タイの仏教寺院のナーガが口からナーガを吐いている理由とは?????
ナーガはなぜ口からナーガを吐いている?タイの仏教寺院で蛇と脱皮と輪廻転生の関係性について考察を深めた
・4回目のタイ旅行でナーガに深い興味を抱いた
・ピンクガネーシャで有名な「ワット・サマーン・ラッタナーラーム」のナーガ
・チェンマイの秘境寺院「ワット・ドーイステープ」の階段のナーガ
・チェンマイ秘境の聖地「ワット・パーラート」の上半身人間、下半身ナーガの守護神
・ポーンクワウ温泉へ行く途中の秘境寺院「ワット・トン・タン」のナーガ
・チェンライのホワイトテンプルの美しき白銀ナーガ
・チェンライのブルーテンプルの青くて魅力的なナーガ
・タイからマレーシアへ南下するとナーガは消えた
・ナーガが口からナーガを吐き出している理由を自分なりに考察してみた
・世界の神話の中の蛇と龍
目次
・4回目のタイ旅行でナーガに深い興味を抱いた
ぼくはマレー半島を南下する旅の最初の国として、まずはタイを訪れた。タイを旅するのはこれで4回目だったのでもはや目新しいものなんてないだろうと予想していたけれど、それは大きな間違いだった。たとえ同じ国にやって来たとしてもその度に新しい視点でその国を深めることができ、今まで見落としていた文化に気付いたりこれまでしてこなかった新たな冒険ができたりして、全く飽きることなく新鮮な気持ちでタイの旅を楽しむことができた。
何度も訪れているタイで今回初めて気になったことは、タイの仏教寺院ってやたらと長くて巨大な龍の像が祀られているということだった。龍なのか大蛇なのかわからないが、とにかくスケールの大きくカラフルな像がお寺の中で強烈な存在感を解き放っているのだった。そしてその龍の像は寺院の境内に鎮座していることもあるが、まるで日本の神社の狛犬のように、タイの寺門では2匹の龍の像が出迎えてくれることがほとんどだった。龍の像は外界からの敵が寺院に入って来るのを防ぐ守護神的な役割を担っているように見えた。
この龍の像は「ナーガ」と呼ばれ、蛇の精霊もしくは蛇神を意味する言葉だという。本来はインド神話に起源を持っているが、悟りを開く際にブッダを守ったことから竜王として仏教に取り入れられ、仏法の守護神としての役割を果たしている。タイの仏教寺院の門で2匹のナーガ像が聳え立っているのは、やはり外界から仏教を守るという意味合いが込められているようだ。今回のマレー半島を南下する旅では、タイで数多くのナーガに遭遇することになった。
・ピンクガネーシャで有名な「ワット・サマーン・ラッタナーラーム」のナーガ
まず最初にナーガに出会ったのは、バンコク近郊にある「ワット・サマーン・ラッタナーラーム」。ここはピンクガネーシャが有名な寺院だったが、緑色や赤色、そして虹色の巨大なナーガもかなり迫力と見応えがあった。
またナーガというよりは単なるコブラのような蛇の像もあった。インドや南伝仏教地方では、ナーガは普通のコブラとして描かれることも多いという。
・チェンマイの秘境寺院「ワット・ドーイステープ」の階段のナーガ
次のナーガはチェンマイの秘境寺院「ワット・ドーイステープ」!306段もある階段の両脇にかなり長くて大迫力の煌びやかなナーガが!この階段は本堂へと通じているので、やはり日本の狛犬のように2匹でしっかりと寺院を守護しているようだ。
・チェンマイ秘境の聖地「ワット・パーラート」の上半身人間、下半身ナーガの守護神
「ワット・ドーイステープ」へ行くための参道に建てられた「ワット・パーラート」にも、上半身は人間で下半身が龍もしくは蛇の、不思議なナーガのような神様が祀られていた。この半分人間で半分ナーガの神様の正体は調べてみてもよくわからなかった。タイの中でもここでしか見なかったような…?この半分ナーガの神様も「ワット・パーラート」の本堂を守るように2体設置されていたのでやはりナーガと同様に寺院の守護神なのだろう。
・ポーンクワウ温泉へ行く途中の秘境寺院「ワット・トン・タン」のナーガ
チェンマイの秘湯ポーンクワウ温泉へ行く途中で見つけた名もなき村の秘境寺院「ワット・トン・タン」にも頭が5つある巨大なナーガが!都会であろうが秘境であろうがタイの寺院には必ずと言っていいほどナーガがいることを実感し、ナーガとタイ人の祈りには切っても切り離せない関係があるのだろうと予測された。
・チェンライのホワイトテンプルの美しき白銀ナーガ
チェンライの有名なホワイト・テンプルの輪廻転生の橋にもナーガが!ナーガの胴体は長いので階段や橋に設置したりするのがデザイン的にも役割的にも非常に都合がいいのだろうか。このナーガはユラユラとまるで燃え盛っているようにも見える。
・チェンライのブルーテンプルの青くて魅力的なナーガ
続いて訪れたチェンライのブルーテンプルにもかなり印象的で美しいナーガ像が並んでいた。寺院の門に聳え立つのは、上半身が筋肉ムキムキのおじさんで下半身がナーガの巨大な像!
