ずっと一緒に旅していた相棒とお別れ!!!!!

ぼくが旅のパートナーと別れた理由とは?台湾人と旅して日本のパスポートの最強さを噛み締めた
・ぼくのアフリカ大陸縦断の旅
・ぼくは台湾人と2人でアフリカを縦断した
・日本人がノービザで入れる国でも台湾人にはビザが必要
・台湾人が南アフリカ共和国のビザを取得するためには?
・アフリカが中国と仲良しであることによる台湾人への弊害
・南アフリカ共和国では日本人を旅のパートナーに
目次
・ぼくのアフリカ大陸縦断の旅
ぼくは2024年5月8日から10月1日まで、約5ヶ月間かけてアフリカ大陸縦断の旅をした。訪れた国はエジプト、エチオピア、ケニア、ウガンダ、ルワンダ、タンザニア、マラウイ、ザンビア、ジンバブエ、ボツワナ、ナミビア、レソト、南アフリカ共和国だった。
・ぼくは台湾人と2人でアフリカを縦断した

ぼくはずっとアフリカ大陸を台湾人の哲ちゃんと2人で旅していた。行ったことのないアフリカを1人で旅するのは怖かったが、旅仲間の哲ちゃんと一緒に巡ることができて幸運だった。ぼくたちの旅はエジプトから始まり、エチオピアの少数民族巡りでは中国人グループと一緒に行動したり、途中でちょくちょく日本人に出会ったりもしたが、基本的に2人でナミビアまで行動を共にしてきた。
アフリカ旅の最初のうちは全然日本人に出会わなかったが旅を続けていくうちに出会う頻度が増えていき、最終的にアフリカで出会った東アジア人は日本人が最も多いという結果になった。世界中どこにでもいる中国人や韓国人がアフリカにあまりいなかったことは意外だったが、日本人がまだまだ旅への情熱を捨てていないことが確認できて嬉しかった。
ナミビアのロードトリップもぼくと哲ちゃんと途中で出会った日本人2人で行動を共にしたので、日本語が通じる安心した時を過ごすことができた。しかしナミビアの旅も終わり南アフリカ共和国へ入ろうとするに当たり、エジプトからナミビアまでずっと一緒に旅してきた哲ちゃんとはお別れすることになった。南アなんてアフリカ大陸縦断の旅のハイライトの国なのだから、エジプトからずっと一緒に旅してきた哲ちゃんと直前のナミビアで別れるなんて常識的には考えられない出来事だ。一体何があったのだろうか。喧嘩別れでもしたのだろうか。
・日本人がノービザで入れる国でも台湾人にはビザが必要
そこにはぼくたちにはどうしようもない、のっぴきならない事情があった。それは彼が台湾人であるということだ。日本人のパスポートは最強なので、南アフリカ諸国は基本的にノービザで入国することができてとても便利だ。南アフリカ諸国のうちジンバブエ以外のザンビア、ボツワナ、ナミビア、南アにはぼくたちはただパスポートを見せるだけで簡単に入国することができる。これはぼくたち日本人にとっては当たり前のことだが、哲ちゃんにとっては全然当たり前のことではない。
実は台湾人は、ぼくたち日本人がノービザでお金も払わず何も準備せずに入国できる全ての国において、ビザの取得を求められているのだ!具体的にはザンビア、ジンバブエはeVISAがないと入国できないし、ナミビアに関しては何とオンラインでビザ申請ができず領事館まで行かなければならないということで、わざわざはるばるジンバブエの首都まで出向いてナミビアビザを取得していた。ぼくたちがザンビアで一旦別れたのは、彼がナミビアビザのためにジンバブエの首都まで行かなければならないからで、ぼくはジンバブエの首都になんか何の用事もないので、それならば先にナミビアまで移動してロードトリップの準備をするということになっていたのだ。
アフリカのオンラインビザの申請なんて色んな項目を記入しなくてはならないとても面倒臭い作業なので、避けられるならそれに越したことがないというのが本音だ。哲ちゃんがぼくの横でザンビアやジンバブエのビザを苦労しながらオンライン申請している様子を見て、あぁ日本人ってとても幸せだなぁと心の底から感じたものだ。ジンバブエなんか申請から何日経っても承認メールが来ずに不安が募っていたし、ザンビアなんか何度も承認されずに拒否されて、追加料金を払ってまで繰り返し申請し直しているのを見ると可哀想なことこの上なかった。
・台湾人が南アフリカ共和国のビザを取得するためには?
さて肝心のぼくたちが南ア入国直前のナミビアで別れた理由だが、台湾人の彼が南アのビザを取得不可能だったからに他ならない。何と台湾人が南アのビザを取得するためには、台湾にある南アの領事館に行かなければならないということだった。なんてひどい!彼もナミビアビザ取得のためにジンバブエの首都まではかろうじて出向いていたが、さすがに南ア入国のためにアフリカから台湾に帰国しまた戻って来るなんてことはできないだろう。実質彼にとってのアフリカ大陸縦断の旅は、ナミビアで終了するしかなかったということだ。
・アフリカが中国と仲良しであることによる台湾人への弊害
台湾人が大変そうだと感じる場面は旅の途中で他にもいくつもあった。アフリカ諸国は基本的に中国から大量のお金を借りているから中国の味方であり、そういう意味でも台湾人はアフリカで繊細な問題に直面することになる。
例えばエチオピアからケニアへ陸路で入国した際、ケニアのスタンプを最初は普通にパスポートに押してもらって入国していたのだが、どういうわけか何時間も経ってから彼だけ国境に呼び戻され、パスポートのスタンプを無効にされてしまった。その代わりに別の白い紙にケニアの入国スタンプをもらい、そのままケニアを旅することができたという。

