本屋さんで立ち読みをしていると、日本の主要なガイドブックにはどれも「ロシアは自由旅行ができない国だ」と書かれている。
ロシアは完全に“自由旅行可能”だった!
・ガイドブックたちは言う
・インターネットは言う
・ロシアビザの取得
・ロシアで自由旅行は可能だった!
・ガイドブックたちは言う
ガイドブックたちの謳う「ロシアは自由旅行ができない国だ」というのは果たして本当だろうか。ガイドブックによれば、ロシアに入国するためにはビザが必要で、そのビザを取得するためにはロシアのバウチャー(旅行確認書)というものを取得せねばならず、そのバウチャーはあらかじめすべての宿泊先、滞在する街、さらにはそこまでいくすべての交通機関の予約を行なっていないと取得できないというのだ。そしてそれが「ロシアは自由旅行できない」とあらゆるガイドブックに記されている理由であるとされる。それゆえ他の国での旅のように、入国してからその国の人々と話し合って教えてもらったり、雰囲気でこの次どこの街へ行こう、電車かバスにするか選ぼうなどという自由な旅行は一切できないということらしい。
このように書かれていると、一気にロシアに旅行する気分を削がれるのではないか。少なくともぼくなら、ロシアに行きたいと意気揚々で本屋でガイドブックを眺めた際に、このように非常にめんどく不自由なことが書かれていたら、ロシアへなんて行きたくない、もはや他の国へ行こうと計画を変更するに違いない。しかしそれは、「ロシアは自由旅行ができない」国であり「旅立つ前にホテルも交通手段も訪れる街も何もかもあらかじめ予約しなければならない」というのが真実だったらの話である。
・インターネットは言う
インターネット上の情報はこれとはまったく異なっている。たしかにロシアへ行くためにはビザ取得が必要であり、そのためにバウチャーを取得しなければならないという情報まではガイドブックと同じだ。異なるのは、バウチャーはオンライン上で簡単に安価で取得可能であり、たしかにビザの申請にもバウチャーにも訪れる都市名を記入しなければならないが、実際にパスポートに貼り付けられるビザには訪問都市の記載はないので、ビザさえ取得すれば自由旅行は可能だというのだ。
ガイドブックとインターネットの情報が対照的なロシア旅の情報。果たして自由旅行はできるのか、できないのか。実際にぼくがロシア旅行をすることで検証してきた。
・ロシアビザの取得
ぼくはこのページに従って、ロシアビザを取得した。この方法ならば事前のホテル予約もまったくの不要であり、交通機関の予約も必要ない。
ビザの受け取りを2週間待てるならばビザ発行料は無料、かかるお金はバイチャー代が12ユーロのみと思ったよりもはるかに安い。そして実際に12ユーロしかかからずにロシアビザを取得できた。
たしかにビザに訪問都市の項目記載はない。これならば自由にロシアを旅行できそうだ。期間を30日間にしたので、期間内ならばロシアのどの都市にさえ行くことが可能だろう。
・ロシアで自由旅行は可能だった!
そして実際に10月30日から11月25日までシベリア鉄道でゆくロシアの旅を行なったわけであるが、結論としては、ロシアで自由旅行はできるというのが本当であり、ぼくが実際に何の滞りもなく自由旅行できたのだから間違いないだろう。ロシアに関するすべてのガイドブックには「ロシアは自由旅行ができない国」と書かれているのにもかかわらず、実際にはまったくの逆のことが真実だったというのは驚くべき事実である。お金を払って読むべきガイドブックの本たちが誤りで、無料で見られるインターネットの情報の方が正しかっただなんて、もはや何を信じたらいいのかわからない。
しかし実際にこの身で確かめてきたことなので「ロシアでは自由に旅行できる」というのが本当である。ぼくは事前にホテルも交通手段も何も予約せずに、ビザを取得し、そして気の向くままに街を移動し、気の向くままの日程で、約30日間の濃厚なロシアの旅を味わうことができた。
もしもガイドブックを読んでロシアに行きたい気持ちを失っている方々(多くいらっしゃるだろうと推測される)がいらっしゃれば、ぜひロシア旅行の計画を再考して見てはいかがだろうか。ロシアは素朴な魅力あふれる素晴らしい国であり、ぼくはその国の思い出を生涯忘れることはないだろう。