さらにはブッダの隣や本堂の前でも、青くて美しくてかっこいいナーガ像が守護神として活躍していた。
・タイからマレーシアへ南下するとナーガは消えた
マレー半島を南下する旅でタイからマレーシアへ移動すると、ぼくはナーガをパッタリ見なくなった。マレーシアやシンガポールでよく見かけたのは、インド的なナーガではなくむしろ中国的な龍の姿だった。これはマレー半島の国々がインド文化ではなく、華僑に大きな影響を受けていることを示唆しているのかもしれない。またマレーシアがイスラム教国という点も見逃せないだろう。
・ナーガが口からナーガを吐き出している理由を自分なりに考察してみた
ぼくが非常に気になったのは、タイのナーガはその口からまた新たなナーガを生み出しているということだった。何を言っているかよくわからないかもしれないが、タイのナーガ像をしっかりとよく観察すると、かなりの高確率でナーガの口から別のナーガが生まれているのだ。写真で説明するなら以下のものがわかりやすいかもしれない。
このようにナーガの口からまた新たなナーガが誕生しているのがお分かりいただけるだろうか。ぼくは常々これが何を意味しているのか興味を持っていたが、その理由の説明を見つけることはできなかった。タイのナーガがナーガを吐き出しているのは、一体なぜなのだろうか。
ぼくが考察するにこのナーガはナーガを吐き出しているというよりはむしろ「蛇の脱皮」を表現しているのではないだろうか。蛇の脱皮は古代の人々からすると、非常に不可思議で神秘的な現象に見えたようだ。蛇は脱皮を繰り返しいつまでも若さを保っていられるので、永遠の命を持つと信じられた。また脱皮する様子が生きながらにして新たな命を開始しているようにも見え、輪廻転生の象徴としても考えられていた。ブッダは人が死んだらどうなるのかという説明を決して口にはしなかったようだが、現在では仏教の中で輪廻転生が信じられているところを見ると、ナーガの脱皮=輪廻転生の象徴、永遠の生命の象徴がタイの仏教寺院を守護していると考えれば何だか納得がいくのではないだろうか。
・世界の神話の中の蛇と龍
日本でも神社のしめ縄は蛇を表していたり、島根県の出雲大社に神様が帰ってきた時の合図はウミヘビが陸に打ち上げられることであるなど、神様の世界と蛇との繋がりは決して弱くはないようだ。また蛇の脱皮した皮を財布に入れるとお金が増えるなど、蛇の脱皮に関する風習なども残っているようである。
また蛇と龍は深いところで繋がっており、龍に関する日本の昔話も枚挙にいとまがない。蛇について考察するということは龍について考察することであり、その逆もまた然りだ。日本神話で有名なヤマタノオロチは大蛇なのだろうか、龍なのだろうか。
聖書の中でも蛇は登場し、この世で最も狡猾な生き物として人間を誘惑し禁断の果実を食べさせてしまう。そのおかげで人間は楽園を追放されてしまったが、蛇も人間を誘惑した罰として一生地を這いながら塵を食べて生きざるを得なくなってしまったという。やはり東洋の世界と聖書の作成された砂漠地方では蛇に対する印象や考え方にも差があるようだ。世界には他にどのような蛇や龍の伝説が残っているのだろうか、これから世界中を旅する中で研究していきたい。
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