何が起きたのか詳細は不明だが、おそらく台湾のパスポートにケニアの入国スタンプを押してしまうと、ケニアが台湾を国だと認めたことになるので中国と仲良くしたいケニアとしてはよろしくなく、パスポートに一旦押したスタンプを帳消しにして別の白い紙に入国スタンプを押してあげることで妥協したというところなのだろう。ケニア入国のイミグレーションのおばちゃんは手続きの際「台湾って何なの?中国のこと?」と取り扱いをよくわかっていない様子だったので、後からマズい状況になったのだと発覚し哲ちゃんがわざわざ呼び戻されてしまったのだろう。
またケニア・ウガンダ間の国境では、なぜか彼だけ個室に連れていかれ賄賂を要求されて払わざるを得ない状況に追い込まれてしまった。なぜ彼だけが目を付けられたのか謎だが、彼自身の推測によると中国人旅行者は何でも金で解決しようとする習性があるので、見た目や言語が中国人っぽい自分は中国人だと間違われてお金を巻き上げられたのだろうと悔しそうに語っていた。彼の推測が正しいのであれば、アフリカ縦断では中国人のように見えることもリスクのひとつなのだろうか。
ぼくが台湾人の哲ちゃんとずっとアフリカを旅して感じたことは、日本人って幸せだということに過ぎる。ぼくたちは何も変わらない同じ人間なのに、ぼくが日本人というただそれだけの理由だけで、台湾人の彼が旅の途中で出会った様々なトラブルや苦労や災難を回避できたからだ。自分が日本人だということは生まれた時から変わらない当たり前の事実なので普通に生きていればありがたく思う機会も少ないが、このように異国人と自分を相対的に並べることで自らの幸福に気付くことができるのだろう。
・南アフリカ共和国では日本人を旅のパートナーに

ぼくは哲ちゃんが南アに入国できないことを大分前から気付いていたので、南アはひとりで旅しなければならないのか、ヨハネスブルクなんて凶悪都市もあるしなるべく慎重に行動しなければと緊張していたが、実際にはナミビアで出会った日本人のオジさんとマーティンと3人で入国できることになり安心した。ずっと一緒だった哲ちゃんと離れることは寂しいが、新しい旅のパートナーを得たのだ。結局最後の最後までひとりになることはなかったので、アフリカ縦断では旅の神様に見護られていたのかもしれない。
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