古代エジプトの死生観が面白い!!!!!
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エジプト考古学博物館の見所は?ミイラの棺の絵が古代エジプトの死生観を表現していて面白かった
・ぼくのアフリカ大陸縦断の旅
・ピラミッドの絶景が見渡せるおすすめホテルCrowne Pyramids view inn
・エジプト考古学博物館の料金や支払い方法
・エジプト考古学博物館の見所一覧
・翼の生えたフンコロガシや人間の目の意味は?エジプト考古学博物館で古代エジプトの死生観に触れた
・エジプト考古学博物館でこれまでの様々な旅を思い出した
・その他エジプト考古学博物館で面白かったもの一覧
目次
・ぼくのアフリカ大陸縦断の旅
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ぼくは2024年5月8日から10月1日まで、約5ヶ月間かけてアフリカ大陸縦断の旅をした。訪れた国はエジプト、エチオピア、ケニア、ウガンダ、ルワンダ、タンザニア、マラウイ、ザンビア、ジンバブエ、ボツワナ、ナミビア、レソト、南アフリカ共和国だった。
・ピラミッドの絶景が見渡せるおすすめホテルCrowne Pyramids view inn
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ついにアフリカ大陸横断の旅の第1ヶ国目のエジプトにやって来た。エジプトと言えば真っ先に思い浮かぶのがもちろんピラミッド!ぼくたちはベランダからピラミッドの絶景が見渡せるCrowne Pyramids view innに宿泊した。1泊1部屋朝食付きで42ドルと格安で、3人で泊まったので1人当たり14ドルだった。
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すぐ近くに聳え立つ巨大なピラミッドの風景を見ながら朝食を食べていると、これが夢なのか現実なのかわからなかった。朝食も多種多様で豪華なのだが、中東の味覚という感じでそんなにめちゃくちゃ美味しいということはなかった。中東ってご飯美味しくないよね、多分日本人の味覚に合っていないような気がする。しかし無料の朝食だから食べなければ損なので、いっぱい食べて観光のためのエネルギー補給を怠らなかった。
・エジプト考古学博物館の料金や支払い方法
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ぼくは1人で日本からカイロまで来たが、台湾人の友達2人と合流してカイロ観光をスタートさせた。1日目にまず訪れたのはエジプト考古学博物館、ツタンカーメンのマスクが一番の目玉のようだ。入場料は450ポンド、現金は不可でクレジットカードのみ対応だったので注意したい。
エジプト考古学博物館の内部はかなり見応えがあって、じっくり見ていたら1日かけても見終わらなさそうだった。他の博物館などでも言えることだが、事前にガイドブックやインターネットなどで予習をしておかないと、一目見ただけではこれが見所や重要だとわからないものが多すぎた。
何も調べないで行っても興味深いものや美しいものが多いので十分楽しめるのだが、はっきり言って歴史的や文化的に重要なものが美しいとは限らないので、後からあれをしっかり見ておきたかったと後悔するくらいなら、予習していくのがおすすめだ。ただ見所や重要な展示の周囲には人だかりができていたりガイドが説明していたりするので、それにより判断することもできるかもしれない。
・エジプト考古学博物館の見所一覧
クフ王の像(第4王朝)
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有名な大ピラミッドを建造させた有名なクフ王の像。クフ王のピラミッドは超巨大なのに、肝心のクフ王の像は本当に小さくて可愛らしい感じだった。エジプト考古学博物館には他に巨大で立派な像がいくつも並んでいるので、クフ王だと知らなければこんなに小さな像は確実に見逃してしまいそうだ。クフ王は紀元前26世紀のエジプト第4王朝の第2代王だったという。
カフラー王の像(第4王朝)
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カフラー王は古代エジプト第4王朝のファラオで、クフ王の息子。ギザのクフ王のピラミッドに次ぐ二番目の大きさのカフラー王のピラミッドが有名。
メンカウラー王の像(第4王朝)
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ハトホル、バトの女神を左右に従えたメンカウラー王の三体像。メンカウラー王はエジプト第4王朝の6代目ファラオ(BC2532年〜BC2504年)だ。この部屋にはこのような三体像がいくつも並べられていた。ギザにある以上のクフ王、カフラー王、メンカウラー王のピラミッドは、ギザの三大ピラミッドと呼ばれ世界的に有名。
ジェセル王像(第3王朝)
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エジプトの歴史上で最初のピラミッドを建設したのは、このジェセル王だ。エジプト第3王朝の第2代目ファラオで、在位は紀元前2668年から紀元前2649年。
ナルメル・パレット(第1王朝)
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前31世紀のエジプト第1王朝の創始者であると考えられているナルメル。このナルメル・パレットは「最古のエジプトの歴史記録」と呼ばれている。
