しゃもじ=女陰?東京都「西台天祖神社」には男根石(おしわぶきさま)にしゃもじが供えられていた

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なぜ男根にしゃもじが?????

しゃもじ=女陰?東京都「西台天祖神社」には男根石(おしわぶきさま)にしゃもじが供えられていた

・コロナワクチンバイトは東京を深める旅
・東武練馬駅周辺を散策していた日々
・西台天祖神社で男根石(おしわぶきさま)としゃもじを発見した
・しゃもじ=女陰、山の神=田の神であるということ
・男根石にしゃもじが供えられているのは、男根と女陰の結合の暗示

・コロナワクチンバイトは東京を深める旅

ぼくは今どこの病院にも医局にも所属しないフリーランスの医師として、コロナワクチンバイトのみで生計を立てている。かつては日本全国に数多あったコロナワクチンバイトの案件も時代の流れと共に徐々に姿を消し、最終的にはまともな日給10万円の案件は東京都内に残存するのみとなってしまった。コロナワクチンバイトが楽しくて楽しくて仕方なく天職だと感じたぼくは、全国的なコロナワクチン接種会場の縮小に従って東京に吸い寄せられていった。日本を旅するように労働できたコロナワクチンバイトは、やがて東京を深める旅という色合いを深めていった。

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・東武練馬駅周辺を散策していた日々

ぼくが愛用している医師派遣会社のMRTに出てくる東京都練馬区案件は、中村橋駅や石神井駅、大泉学園駅など西武池袋線を利用することが多かったが、たまに別の路線に乗って出向かなければならない案件も存在した。そんな中でも池袋駅から東武東上線に乗って行く東武練馬駅の会場は思い出深く、人通りの多い駅前に立ち並ぶ数々の飲食店と、よく閉まってなかなか渡れない踏切と、大きなイオンが印象的だった。東武練馬駅の会場は接種者がかなり少なく2時間の休憩がもらえることも多かったので、周囲を散策する機会に恵まれていた。

 

 

・西台天祖神社で男根石(おしわぶきさま)としゃもじを発見した

 

東武練馬駅から歩いて行けるスポットに「西台天祖神社」という神社があった。丘の上に佇む静かな神社で、住宅地の中にあるのに参拝者も皆無で不思議な神聖さに包まれていた。

 

 

本殿の左側へ歩いていくと、何とそこに石でできた男根を発見!東京都内の神社で男根を発見するのは、ぼくが暮らしている新宿の「花園神社」に隠されていた巨大木造男根に続いて2つ目だ。

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こちらは花園神社のように自由に触れるスタイルとは異なり、しっかりと柵に囲われ厳重に守られていた。男根にはヒビが入っているようにも見え、囲っていないと誰かにイタズラされてしまうのかもしれない。

 

 

男根石の下には2つの球状の石が埋め込まれており、睾丸が表現されているようだ。

 

ぼくは日本一周車中泊の旅で、日本中に男根崇拝や生殖器崇拝の信仰形態があることを発見し驚いたものだが、この西台天祖神社では日本のどこの男根崇拝でも目撃しなかったような不思議な風習に出会うこととなった。何と男根には木でできたしゃもじが立てかけられていたのだ。なぜ男根にしゃもじが添えられているのだろうか。男根石の横にある看板には以下のように説明されていた。

おしわぶきさま(しゃぶきさま)

「おしわぶきさま」は、男根の形をした石神様で、築造は古く天神の天降る頃(天孫降臨)と云われております。以前は近くの京徳(神社南方の地域)に祀られておりましたが、明治初期に当社に移されて参りました。

昔は、田畑の辻や村の境、橋のたもと等に「道祖神」として祀られて道路の往来の安全を守り、疫病や悪神を追い払い、五穀豊穣を願う農村の信仰として親しまれて参りました。

またご身体が石で作られていることから、「石神」が「せき神」、「しゃく神」と呼ばれ、それがいつしか「石(せき)」が「咳」に、「しゃく神」が「杓子」となり「しゃもじ」を奉納する風習が生まれたとされています。

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・しゃもじ=女陰、山の神=田の神であるということ

 

