アフリカの旅はマラリアが怖い!!!!!

アフリカ縦断の旅ではマラリアにかかる?エチオピアのアルバミンチでマラリア予防薬を格安入手した
・ぼくのアフリカ大陸縦断の旅
・アフリカ大陸縦断の旅におけるマラリアの脅威
・マラリア予防の基本は何といっても蚊の対策
・マラリア予防薬の詳細とアルバミンチでの入手方法
・ぼくはアフリカ縦断の旅5ヶ月を予防薬なしで乗り切った
目次
・ぼくのアフリカ大陸縦断の旅
ぼくは2024年5月8日から10月1日まで、約5ヶ月間かけてアフリカ大陸縦断の旅をした。訪れた国はエジプト、エチオピア、ケニア、ウガンダ、ルワンダ、タンザニア、マラウイ、ザンビア、ジンバブエ、ボツワナ、ナミビア、レソト、南アフリカ共和国だった。
・アフリカ大陸縦断の旅におけるマラリアの脅威

アフリカ大陸縦断の旅には、他の地域の旅にはないような心配事がいくつかある。その最たる例は、マラリアにかからないかということだ。マラリアとは寄生虫(マラリア原虫)によって引き起こされる感染症で、マラリア原虫を保有した雌のハマダラカという蚊に刺されることによって人に感染する。マラリアは赤道近くの世界中の多くの国で感染する危険性があるが、特にサハラ以南のアフリカ大陸においては感染者が多く2015年のデータではマラリア患者の88%、マラリア死亡者の90%がこの地域に住んでいたという。マラリアにはいくつか種類があるが熱帯熱マラリアは重症化する恐れがあり、最悪死に至る病気だ。実際に世界一周中の日本人の旅人の中にも、マラリアで死亡して帰国できなかったような人もいる。
・マラリア予防の基本は何といっても蚊の対策

このようなマラリアの脅威を知ってしまうと恐ろしくてとてもアフリカを縦断する旅を楽しめなくなってしまいそうになるが、マラリアには予防する方法がある。もちろんハマダラカに刺されないことが最大の予防となるので虫除けスプレーを使う、蚊帳のある宿を選ぶ、長袖長ズボンを着用する、ハマダラカが活発に動く夕暮れから明け方にかけて注意することなどは基本中の基本だ。とにかくハマダラカに刺されなければ、マラリアに感染する可能性をなくせるのだ。
しかし実際にアフリカを旅してみるとわかるが、完全に蚊に刺されるのを防ぐのは不可能だ。どんなに注意していても旅の最中に外を歩いていれば絶対に蚊には遭遇するし、服装に気を付けていても顔や手などは皮膚が露出しているので100%刺されないように常に注意するなんて到底無理な話だ。そして残念なことに、アフリカの宿の部屋には蚊が多い。アフリカ人は蚊の脅威を全く気にしていないのか部屋に蚊がいても当たり前でしょうという感覚だし、そもそも窓が閉まらないので蚊が入り放題になっている部屋の作りであることも多い。
ならばせめて蚊帳のある宿に泊まろうと思うのだが、たまに蚊帳が破れていて使い物にならなくなっている場合もあるので注意が必要だ。泊まる際には事前に部屋の蚊帳が破れていないか念入りにチェックする必要があるだろう。部屋にあまりに蚊が多くて不快な場合は、ホテルが殺虫スプレーを貸してくれることも多かったから頼んでみるといいだろう。アフリカの殺虫スプレーはやはり強力で、部屋の中の蚊を皆殺しにしてくれて心強かった。またスプレーがない場合でも、
ぼくの場合はアフリカ旅の間、日常的に日本で買ってきた蚊除けスプレーを使用し、蚊に刺されないように服装にも留意し、ホテルの宿は蚊帳が付いているか破れていないかを念入りにチェックし、時には部屋の蚊を殺虫スプレーでもしくは自分の手で地道に抹殺し、かなり念入りに注意しているつもりだったがそれでも2日に1回くらいは蚊に刺されていたと思う。どんなに蚊の対策をしてもやはり限界があるのだ。
・マラリア予防薬の詳細とアルバミンチでの入手方法
蚊の対策では防ぎ切れないのなら他のマラリア予防法として、予防薬の内服が挙げられる。マラリアには予防薬があり、それを適切に内服していれば発症を90%は防ぐことができるという。マラリア予防薬にはいくつか種類があり、マラロンは毎日内服する必要があるが副作用が少ないもの、メフロキンは週に1回の内服でいいが精神的副作用などが現れやすいとされる。さらに日本では未承認だがテトラサイクリン系の抗菌薬であるドキシサイクリンもマラリア予防効果がある。毎日飲む必要があり光線過敏症(日焼けしやすくなる)、胃の不快感などの副作用があるが、他と比べて安価だ。