ハトシェプスト女王のオシリス柱頭部(第18王朝)
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ルクソールにあるハトシェプスト葬祭殿の第3テラス正面にあるオシリス列柱の頭部に当たる部位。ハトシェプスト女王はエジプト第18王朝の王妃(BC1479年頃〜BC1458年頃在位)であり、古代エジプト王朝で唯一の女性ファラオだ。付け髭や赤色の皮膚は男性を表す象徴で、女王ではなく王として男装して振る舞った彼女の姿をよく表している。
ハトホル礼拝堂
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この雌牛はハトホル女神の化身。後ろの礼拝堂の壁画にはハトシェプスト女王と、雌牛の腹の下で乳を飲むトトメス3世が描かれている。
アメンエムハト3世と王妃像(第12王朝)
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アメンエムハト3世は、古代エジプト第12王朝の第6代ファラオ(BC1842年〜BC1797年在位)。この像は博物館の中央に設置され、とても巨大でよく目立っていた。まさに王様といった感じの貫禄が漂う。
アメンエムハト3世のピラミッドのキャップストーン
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アメンエムハト3世の黒いピラミッドの頂上には、この石がはめ込まれていたという。このようなピラミッドの頂上の石のことをキャップストーンと言うらしい。
カーアペル像
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サッカラで発見された約4500年前の神官の像。エジプト最古の実物大木像彫刻というから驚きだ。とてもリアルで臨場感が漂い、髪型のせいか日本のお坊さんのようにも見える。しかしぼくは思うがこれをエジプト最古の木像彫刻という超貴重なものだと知らなければ、単なるお腹の出たおじさんの像だとスルーしてしまう自信がある。やっぱり知っているって重要なことなんだな。
ホルス神に守られる子供時代のラムセス2世像(第19王朝)
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ホルス神とは、エジプト神話における天空の神のこと。この像ではハヤブサの形をしている。そんなホルス神に守られているのは幼少期のラムセス2世。ラムセス2世はエジプト新王国第19王朝のファラオ(BC1279年頃〜BC1213年頃在位)だ。この後行くアブ・シンベル神殿を建てたことでも有名。指をおしゃぶりする幼少期の可愛い姿が像になっている。
アクエンアテン王(第18王朝)とアマルナ美術
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3号室にはアテン神と呼ばれる太陽神だけを信仰する宗教改革を行い、アマルナ美術を生んだアクエンアテン王に関する展示がなされている。アクエンアテン王は、古代エジプト第18王朝のファラオ(BC紀元前1353年〜BC1336年在位)。全部で4体のアクエンアテン王像があるが、全てカルナックのアテン神殿のために建てられたもの。細面に長く真っ直ぐな鼻、ふくよかな腰の表現に後のアマルナ美術への繋がりが感じられる。
ツタンカーメンの黄金のマスク(第18王朝)
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2階中央に位置するツタンカーメンの黄金のマスクの部屋だけは撮影禁止なので、煌びやかに光り輝く有名なマスクは写真でなくこの目にしっかりと焼き付けよう。中には黄金色のアクセサリーも豊富に展示されていた。ツタンカーメンは古代エジプト第18王朝のファラオ(BC1336年頃〜BC1327年頃在位)。
ツタンカーメンの黄金の玉座
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ぼくとしてはツタンカーメンの黄金のマスクよりも、外部に展示されていて撮影可能なツタンカーメンの玉座の美しさの方に心を奪われた。ゴールドを基調として、様々な種類の青色がアクセントとして用いられているその色彩感覚が、青色好きのぼくにとってはたまらなく好きだった。幾何学的なモザイク模様も神秘的で麗しい。
アヌビス神の厨子
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同じくツタンカーメンの部屋の前に展示されていたのは、端正な顔立ちの番犬だと思っていたが、実際はアヌビス神という山犬の神様の像を乗せた厨子だった。アヌビス神は死者の神、墓地の守護神、ミイラ作りの神でもあったとされる。
ツタンカーメンの立像
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墓の入り口を守っていた2体で1対の立像。顔の表情などにアマルナ美術の影響が見られる。
ユヤとチュヤのミイラ
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エジプト考古学博物館には実際のミイラも展示されていた。ユヤとチュヤはツタンカーメンのひ孫に当たり、ルクソール神殿を建設したアメンホテプ3世の王妃ティヤの両親でもある。
カノプス壺
