ナミブ砂漠のど真ん中で車がガス欠して止まってしまった!!!!!(泣)

ナミブ砂漠の真ん中で車がガス欠して立ち往生!デッドフレイの風景は美しかったがそれどころではなかった
・知性と肉体と運を使い果たしたナミビアのロードトリップの旅
・ナミビアのロードトリップの具体的日程
・デッドフレイへの往復移動でガソリンが足りるのか問題
・ナミブ砂漠のデッドフレイの幻想的で神秘的な光景
・デッドフレイの神秘的な光景のYouTube動画はこちら!
・ナミブ砂漠のど真ん中で車がガス欠して立ち往生した
・ヒッチハイクしてガソリンスタンドまでガソリンを買いに行く
・デッドフレイやデューン45の入場料
・お洒落なAgama Lodgeでステーキランチ
・奇岩や360度地平線も!ナミビアのロードトリップは絶景に次ぐ絶景だった
目次
・知性と肉体と運を使い果たしたナミビアのロードトリップの旅

ぼくは2024年5月8日から10月1日まで、約5ヶ月間かけてアフリカ大陸縦断の旅をした。訪れた国はエジプト、エチオピア、ケニア、ウガンダ、ルワンダ、タンザニア、マラウイ、ザンビア、ジンバブエ、ボツワナ、ナミビア、レソト、南アフリカ共和国だった。
ナミビアでは観光名所に行くためのツアーが高すぎるので、自分たちでレンタカーを借りて自由に国中を回るというロードトリップという旅の形式が定番だ。レンタカーを借りるならばメンバーが多ければ多いほど1人当たりの料金が安くなるので、様々な方法を駆使して必死にロードトリップ仲間をかき集め、幸運も手伝って最多の4人でナミビアを旅できることになった。
さらに海外でのレンタカーはもちろん、外国で運転した経験すらなかったぼくだったがメンバーに先駆けて単独でナミビアまで移動し、現地のお店まで見に行ったり直接質問したり、またインターネット上の情報を可能な限り集結させて、何とか格安でレンタカーを借りることに成功した。
加えて国際免許証を持って来なかったぼくがナミビアで運転できるようにするために、首都ウィントフークの日本領事館へ赴き、翻訳証明をゲットした。日本の免許証とこの翻訳証明があれば、日本人はナミビアの大地を自由に運転できるのだ。
最後にロードトリップでナミビアを一周するルートとそれぞれの町で泊まる宿を決定して、準備は完了した。本当に脳をフル活用して様々な問題について考え、さらに激しい行動力を起こしてそれを解決しようとする、知性と肉体と運を最大限まで駆使して奔走したのはアフリカ縦断の旅の中でもナミビアだけだったので、そういう意味でもナミビアの旅は記憶に深く刻み込まれている。
・ナミビアのロードトリップの具体的日程
レンタカーを借りるのは7日間なので、合わせて6泊7日のロードトリップになる。
1日目:首都ウィントフークからナミビア南部セスリエムまで移動
セスリエム・キャンプサイト泊
2日目:ナミブ砂漠のデッドフレイ、デューン45など観光
ナミビア西部のスワコプムントへ移動
スワコプムント泊(Airbnbで見つけたScultetus Hausで3泊)
3日目:スワコプムント周辺観光
スワコプムント泊
4日目:スワコプムント周辺観光
スワコプムント泊
5日目:エトーシャ国立公園近郊のツメブへ移動
ツメブのVilla Africa Gueshouse & Tsumeb Backpackers泊
6日目:エトーシャ国立公園サファリ観光
エトーシャ国立公園内のHalali Camp泊
7日目:エトーシャ国立公園から首都ウィントフークまで移動
ウィントフークのChameleon Backpackers泊
・デッドフレイへの往復移動でガソリンが足りるのか問題

