マレアレアで大雨の中滝を見に行くことに!!!!!(泣)

楽園から地獄へ!マレアレアのRPG的な絶景と滝を見に行ったら大雨で凍え切った話
・内陸国レソトの楽園と呼ばれるマレアレアへ行こう
・マレアレアで地元の人々と焚火
・マレアレアの幻想的なRPG的風景と地元のおじちゃんが見せてくれた絶景
・マレアレアの滝を見に行く途中で大雨が降って来て凍え切った
・マレアレアで知った暖炉と火のありがたさ
目次
・内陸国レソトの楽園と呼ばれるマレアレアへ行こう
ぼくは2024年5月8日から10月1日まで、約5ヶ月間かけてアフリカ大陸縦断の旅をした。訪れた国はエジプト、エチオピア、ケニア、ウガンダ、ルワンダ、タンザニア、マラウイ、ザンビア、ジンバブエ、ボツワナ、ナミビア、レソト、南アフリカ共和国だった。
ぼくがアフリカの旅の中で最も大好きだった、大自然と大都会の融合が美しいケープタウンの滞在を終えて、ぼくたちは南アの内陸国レソトに向かった。レソトは国土全体が標高1400m以上に位置していて「アフリカの天空の王国」と呼ばれており、山や滝などの大自然が美しいことで有名だ。
ぼくたちは長距離バスIntercapeに乗ってケープタウンからブルームフォンテーンまで移動、さらにそこからミニバスを乗り継いでレソトの首都マセルへ入国した。さらにマセルから「楽園」と呼ばれている山奥の村マレアレアまで長距離移動し、へとへとになりながらも何とか予約していたマレアレアロッジに辿り着くことができた。移動の詳細は以下の記事で徹底的にまとめた。
マレアレアロッジはマレアレアで唯一泊まれる宿泊施設でBooking.comやagodaからも予約可能だ。予約しないで行って部屋が空いていなかったらどこにも泊まれずに一巻の終わりなので、必ず予約してからマレアレアを訪れよう。



「楽園の入口」と書かれたマレアレアの看板
夕方に辿り着いたマレアレアの風景はまるでRPGの世界のように幻想的で壮大で美しく、僕たちは息を呑んだ。マレアレアの入り口にある「楽園の入口」という看板も嘘ではないように思われてくる。ここマレアレアロッジでは2泊して、マレアレアが本当に楽園と呼ぶにふさわしい場所なのか確かめてみよう。
・マレアレアで地元の人々と焚火
標高の高いマレアレアの朝はやっぱり凍えるように寒い。マレアレアでは乗馬したりするマレアレアロッジのツアーに参加するのが観光の定番らしいが、オジさんと別にそんなことしたくないよねと話し合い、調べてみたところ近くに滝がありそうなので滝まで歩いて行ってみることにした。その滝の名はBotsoela Waterfallで、グーグルマップを見れば位置は出て来るので自力で行けるかなと思ったのだった。
しかしグーグルマップのBotsoela Waterfallのページにはレビューがひとつもないので、本当にここに滝があるのかものすごく怪しい感じはする。まぁ無理そうだったらその時は戻って来よう。

マレアレアロッジを出ると地元の人々が焚火をしていて、寒いだろうとぼくたちを火のそばへ来るように誘ってくれた。レソトの人々はあまり英語は通じないものの本当に純粋な優しさを持っているように感じられ、心が癒される。ぼくたちは簡単な英語で滝を見に行きたいのだと伝えると、滝はガイドなしでは絶対に辿り着けないだろうと言われた。その上とても遠いという。
さっきから小雨が降り始めたり止んだりして天候も不安定なので、ぼくたちは滝を見に行くのを諦めようと思った。彼らにこの辺にいい見所はないかと尋ねてみる。するとおじちゃん(おじいちゃん?)が綺麗な景色のところへ連れて行ってやるよという。アフリカでそんなことを言われたらぼったくられたりしそうなので普通なら断ったり付いていったりしないのだが、レソトの人々は本当に裏表なく優しそうなので、ぼくたちもついおじちゃんに付いていくことになってしまった。
果たしておじちゃんの案内は無料なのか、有料ならばガイド代はいくらなのか、後のトラブルを避けるために本来なら前もって明白にしておくべきなのだが、何だか心温まるマレアレアの雰囲気に惑わされてそんなことを聞く気すら起こらないのだった。レソトは本当に不思議なところだ。
・マレアレアの幻想的なRPG的風景と地元のおじちゃんが見せてくれた絶景


おじちゃんに付いていくと地元の人にしか把握されていないような獣道をどんどん進んでいく。










素晴らしい景色のスポットへ連れて行ってくれるとのことだが、マレアレアの獣道をこうして歩いているだけでもう既にかなり幻想的というか、雄大で神秘的で秘境感たっぷりの絵ハガキのような風景を360°に渡って眺めることができてとても感動的だった。山の方には雪が降っているのか白く霞んでおり、それがまた神秘的な雰囲気を一層掻き立てている。

おじちゃんが道の上の石を拾って渡してくれた。何だろうと思って見てみると白くて綺麗な鉱物が光り輝いていた。本当に道の上に転がっているアイテムを広い集めていくRPGの冒険の世界みたい。もはや夢の中の風景を歩いているような気分になっていると、おじちゃんの言うnice view spotに到着した。