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カノプス壺はミイラを作る際に、人間の臓器を入れておくための保存壺。主に4つ外装があり、ホルス神の4人の息子を表しているとされる。イムセティは人間の姿をしており、肝臓を守る神とされていた。ハピはヒヒの姿をしており、肺を守る神とされていた。ドゥアムトエフは山犬の姿をしており、胃を守る神とされていた。ケベフセヌエフはハヤブサの姿をしており、腸を守る神とされていた。
・翼の生えたフンコロガシや人間の目の意味は?エジプト考古学博物館で古代エジプトの死生観に触れた
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エジプト考古学博物館を巡っていると、数え切れないほどの棺を見ることになる。エジプトって何となくピラミッドの中に眠っているミイラのイメージがあるから、ミイラを入れる大量の棺を目の前にした時にはこれぞまさにエジプトらしい光景だと圧倒された。古代エジプト人は死後の世界を信じ、肉体が保存されていないと魂が来世で生きられないと考えられていたことから、遺体をミイラ化する習慣があったという。さらにエジプトのミイラの棺には色とりどりの模様や古代エジプトの死生観に関わるモチーフが描かれており、とても興味深かった。
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古代エジプトの棺に描かれていたもので最も印象的だったのは、フンコロガシ(スカラベ)だ。太陽の形に似たまん丸のフンを運んでいるフンコロガシの姿は、太陽神ラーを崇拝している古代エジプトの人々から信仰されるようになり、さらに太陽は再生や復活の象徴であったことから死者の来世への願いを込めて棺にフンコロガシを描くようになったのだという。
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古代エジプトの棺に描かれたフンコロガシには翼が生えているが、これは太陽神ラーとフンコロガシが同一化されていたことを強調しており、太陽が昇っていく様子を翼が生えて空へと飛んでいくフンコロガシに見立てている。
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また棺に描かれたものとして同じように多かったものに、大きな人間の目があった。人間の目には魔除けの作用があると信じられており、その感性は今でもエジプト周辺のギリシャやトルコなどのお土産のEvil Eyeとして受け継がれているように思われる。
・エジプト考古学博物館でこれまでの様々な旅を思い出した
棺に描かれた人間の大きな目だけではなく、エジプト考古学博物館を見ているとこれまでに訪れた様々な国のことを思い出した。
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奇妙な出立ちをしたこのベスというのは、古代エジプトの舞踊と戦闘の神様だったらしい。ぼくはこのベスの像をトルコのイスタンブール考古学博物館で見たのでトルコらへんの神様かと思っていたので意外だった。しかし古代エジプトの神様と言う割には、イスタンブール考古学博物館のような立派で迫力のあるベスの巨大像はここエジプト考古学博物館には見当たらなかった。
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こういう美しい青色のカバさんは、ニューヨークのメトロポリタン美術館で見たことを思い出した。メトロポリタン美術館はお土産にもなるくらい結構人気だった記憶があるが、まさかこれもエジプトのものだったなんて!
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顔と男根だけが残ったギリシャの境界神ヘルマも、エジプトで見ることができた。
これはトルコのイスタンブール考古学博物館でも見たので、やっぱりギリシャ、トルコ、エジプトは地理的に近い分同じような文化や歴史を共有してきているのだろうか。
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ぼくは日本各地で男根崇拝・生殖器崇拝の姿を目撃し、さらにはインドやギリシャ、タイなど世界中にその存在を確認できたが、ここエジプトにも強烈に男根崇拝を暗示する神様が存在していた。このミンという神様は古代エジプトの豊穣の神様であり、勃起した男根が何よりもの特徴だ。しかも右手は高らかに天へと挙げられ、左手はしっかりと自らの勃起した男根を握っているように見える。
同じく勃起した男根を誇示するギリシャの神様パンとの関連も気になるところだ。
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エジプト考古学博物館のお土産屋さんにもミンの像は大量に売られていた。こちらは右手で男根を持ち、左腕が消えてしまっていることから展示物とはスタイルが違う。
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ミンは古代エジプトの初期の時代に非常に人気があったようで、やはり全ての人間の生命が男根から生じている以上、あらゆる世界で男根崇拝・生殖器崇拝は避けられない人間の宿命なのだろう。エジプト考古学博物館には数え切れないほどのミンの像が立ち並び、ぼくはエジプトの旅でも多くの男根崇拝の姿を目撃するような予感がした。
・その他エジプト考古学博物館で面白かったもの一覧
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