日本だけではなくアジア中に生殖器崇拝/男根崇拝はあった!!!!!
男根に顔!全裸の仏像!乳房と男根!アジア文明博物館でアジア全域の生殖器崇拝に関する理解を深めた
・ぼくのマレー半島を南下する旅
・バティックデイでアジア文明博物館の入場料が大幅に値下げされた
・アジア文明博物館の中の様々な生殖器崇拝/男根崇拝
・巨大な男根に小さな顔面が出現しているベトナムのリンガ
・シヴァ神の5つの側面を表現する、5つの顔を持つリンガ(男根)
・巨大な顔面が取り付けられているシンプルなリンガ(男根)
・ジャイナ教で仏像も修行僧も丸出し全裸である理由が奥深かった
・インドネシアの部族の糸車には男根と乳房が両方備え付けられていた
目次
- ・ぼくのマレー半島を南下する旅
- ・バティックデイでアジア文明博物館の入場料が大幅に値下げされた
- ・アジア文明博物館の中の様々な生殖器崇拝/男根崇拝
- ・巨大な男根に小さな顔面が出現しているベトナムのリンガ
- ・シヴァ神の5つの側面を表現する、5つの顔を持つリンガ(男根)
- ・巨大な顔面が取り付けられているシンプルなリンガ(男根)
- ・ジャイナ教で仏像も修行僧も丸出し全裸である理由が奥深かった
- ・インドネシアの部族の糸車には男根と乳房が両方備え付けられていた
- ・日本一周して見つけた生殖器崇拝の記事一覧はこちら!
- ・世界一周して見つけた生殖器崇拝の記事一覧はこちら!
- ・マレーシアの旅の関連記事はこちら!
- ・タイの旅の関連記事はこちら
・ぼくのマレー半島を南下する旅
ぼくはマレー半島を南下する旅の中で、ピンクガネーシャを参拝したタイの首都バンコク、バイクで秘境寺院や秘湯を巡った北部の街チェンマイ、ホワイトテンプルやブルーテンプル、ブラックハウスとカラフルな旅ができた北部の街チェンライ、大自然あふれる秘島・ヤオヤイ島のリゾートを楽しんだ南部のプーケットを経て、次なる国マレーシアに入国した。
まずはカラフルでアーティスティックな世界遺産のペナン島を観光し、次に首都のクアラルンプールで中華系マレーシア人の友達の家に泊めてもらいながらブルーモスクやピンクモスク、バトゥ洞窟などを見学し中華系、マレー系、インド系の文化に触れることでマレーシアが多国籍国家であることを実感した。次の街マラッカではマレーシア最古のモスクやマレーシア最古の仏教寺院などを参拝し、古都の落ち着いた趣ある雰囲気を味わった。
マレーシアからシンガポールへのバス移動は、陸路で繋がっているのだからどうせ簡単だろうと思いきや意外と難易度が高く、様々な苦労がありながらも艱難辛苦を乗り越えて、何とかシンガポール中心地へと移動することができた。シンガポールではかなりレアなプロジェクションマッピングされたカラフルなマーライオンを見られたり、チャイナタウンに滞在しながら安くて美味しい中華料理を食べまくったりして意外と楽しめた。
・バティックデイでアジア文明博物館の入場料が大幅に値下げされた
今回のシンガポール滞在中に訪れた最も印象深かった場所は「アジア文明博物館」だった。日本を含むアジア全域の文化に触れることができ、同じアジア人として興味が尽きなかった。
このアジア文明博物館、常設展に加えてインドネシアやマレーシアのろうけつ染めであるバティックの特別展示があったからか入場料がおよそ2500円と高額だった。東南アジアやのに日本の博物館より高いやん!と最初は行くかどうか迷ったが、もうこの先シンガポールにいつ来られるかなんてわからないし、気になるなら行ける時に行っておこうと思い立ち、潔く2500円を支払った。
このアジア文明博物館には時間が決まってはいるものの日本人による日本語の無料ガイドも用意されているということで、日本語ガイドの時刻(10:30)に合わせて入場した。しかしそこで日本語ガイドをしてくれる女性に教えてもらったところによると、ぼくがアジア文明博物館を訪れた10月2日はバティックデイというバティックの祝日であり、バティックの製品を身に着けていると何と入場料が特別に1000円くらいになるということだった!
そうは言ってもぼくはそんなこと全然知らなかったのでバティックの布なんか持っていないし、諦めて通常料金の2500円を支払うしかないと思ったが、このガイドさんがとても優しい方で、ガイドさんがバティックを持っていてぼくは日本から来たガイドさんの親戚の子ということにしてくれて、めでたく1000円で入ることができた。めちゃくちゃラッキーだったしありがたかったし、シンガポールのとてもいい思い出になった。
・アジア文明博物館の中の様々な生殖器崇拝/男根崇拝
本当に多種多様な展示がある中、アジア文明博物館で最も印象的だったもののひとつが生殖器崇拝/男根崇拝だった。日本一周の旅の中でも数多くの生殖器崇拝/男根崇拝が日本のあらゆる地域に分布していることを発見し驚いたが、地球上のあらゆる人間が生殖器に支配され究極的には生殖器の結合のために生命を生き抜いていることを考えると、生殖器崇拝/男根崇拝がアジア全域に普遍的に見られることも当然のことだと理解した。
・巨大な男根に小さな顔面が出現しているベトナムのリンガ
こちらはベトナムのメコン川のデルタ地域で発見された9世紀のリンガ(男根)とヨーニ(女陰)の像。リンガはサンスクリット語で「しるし」を意味し、ヒンドゥー教の破壊神であるシヴァ神の象徴となっている。リンガ(男根)は女性を象徴するヨーニと呼ばれる台座の上に置かれている。
このリンガは、ヒンドゥー教の3つの主要な神を表現していると言われる。すなわち正方形の底面はブラフマー(創造神)、八角形の中央部分はヴィシュヌ神(維持神)、丸い上部はシヴァ神(破壊神)を表している。
この古代ベトナムのリンガは現在インドで見られるようなシンプルな棒状のリンガとは異なり、本物の人間の男根に近いような形状となっており、日本の男根崇拝に近しいものを感じさせる。男根の中と外を繋ぎ合わせる重要な部位の真ん中に、小さな顔が付いているのは何を意味しているのだろうか。この男根の中に突如として出現している顔が誰の顔なのか、解説文では言及されていなかった。リンガなんだから多分シヴァ神?