そこはものすごく深い峡谷のようになっており、足もすくみそうな目下の峡谷と遥か向こうに見える秘境の山々のコントラストが美しい絶景だった!確かにここは誰も知らない、地元の人しか知らない絶景スポットだろう。写真だと峡谷の深さがイマイチ伝わらなくて残念。
・マレアレアの滝を見に行く途中で大雨が降って来て凍え切った
この峡谷の絶景スポットまで来たところで天気が大分回復してきたので、時間もあるしやっぱり滝へ行きたいということになった。おじちゃんに交渉してみると、200ロチ(1600円くらい)でガイドしてくれるというので連れて行ってもらうことにした。滝は遠いと教えてもらっていたので、さすがに無料では行ってもらえないだろうということでぼくたちは納得した。


料金を支払うことに同意し、ぼくたちBotsoela Waterfallに向かって歩き始める。途中までは舗装されていない車道をただひたすらに歩き続けていたが、ある地点から左側にそれて、峡谷へ向かって下り始める。





徐々に民家もなくなり、大地と川と山脈だけの大自然の世界へと入っていく。とここで最悪の事態が起きた!何と雨が降り始めたのだ!さっきまで晴れてきていたのに、やっぱり山の天気は激しく移ろいやすいものらしい。
それも小雨くらいならばまだ耐えられるのだが、だんだんと本格的に降り出して服や靴や鞄にまで水が染み込み始めた!やばい!冷たい!もう滝なんてどうでもいいから引き返してホテルで体を温めたい!

大雨の中、この川をジャンプして向こう岸の岩まで跳べと言われた、泣きそう
さらに悪いことには道も狭く、泥でぬかるんでいたり、ひどいところでは川をジャンプして向こう岸の岩まで飛び越えなければならないような大冒険スポットまであったりして、失敗して滑り落ちたら川でずぶぬれになるんだけどと泣きそうになりながらも何とか前進を続けていた。
びっくりしたのはガイドのおじちゃんが、雨が本降りになってきたにも関わらず中止しようとか、雨宿りしようとか、どうする?とかぼくたちに全く聞かずに、ただひたすらに滝に向かってどんどんどんどん突き進んでいることだった。まぁ滝へ行きたいとお願いしたのはぼくたちなのでありがたいことなのかもしれないが、こんな大雨の中ずぶ濡れになりながら滝へ向かって歩いて行けるなんて尋常な精神の強さではないと感じた。一度決めたら何があっても貫くという男らしさの表れなのだろうか。
ぼくたちはこんな雨になることは予想していなかったから、防水の用意なんてして来なかった。早い話が全身びしょ濡れで、抵抗する術もなくもろに雨水をくらいながら、徐々に冷え切ってくる体を何とか奮い立たせ、根性だけで滝まで前進している状態だ。
本来なら温かいユニクロのウルトラライトダウンもちょっとくらい防水機能があるかもしれないと淡い期待を寄せたが、防水してくれる様子は全くなく、逆にどんどん水を吸い込んでいるような気がする始末だった。靴も防水じゃないので中までグショグショで、本当にこんなに冷たくて不快で辛い思いをしながら見る価値のあるほどの素晴らしい滝なんて絶対にあるはずがないと思いながら、そんなことも言えずにただ黙々と滝まで冒険道を突き進んだ。
ちなみに道に関してはグーグルマップにも載っていないような獣道の連続で、確かにガイドなしには外国人が絶対に辿り着けないようなローカルな道だった。


大雨で凍える中、必死に笑顔を作る水色くん
そしてやっとの思いで辿り着いたBotsoela Waterfall!ぼくの感想は「あ、滝だ・・・」だけだった。うん、わかった、滝だ、滝はあった、この目で確かめた、わかったからもう早く帰ろう、雨がどんどん強くなってきているし凍え死ぬかもしれない!他の人も同じ気持ちだったらしく、そそくさと退散した。一刻も早く帰らないと、寒くて病気になったりしたら命に関わるかもしれない。
帰り道でも雨は一切止むことはなく降り続き、本当に辛くて心がくじけそうになりながらもようやくマレアレアロッジへ帰ることができた。こんなに辛かったのは、アフリカ大陸縦断の旅で初めてだ。
・マレアレアで知った暖炉と火のありがたさ
マレアレアロッジへ帰り着いたも問題は残っていた。ぼくたちは明日の早朝この宿を出ていくのだ。それまでに靴や服を乾かさないと大変なことになる。服はまだ代わりがあるから許せるとしても、靴は1つしかないので絶対に乾かさないと明日も冷たい足のままで移動しなければならないことになる。しかしぼくたちの部屋には暖房もストーブもないのに、どうやって乾かせばいいのだろう。
そこで思いついたのが、マレアレアロッジのレストランにある暖炉だった。暖炉で乾かしてもいいだろうか、しかしそれ以外に方法がないので、否が応でも乾かすのだという執念で靴や服をレストランまで持って行き、暖炉の前に乾きやすいように設置させてもらって様子を見た。


すると暖炉とは何てすごいものなのだろうと感動してしまうほどに、みるみるうちに服や靴が乾いていった。というか暖炉の前に服や靴を置いていると、火に当たって湯気がもくもくと立ち上がるのが見えるのでとても面白かった。炎の熱によってちゃんと水分が服や靴から抜け出ているのだということを、この目で確かめられるのは安心感があった。暖炉の乾燥能力は素晴らしく、絶対に明日までに乾くはずがないと絶望していた服や靴たちがみるみるうちに乾いていった。さすがに靴はなかなか乾きにくかったが、何とか長時間暖炉の火に当てることをほとんど水分を逃がすことができた。これで明日からも快適に旅が続けられる!
ぼくはこれまでの人生で、暖炉について深く考えたことがなかった。しかし今回のマレアレアの旅で深く実感した。暖炉ってすごい!暖炉って何とありがたい存在なのだろう。昔の人々が火の神様などと言って、火をありがたがっていた理由がとてもよくわかった。ぼくもこれから火に感謝しつつ生きていこうと思う。
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