ぼくは寒いのが嫌いだ。なるべくならずっと暖かいところにいたいし、凍える思いはしたくない。ぼくが沖縄に移住したのも、同じような理由にある。
しかしなぜか突如、シベリア鉄道の旅をしたくなった。旅の炎が燃え始めたぼくを、自分自身でも止める術はなく、寒いところになんて絶対に行きたくないという心の表層の声とはウラハラに、根源から旅の炎に支配されたぼくの精神と肉体は、着々とロシア行きの準備を始めていた。
ロシアといえば、入国にビザが必要な国である。ここで一気に、行きたい気持ちが削がれ減退する。誰でもそうだと思うが、めんどくさい思いをするのはごめんなのだ。しかし、冬のシベリア鉄道の旅をするためにはそうも言っていられないので、気が進まないながらにもビザ取得の作業を行ったところ、これが意外と簡単に、短時間、安価で取れてしまったので、ぼくが個人で行なったロシアビザ取得のための作業の一部始終を、ここにご紹介しようと思う。
たった12ユーロ!ロシアビザを安価で簡単に取得する方法を徹底解説
・ロシアビザ取得に必要なもの
・ロシアビザ取得にかかった時間と金額
・ロシアビザ取得の順序
・バウチャー(旅行確認書)の取得
・電子査証申請書の取得
・ロシア領事館への訪問
・ロシアビザ取得に必要なもの
ぼくがロシアビザを個人で取得した際に必要だったものは以下の通りだった。
①パスポート原本
②電子査証申請書の印刷
③バウチャー(旅行確認書)の印刷
④証明写真1枚(4.5×3.5cmのパスポートサイズ)
・ロシアビザ取得にかかった時間と金額
●ロシアビザ取得にかかった時間…1日
◯ロシアビザ取得にかかった金額…12.3ユーロ
意外だったのが、ロシアビザは非常に短時間で、しかも安価で取れるのだ。
しかし、これはぼくがロシアビザ受け取りまでに11労働日待てるからであり、早急にビザ取得を行わないといけない方に限っては、追加料金を支払わねばならない。観光旅行の場合、料金は以下の通りである。
●3労働日以内…10000円相当
●4〜10労働日…4000円相当
●11労働日…無料
早め早めでビザ取得の準備を進めておくと、お金の節約にもなるのでおすすめである。なるべく不要な浪費は回避し、その分旅先で良いホテルに泊まるか美味しい料理を食べるなどして、上手にお金を使っていきたい。
・ロシアビザ取得の順序
ぼくが行なったロシアビザ取得のための準備の順序は以下の通りである。
①バウチャー(旅行確認書)の取得
②電子査証申請書の取得
③以上を印刷する
④必要書類を携えてロシア領事館へ
それでは以下で具体的に見ていこう。
・バウチャー(旅行確認書)の取得
バウチャーの取得には★こちらのロシアのサイト★を利用するのが、迅速で便利である。ネットを閲覧していると、ほとんどの人々がロシアビザ取得にこのサイトを活用しているようだ。以下にこのサイトの記入例を見ていこう。
①国籍…Japanを選択
②single entryかdouble entryか…ロシアに1回入るか2回入るかで若干値段が異なる。ぼくは1回入国する予定しかないので安いsingle entryを選択
③バウチャーの受け取り方法…無料で便利なE-mailを選択
④性別…Male(男)かFemale(女)を選択
⑤名前…親からもらった下の方の名前を記載
⑥名字…名字を記載
⑦誕生日…誕生日を記載 DD=日にち MM=月 YYYY=年
⑧パスポート番号…パスポートを見ながら記載
⑨ロシアへの到着日、出国日…これが困ったのだが、ぼくはまだ航空券やホテルを予約しておらず予定が未定であった。予定が未定だが、この箇所には絶対に正確な日にちを書かなければいけないのか、それとも到着日、出国日がある程度ずれていても許されるのか。調べてみるとこの到着日と出国日の間の期間であれば、多少の日にちのずれは許されるようである。ぼくは正確な日にちがまだ未定なので、10月28日を到着日、11月26日を出国日とした。ロシアビザの最大可能滞在日数は30日間なので、この予定ではまるまる30日いっぱいロシアに滞在することになる。10月28日〜11月26日の間であれば、多少のずれは許されるようなので、それよりも遅く入国し、それよりも早く出国するかもしれない。いずれにしてもネットの情報通り、それが本当に許されるのかどうか、この場でまた報告しようと思う。
⑩子供…記載せず 11乗り物…記載せず
12コメント…何か特別なコメントがあれば記載。ネットで調べていると、バウチャーの英語のページの方に国籍とロシアへの訪問回数の記載がないので追い返されたという方の記事を見た。はるばるロシア領事館へ足を運びその場で追い返されても非常に悲しいので、念のため国籍とロシアへの訪問回数を英語のページにも記載するようにこのコメント欄でお願いした。しかし、わざわざコメントに書いてお願いしたにもかかわらず、それらの項目は英語ページに記載されていなかった…。それでも、そのバウチャーをロシア領事館に持っていくと普通に受け取りOKだったので、今は記載されていなくても問題ないようだ。