これを読んで普通なら、ふむふむそんな理由で男根石にしゃもじを供えているのかと素直に納得してしまうのだろうが、ぼくは心の中で「それは違うやろ!!!」とツッコミを入れてしまった。公式の説明文にこれは間違いだと指摘するのもかなり傲慢かもしれないが、ぼくはこの男根にしゃもじが供えられているのを見た瞬間、すぐに”しゃもじ=女陰”を表しているのだろうと直感的に察してしまったからだ。ぼくがそう感じるのにはそれなりの理由があった。

ぼくはかつて和歌山県の「歓喜神社」の敷地内にある、日本を含む世界中の生殖器崇拝についての美術品を鑑賞することができる「白浜美術館」を訪れた。歓喜神社の境内には巨大男根や女陰が並べられ、日本では古代から生殖器崇拝が盛んだったことが示唆され衝撃的だったが、白浜美術館もそれに負けないほどの興味深い展示品で溢れていた。

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そんな中でぼくが最も印象的だったのは、鹿児島県の「田の神」の像だった。何でも鹿児島県の田んぼにはこの田の神がお地蔵さんのように祀られており、みんな豊作を願って田の神にお祈りするのだそうだ。その田の神の風貌は特徴的で、ものすごく髪の毛の量が多いずんぐりむっくりしたおばさんのように見えた。

 

ぼくはアニメの日本昔ばなしが好きでよく見ていたこともあり、田の神様というのは山の神様が春になると山から里に下りてきた姿であるという知識を持っていた。つまり田の神様と山の神様は同一人物であるということだ。そして日本の山の神様というのは、実に面白い伝承で溢れている。

そのひとつは、日本の山の神様はとても不細工な女の神様であるということだ。神様に向かって何て失礼なことを言うのだと怒られるかもしれないが、これはアニメの日本昔ばなしで実際に言われていたことで決してぼくが作った話ではないので許していただきたい。とにかく山の神様はものすごく不細工なので、それで恥ずかしくて山に引きこもってしまい村人たちが困っていたところ、山の神様よりももっと不細工なオコゼという魚を祀ったことで、山の神様が自分よりも醜いものがこの世にいるのかと喜んで引きこもりをやめたということから、今でも山の神様にはオコゼを祀る風習が残っているという。確かにこの白浜美術館に展示されている田の神様(=山の神)も、どちらかと言うと美しいというよりは不細工目に作られているような気がしないでもない。

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またもうひとつの小話として、山の神様は不細工な女神であるが故に男から相手にしてもらえないから、男根を祀ると喜ぶのだそうだ。実際に三重県や島根県など、山の神様の神社には男根を祀るという風習を今でも見ることができる、山の神様は不細工であると同時に、どこか性的な雰囲気を帯びている。

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山の神様と同一人物であると思われるこの鹿児島県の田の神像も、その例に漏れず性的な意味合いが込められていた。一見すると全く性的ではないように見えるこの田の神像だが、彼女は手に何かを持っている。彼女が手にしているのは、しゃもじなのだ。そして白浜美術館の解説文にはこのように書かれていた。田の神様が持っているしゃもじは、女性器を表しているのだと。

一体なぜしゃもじが女性器を表しているのか不明だったが、兎にも角にもぼくはこの白浜美術館の訪問を通して”しゃもじ=女陰”であるという知識を習得していたのだった。しかしこの田の神の発見以降、しゃもじ=女陰だと実感できるような場面は皆無だった。

 

 

・男根石にしゃもじが供えられているのは、男根と女陰の結合の暗示

そんな時にたまたまこの東京都の西台天祖神社を訪れ、男根にしゃもじが供えられているのを目撃したならば、これは男根に女陰を表現しているしゃもじが添えられているに違いないと解釈しても何ら不思議なことはないのではないだろうか。同時にしゃもじ=女陰という認識が、西の鹿児島だけではなく東における東京地方の民族の中にも共有されていたのだと知ることができ、何となく日本という国に一体感を感じることができた。

男根はそれ単体でも排尿という重要な役割を果たしてはいるが、やはり女陰と結合させることによって初めて本来の目的を達成することができるのだと、信じている人々も多いのではないだろうか。生殖器に支配された人間という動物の潜在的で野性的な衝動が、この男根石としゃもじ(=女陰)に託されているような気がしてならない。あらゆる人間は男根と女陰の結合によって生じ、それ以上に神秘的で重要な行いは生命の中に見出すことが難しいのかもしれない。

 

 

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