朝6時に開くデッドフレイへ続くゲート
ナミビアのロードトリップ2日目の朝は、デッドフレイの朝日を見るために4時半起き!セスリエム・キャンプサイトに立てたテントやキャンプ用品を迅速に片付けて、ジムニーに乗り込み、朝6時にデッドフレイへと通じる扉が開くのを待つ。
心配だったのは車のガソリンがほとんど底を突いていることだ。昨日近所のガソリンスタンドの閉店時間が早すぎたために、ガソリンを補給できないままデッドフレイへドライブすることになってしまったのだ。セスリエム・キャンプサイトからデッドフレイまでは片道65km、往復130kmの道のり。ジムニーのガソリンの残量目盛りが3しかなく、調べてみると往復130km行けるか行けないかかなりギリギリのラインだった。しかしガソリンスタンドの朝の開店を待っていたらデッドフレイの朝日に確実に間に合わないので、もはや一か八か行ってみるしかなかった。
この日もぼくが運転。セスリエム・キャンプサイトからデッドフレイまでの道は舗装されていて運転しやすかった。ぼくたちの車は先頭から2番目だったので、前の車に付いて行けばいいだけだから簡単に運転できたが、よく考えたら先頭の車は真っ暗で先が見通せない砂漠の中を目印もなく突き進むのは怖かっただろう。そのせいか先頭の車はかなり速度が遅かった。
夜が明けてきて徐々に周囲の風景が見え始める。見渡す限り広がる荒野、砂漠のど真ん中に横たわる真っ直ぐな一本道を運転しているという感じで、もしもガソリンが尽きてこんなところで立ち往生したらと思うと考えるだけでもゾッとした。干からびて死んでしまうのではないだろうか。デッドフレイはこの道の先、最も遠い最終地点に位置している。舗装道が終わり、その先には砂漠の中の車道、そこを越えたところにある駐車場に車を停め、しばらく歩いてようやくデッドフレイへと辿り着く。
一本道なので運転自体は簡単で快適だ。舗装道が終わる地点にも駐車場が用意されていた。4WDではなく砂漠の道を行けない車は、ここで駐車して公共バスに乗り換えて砂漠の車道を進むようだ。ぼくたちが借りたジムニーは4WDなので本来ならば砂漠の道を自分たち自身で運転できたのだが、ここで大きくて衝撃的な問題にぶち当たった。何と3つあったガソリンの目盛りが、この駐車場の時点で1にまで減少していたのだ!

ガソリン残量の目盛りが1(泣)
ええぇ!待ってこれって本当に帰れなくない?だってデッドフレイまでの片道で目盛りが2減ったってことだから、デッドフレイからの復路も2の目盛り分のガソリンがないと帰れないわけだけど、残量はもう1しかないのだ。終わった…完全に終わった…ナミブ砂漠から帰れない…。
ぼくたちの話し合いの結果では、もしもガソリンが足りなくなっても、ナミビアではこういうことはよくあることだろうから誰かがガソリンを分けてくれるだろうと呑気に構えていた。しかし舗装道の終わりの駐車場でその辺の人に手当たり次第に聞いてみたが、分け与えるガソリンを持っている人は誰もいないようだった。えぇぇ…マジでこれ完全終了じゃない???ナミブ砂漠から帰れなくて干からびて死ぬのでは???
ぼくたちは焦り、もはや朝日なんてどうでもよくなっていたが、どんなに探してもガソリンをもらえる人がいないことがわかると、もはや考えていても仕方ないので、とりあえずデッドフレイを見に行こうという悟りの境地に至った。どうせ何もできないのだから諦めて開き直り、楽しくデッドフレイ観光をして、その後普通に運転して帰り、車がガス欠になり砂漠の真ん中で止まってしまった最悪の場合は、ヒッチハイクで誰か1人がガソリンを買いに行こうということになった。屋根の上にガソリンタンクがあるのでそれは可能だ。

デッドフレイまでの砂漠の道を走る公共バス

デッドフレイの最後の駐車場、ここからは少し歩く
しかしこの駐車場からは舗装されていない砂漠の車道を越えなければ、デッドフレイに辿り着けない。今の時点でガソリンの残り目盛り1なのに4WDで砂漠を越えていくなんて絶対に無理だと判断したぼくたちは、砂漠の道を公共のバスで進んでいくことにした。料金は往復190ナミビアドル(1500円くらい)でやや高いと感じたが、これは必要な出費だと諦めた。公共バスは砂漠の道を越え、デッドフレイに最も近い駐車場に停まり、ぼくたちはそこから歩いてデッドフレイを目指す。
・ナミブ砂漠のデッドフレイの幻想的で神秘的な光景




ナミブ砂漠に広がっていたのは、世界中のどこでも見たことのないような特別で神秘的な光景だった。ナミブ砂漠は約8000万年前に生まれ、これまで存在し続けている中で世界最古の砂漠だという。














まさにナミブ砂漠を象徴する有名な砂漠と木の不思議な風景。この木は何と600〜700年前に枯れたもので、極度に乾燥ているため分解されずに残っている。


木の表面の模様がとても趣深くて見入ってしまった。



砂丘を登って散策することもできる。ぼくたちがデッドフレイに到着した時点でもはや朝日は終わっていたが、あらゆる景色が美しくとても感動的だった。インターネットの情報を見ていると誰も彼もが朝日を見ているので、何だかデッドフレイでは朝日を見なければならないのだと思い込んでいたが、別に朝日なんて見なくても十分に全ての風景が忘れられないほどに幻想的で神秘的だったので、朝日なんかにこだわらずにちゃんとガソリンを入れて来ればよかったと後悔したが後の祭りだった。
・デッドフレイの神秘的な光景のYouTube動画はこちら!
・ナミブ砂漠のど真ん中で車がガス欠して立ち往生した
さてデッドフレイ観光も終わって、問題は無事に65km先のガソリンスタンドまで辿り着けるかどうかだ。往路で目盛りが3から1になったのでもはや無理なのではという雰囲気が漂っているが、目盛りが0になってもしばらくは走り続けられるというインターネット上からの情報を共有して自分たちの心を慰めていた。なるべくガソリンの消費を抑えるために、あんまり加速したり減速したりしないで一定の速度を保つようにしてみよう。もはや後は神頼みしかないので、ぼくは日本の神様にどうか守ってくださいとお願いしてからドライブを開始した。