シンガポールの後に訪れたギリシャやトルコでは、顔と男根だけが残された不思議な境界神「ヘルマ」を多数見かけたが、ヘルマの場合は顔と男根は完全に分かれていた。今回のように男根と顔面が融合し、しかも小さな顔面が巨大な男根の真ん中に埋もれているように存在している奇妙な様子を見たのは初めてだったので非常に印象的だった。
・シヴァ神の5つの側面を表現する、5つの顔を持つリンガ(男根)
同様に男根に顔面がくっついたリンガを他にも発見した。しかもこのリンガは先程とは異なり、男根に巨大な4つの顔面が付着しているというスタイルだった。5世紀のグプタ王朝時代のインドで作られたこの像には「5つの顔を持つリンガ」という名前が付けられていた。Panchamukhaという言葉には5つの顔という意味があり、その5つの顔はそれぞれ破壊神シヴァの異なる性質を表しているのだという。この男根には4つの顔しかないのになぜ「5つの顔を持つリンガ」と名付けられたかと言えば、5つ目の顔というものは人間には決して見えないものだからだという。
中央の顔は土を表す慈悲深い神マハデーヴァ、右側の顔は火を表す凶暴なバイラヴァであり、4番目の顔はシヴァの女性の側面を示している。目に見えない第五の側面はエーテル(四元素説を拡張して提唱した、天体を構成する第五元素)を表しているという。5つの顔を持つリンガ(実際には男根の周りの顔面は4つ)というのはインドの博物館でも見かけたことがあり、シヴァ神の多様な側面を表現するための重要なモチーフとなっていることが伺える。
・巨大な顔面が取り付けられているシンプルなリンガ(男根)
また別のヴァージョンでは、巨大な顔面がたったひとつだけ取り付けられているというシンプルなリンガも目撃した。こちらも6世紀のグプタ王朝時代のインドで作られたものだ。リンガ崇拝の原型はインダス文明時代(紀元前2600~1900年)にまで遡ると言われ、後にシヴァ神と関連付けられるようになり、4世紀までにはこのような顔の付いたリンガがシヴァ寺院の聖域内に置かれることが一般的になったという。
日本の男根崇拝もはるか古代の縄文時代から続いていたことを発見し衝撃を受けたが、やはりインドのリンガ崇拝もヒンドゥー教やシヴァ神と関係のない時代から信仰され続けていたようだ。人間という生き物が日本であろうとインドであろうと、現代であろうと古代であろうと、空間や時間を超越して普遍的に男根に支配され、男根からの衝動や欲望や快楽によって生命を維持し続けてきたことが如実に伝わってきて非常に迫力がある。
・ジャイナ教で仏像も修行僧も丸出し全裸である理由が奥深かった
また生殖器崇拝/男根崇拝とは関係ないかもしれないが、これまで見たことのない全裸の仏像も興味深かった。これは10世紀にインドのラジャスターン州で作られたジャイナ教の像。この像は”sky clad”と呼ばれる全裸の状態であり、ジャイナ教のディガンバラ派の人物であることを示している。同じインド発祥の宗教でも、仏教の仏像は当然簡素な布であっても何かしらの服を着ていることが普通だが、まさかこの世に全裸で丸出しの仏像があるなんてと衝撃を受けたことを覚えている。
このジャイナ教の全裸の仏像はアジア文明博物館の中にいくつかあった。解説文には、なぜこの仏像が全裸で丸出しなのか、その奥深い意味が伝えられていた。
この姿勢はkayotsarg(身体の放棄)と呼ばれ、厳格な瞑想形式を示しているという。手を垂らし、身体に触れずに自己の放棄を強調している。ジャイナ教徒やその像が全裸であるのは、彼が地上の物質的な快適さを過去に放棄したことを示している。ぼくはこの1年後に訪れたインドで実際に、何も着ないで全裸で修行するジャイナ教の僧侶に出会い驚きを隠せなかった。しかしここアジア文明博物館でジャイナ教=全裸という知識を得ていたので、少しくらいは心の準備ができていたのかもしれない。
・インドネシアの部族の糸車には男根と乳房が両方備え付けられていた
最後に紹介するのは生殖器崇拝/男根崇拝を思わせる糸車。19世紀のインドネシア、東スンバ島のものだという。普通の糸車に、明らかに勃起した男根を付けた木製の人形が添えられているが、その様子がどうもおかしい。胸が大きく強調されているように見え、この人形は女性のようにも見えるからだ。勃起した男根もあるのに大きな乳房もあるという、この人形は男性か女性かどちらなのだろうか。解説文に詳細が記されていた。
スンバ島では、男性原理と女性原理が組み合わされると調和が起こると言われている。この人形は男性と女性の両方の特徴を兼ね備えており、部族の最初の祖先のカップルを表現しているのだという。また男性女性の両性具有的な人形がなぜ糸車と結びついているかと言えば、カンベラ語(スンバ島東部でのみ話される言語)で「糸車」を表す言葉は、性的結合または生殖をも意味するからだという。
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