13滞在都市…具体的な訪問都市はまだ決まっていないが、シベチア鉄道の旅をするので絶対訪れるであろうウラジオストク(Vladivostok)とモスクワ(Moscow)を選択。ここで心配だったのが、自由旅行をしようと思ってロシアを訪れても、バウチャーに書いた訪問都市にしか宿泊や移動ができなかったとしたらどうしよう、バウチャーに書いた都市(ぼくの場合はウラジオストクとモスクワ)以外の場所に行けないなんてことにならないだろうかという疑問である。調べてみると、パスポートに貼り付けられるロシアビザには訪問都市の記載はないらしく、それゆえに訪問都市がバウチャーに書かれたものと異なっていたとしてもロシア側にはわからないし、問題ないとのことであった。バウチャーに書かれた訪問都市は、あくまでもビザ申請の時にしか使われない情報らしい。
14ホテル…まだ未定なので、それぞれの都市で一番上に出てきたものを選択
15支払方法…好きな支払方法を選択。ぼくはPaypalにした。
16名前…親からもらった下の方の名前を記載
17名字…名字を記載
18E-mail…Eメールアドレスを記載
19電話番号…+81の後に、最初の0を抜いた自分の電話番号を記載
20チェックを入れる
これで完了!Nextを押すと、すぐに自分の記載したメールアドレスにメールが送られてくる。そのメールのリンクから飛んで、支払処理を行う。ぼくはPaypalにログインするだけだったので簡素な手続きだった。クレジットカードかPaypalで支払うのが通常だろう。
支払いが確認されると、これまたすぐに(ぼくの場合は約30分後に)バウチャー作成完了のメールが届いた。リンクから飛び、Download invitationをクリックすると、バウチャーがダウンロードできる。これを印刷しておく。バウチャー取得には数日を要するかと思っていたので、このように計1時間ほどで迅速に終わるとは思ってもいなかった。ぼくの場合は夜の23時ごろにこの手続きを行い、スムーズに事を進めることができた。ロシアのこの会社の勤務時間にもよるのかもしれない。
・電子査証申請書の取得
さて、次に行うのは電子査証申請書の作成である。電子査証申請書の作成は、★こちらのページ★から行う。電子査証申請書の方は先ほどのバウチャーと違い、日本語でも案内があるので記入がさほど困難ではない。
Country…Japanを選択
Hints and help language…日本語(Japanese)を選択
この情報を読みましたにチェックを入れる
新申請書を記入するを押す
アルファベット、数字のどちらも入ったパスワードをここで設定
上で設定したパスワードを同じものを再度記入
画像の文字を記入
申請書の申し込み番号は、保存した自分のデータをもう一度呼び戻す際に必要になるので必ずメモしておく
右の日本語を見ながら記入欄を埋めていく
Number of entries,Date of entry into Russia,Date of exit from Russiaは先ほど作成したバウチャーと同じものを記入
続けて右の日本語を見ながら記入欄を埋めていく
このページでは先ほどのバウチャーを再度利用
会社の名前…ALLIANCE TRAVEL COMPANY
会社の住所…191036, Saint-Petersburg, Russia Suvorovskiy prospect, bld.2b, letter A, of. 206(コピペして使ってください)
Reference number…バウチャーのFederal Register of tourOperators Noの右横の番号を0を抜かさずに記入
Confirmation number…バウチャーのVOUCHER Noの右横の番号を記入(上の画像を参考にしてください)
places of visitでもバウチャーと同じ都市を記入
続けて右の日本語を見ながら記入欄を埋めていく
最後に最寄りの領事館を選択。ぼくの場合はOSAKAへ。
記入ミスがないかを確認し保存する
よければプリントへ
以上で終了。おつかれさまでした!!!
・ロシア領事館への訪問
さて、この時点で手元には、苦労して作成したバウチャー用紙と電子査証申請書の用紙があるはずだ。これにパスポートと証明写真の4つをきちんと携えて、いざロシア領事館へ赴こう。ロシア領事館のビザ申請可能時間は場所によって異なるようなので、最寄りの営業時間をきちんと確認していくことをおすすめする。大阪などは曜日によっても時間が違い、ややこしい印象だった。
日本にある領事館というものに初めて行ったのだが、その中はまさにロシアの空気が漂っていた。数人のロシア人たちがロシア語で会話し合い、職員も日本語は片言のようであったが、滞りなく手続きは済まされた。ちなみにパスポートはビザ受け取りまで預けっぱなしになるため、その間に外国へ行く方は注意が必要である。
これで約2週間後に無事ビザを受け取ることができれば、冬のシベリア鉄道の旅に出発する。