のお湯の流れ込む滝があり、その滝のお湯によって侵食されたであろう湯船の凹みが快適に入浴するのに便利な椅子になっている。こちらの方は影になっており長時間入浴するのに適切であると思われる。

 

 

・全裸で大自然の野生に帰るという温泉の聖域

ぼくはこの温泉の魅力にすっかり魅了され、合計3時間も居座ってしまった。3時間もいるといろいろな人々が入れ替わり立ち替わり入浴していて面白かった。広島や岡山から来た人、フランス人のグループ、車中泊の経験のるおじさんなど、たくさんの人と話しながら時は過ぎた。

女風呂はそんなことないだろうが、男湯の方はなかなか開放的な構造になっており、海の向こうには白浜の街並みが広がっていた。温泉から抜け出して裸で岩の上を歩いたり、温泉と海水の境界にあるぬるま湯に身を浸したりでき、大自然の中、野性的に冒険しているような気分になる。

ぼくは日本最古の温泉、湯の峰温泉でも感じたことだが、日本人は温泉を何か神聖なものとし信仰してきたように感じられる。そしてその思いは今を生きるぼくたちの精神にも引き継がれているように思う。ヨーロッパのハンガリーでは感じられなかった神聖な雰囲気を、日本の温泉には感じることができる。北海道の豊平峡温泉の記事でも書いたが、そこには自然回帰の尊い思いがあるように感じる。

人間は群れて社会生活を営むにおいて、排泄も生殖もしない、いわばその他の動物とは違う存在であるように振舞わなければならないように強いられている。それでいてすべての人間は排泄も生殖もするただの動物であり、誰にだって自動的に暴かれる嘘の仮面を取り付けながら生きるという精神的な閉塞感を抱いている。そのような呪縛から、温泉は解放し人々を浄化と導く。

日本の温泉の構造はさながら大自然にいることを思わせる。数々の石や巨大な岩が転がっていたり、滝が流れていたり、まるで野生の森にいるような感覚である。そこに人間的文明の象徴である衣服を取り払い、全裸で彷徨い歩くことによって、さながら野生動物に舞い戻ったかのような感覚を生み出す。生殖器を見せながら大自然の模倣の中を闊歩することにより、自分高等な人間ではなくただの動物であることを互いに証明し合い、そして縛り付けられていた人間文明の呪縛から解放される。

そのような聖域としての温泉の姿は、当然大自然に似ていれば似ているほど望ましく、また大自然の中にあればあるほどにふさわしい姿となる。そのような観点から言えば、海のすぐそばに隣接しており、海なのか温泉なのかわからないほどに、海と温泉の境界線に存在しているこの崎の湯は、日本人の聖域として最もふさわしい温泉であると言えるだろう。このような海に開かれた解放的な空間の、まさに大自然の鼓動を感じる聖域の中で、衣をまとわずに全裸の動物に帰ることにより、そしてその姿で大自然に立ち向かうことにより、また新たな人間としての旅立ちを踏み出すことができるだろう。

 

 

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