アフリカではドキシサイクリンも入手可能ということで、どうせなら安いので副作用も比較的きつくなさそうだし、ぼくはドキシサイクリンを手に入れることにした。エチオピアの有名な観光地アルバミンチのRed Cross Arba Minch Officeの薬局では、370円くらいで40日分のドキシサイクリンを手に入れることができた。エジプトではマラリア予防薬を無料でもらえる場所もあるみたいだが、手間や交通費を考えるとアルバミンチ観光のついでにここで1錠10円ほどで買うのもさほど変わらないのではないだろうか。
・ぼくはアフリカ縦断の旅5ヶ月を予防薬なしで乗り切った

さてここまで準備していて何なのだが、ぼくの気分としては何だかドキシサイクリンを飲みたくなかった。細菌感染症になったわけでもないのに抗菌薬を毎日毎日飲み続けなければならないということに心の中で抵抗があったのだ。比較的軽めではあっても副作用もあるようだし、耐性菌の問題もあるし、いくらアフリカでもマラリアなんて滅多にかからないだろうし、できることならしっかりした蚊の対策だけで済ませたいというのが本音だった。さらにはアフリカ旅で予防薬を飲まなければ本当にマラリアにかかってしまうのかどうかを、自分自身の肉体を使って実験してみたいという小さな好奇心の気持ちもあった。
旅先で予想外に蚊の多い場所に出くわしたりとか、蚊に刺されまくりそうな状況に陥りそうになった時の予防薬としてアルバミンチでドキシサイクリンは購入しておいたが、逆に言えばそういう仕方のない状況に陥るまでは予防薬は飲まずに蚊の予防対策だけで踏ん張ってみようと試みた。そしてアフリカ縦断の旅の5ヶ月間そういう状況に陥ることがなかったので、結局マラリアの予防薬は飲まないまま終わった。そして結果的にぼくはアフリカの旅を蚊の予防対策(防虫スプレー、殺菌スプレー、長袖長ズボン、蚊帳、夜間注意)だけで乗り切り、マラリアにかかることはなかった。
しかしこれは結果論であって、本来ならば医学的にはアフリカ縦断の旅をするなら副作用の様子を確かめつつ予防薬を内服した方が安全だろう。ただ今回はマラリア予防薬を飲まずに5ヶ月間アフリカ縦断の旅をしてもマラリアにたまたまかからなかった一例を示したのみであり、医学的には予防薬が推奨されることを念頭に置きつつ、最終的には個人の判断となる。繰り返しになるがどんなに蚊の対策を頑張っても2日に1回は蚊に刺されていたし、それでマラリアが不安になってアフリカの旅を楽しめないような精神状態に陥るならば、素直に予防薬内服を選択するのがベストだと思われる。
・アフリカ縦断の大冒険の記事一覧はこちら!
エジプト
エチオピア
ケニア
ウガンダ
ルワンダ
タンザニア
マラウイ
ザンビア&ジンバブエ
ボツワナ
ナミビア
南アフリカ共和国&レソト