10km、20km、30kmと無事にジムニーは走行を続け、40kmくらいで遂に目盛りが0になってしまった!それでも車は止まることなくナミブ砂漠を貫く道を走り続ける。あと25kmなので行けるかもしれないし、行けないかもしれない。緊張が高まる。いつこの車が止まるのかわからないような状況で運転するのは本当に心臓に悪かった。カーナビはガソリンがないので即座にガソリンを補給しろと言ってくる。それができれば苦労しないしそれができないから困っているのに、カーナビとはなんて馬鹿な機械なのだろう!もしかしたらスマホと接続していたり音楽を聞いていたりしてもガソリンを消費するかもしれないと誰かが言い出し、音楽を止めるという涙ぐましい努力まで始まってしまった。


そして残り15km、これまではアクセルを踏めばいつどんな時でも絶対にスピードが加速していたのに、どんなにアクセルを踏んでもスピードが出なくなり、みるみるうちに車が減速していった。終わった…ゲームオーバーだ…。道の真ん中でガス欠で止まるわけにはいかないので、即座に道路脇にそれて停車する。ナミブ砂漠の真ん中で、アクセルを踏んでも踏んでももはや加速しなくなってしまったあの絶望感を、ぼくは一生忘れることはないだろう。ここからは誰かがヒッチハイクをしてガソリンスタンドまで行き、ガソリンをガソリンタンクに補給して、またヒッチハイクでここまで戻って来なければならないという段階に入った。
・ヒッチハイクしてガソリンスタンドまでガソリンを買いに行く

ありがたいことにヒッチハイクは台湾人の哲ちゃんが引き受けてくれた。しかしヒッチハイクなんてそうそう簡単車が捕まるとは思えない。今日はこれからナミビア西部のスワコプムントまで大移動しなきゃいけないのに果たして間に合うのだろうか。もしかしたら計画を大幅に変更しなければならないこともあるかもしれない。などと心配していたがナミビア人は優しいのか意外とあっさりヒッチハイクする車が捕まり、哲ちゃんは15km先のガソリンスタンドまでガソリンタンクを持って出かけ、さらに意外と早くぼくたちの元まで戻ってきてくれた。何と1時間もかからないうちに運転を再開できたというから驚きだ。哲ちゃん本当にありがとう!あんたがいてくれてよかったよ!



ナミビアのロードトリップにはトラブルが付き物だという。ぼくもインターネット上の情報で様々なトラブルを見てきたが、タイヤがパンクしたとかタイヤが砂に埋もれて動けないというものが多く、今回のようにガス欠という間抜けなトラブルは見たことがなく前代未聞だと感じた。ぼくたちは自分たちの失敗から学習し、これ以降ガソリンスタンドを見る度に車のガソリンを満タンにするし、さらには屋根の上のガソリンタンクを満タンにすることも忘れなかった。
・デッドフレイやデューン45の入場料

デッドフレイやデューン45のあるエリアから出る時には、入場料の支払いを求められた。1人当たり150ナミビアドル(1200円くらい)だった。ここに限らず、ナミビアのロードトリップで訪れるメジャーな観光地は全て綺麗に150ナミビアドルで統一されていた。
・お洒落なAgama Lodgeでステーキランチ
大トラブルの後は、ナミブ砂漠からスワコプムントまで大移動だ。


途中で見つけたAgama Lodgeでランチ!このステーキめちゃくちゃ美味しかった!これで150ナミビアドル(1200円くらい)は安いかも。内装もアフリカっぽくてお洒落!
・奇岩や360度地平線も!ナミビアのロードトリップは絶景に次ぐ絶景だった


ナミビアはただドライブしているだけでも面白くて不思議な地形が見られる 、まさに絶景の宝庫だった。



ここはただの通り道だけれど、うねるような形状の巨大な岩石が壁のように立ちはだかっていて大迫力だったので、思わず写真撮影のために休憩してしまった。

ここもただの通り道だけれど、果てしなく続く1本道と360度地平線の絶景が感動的で、思わず車を止めて写真撮影した。
結局ナミビア南部のナミブ砂漠のあるセスリエムから、西海岸のナミビア大2の都市スワコプムントまでは、合計の所要時間は8時間ほどかかった。地図を見ているだけだとそうも感じないけれど、実際に運転してみるとナミビアの巨大さと雄大さを実感するばかりだ。スワコプムントに到着した時、辺りはすっかり暗くなっていた。
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