鉄を作る化学反応式は?島根県「鉄の歴史博物館」で日本伝統のたたら製鉄について徹底的に学んできた

 

たたら製鉄に仕組みって面白い!!!!!

鉄を作る化学反応式は?島根県「鉄の歴史博物館」で日本伝統のたたら製鉄について徹底的に学んできた

・ぼくの「日本海沿いを北上する旅」+「太平洋沿いを南下する旅」=日本一周の旅
・映画「もののけ姫」にも登場する日本の伝統的な鉄の製造法「たたら製鉄」
・「鉄の歴史博物館」の駐車場、入場料情報
・「たたら」とは何か?その起源について
・たたら製鉄の「炉」について
・たたら製鉄の「炉床」について
・どのような化学反応でたたら製鉄の鉄が出来上がるのかを徹底解説
・鉧塊の冷却方法によって火鋼と水鋼に分けられる
・たたら製鉄で出来上がった鋼を質によって7段階に分類する
・たたら製鉄独特の信仰「金屋子様」について

・ぼくの「日本海沿いを北上する旅」+「太平洋沿いを南下する旅」=日本一周の旅

こんにちは!世界一周+日本一周の旅を続けている水色です。

ぼくは今までの人生で日本海沿いの地域をほとんど旅したことがなかったので、新型コロナウイルス感染拡大の影響で外国にも行けず旅人としてはこのまま日本を深めるしかないという絶好の機会に、日本海沿いを北上する車中泊の旅を決行した!

岡山県、広島県、山口県、佐賀県、長崎県、福岡県、大分県、熊本県、島根県、鳥取県、兵庫県、京都府、福井県、石川県、富山県、新潟県、山形県、秋田県、青森県、フェリーに車ごと乗り込んで北海道函館まで渡り、そのまま北海道の最北の離島、礼文島の澄海岬を「日本海沿いを北上する旅」の最終目的地とした。

そのまま北海道をぐるっと一周し、再びフェリーに乗って青森県へ!青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、長野県、岐阜県、山梨県、静岡県と「太平洋沿いを南下する旅」を完遂した。

結果的にぼくは7月〜11月までの間ほぼ4ヶ月かけて「日本海沿いを北上する旅」「太平洋沿いを南下する旅」=日本一周の旅を達成したことになる。この旅ブログ「ミズイロノタビ」では、あまりに感動的で素晴らしすぎた日本一周の旅の一部始終を公開しようと思う。

 

 

・映画「もののけ姫」にも登場する日本の伝統的な鉄の製造法「たたら製鉄」

日本の伝統的な鉄の製造法に、たたら製鉄がある。宮崎駿監督のジブリ映画「もののけ姫」でも室町時代のタタラ場が物語の中心的舞台となっている。映画の中ではタタラ場が人間の文明世界の象徴、シシガミの森が太古からの神々の超自然的世界として対照的に描かれている。日本の歴史の授業でも習ったことはなかったが、たたら製鉄が古来からの重要な産業として日本の歴史に深く刻まれていたのは間違いないようだ。

しかし今の時代を生きているぼくたちはたたら製鉄なんて見たことがない。もちろん「もののけ姫」に出てくるタタラ場のような神秘的な風景を今まで生きてきて見たことがない。それもそのはずで日本の伝統的製法であったたたら製鉄は明治時代に西洋の鉄の大量製造の技術が導入されてきたことにより、1923年に商業生産を終えてしまったのだという。

それではもうぼくたちは「もののけ姫」のようなタタラ場の舞台を決して見ることはできないのだろうか。日本の製鉄を支えてきた優れた伝統的方法の姿を、もはや決して確認できないというのはなんだかいたたまれない気持ちだ。

実は島根県にはたたら製造が行われていた「高殿(たかどの)」が、日本で唯一現存しているという!鉄づくりのための炉などの施設とそれを覆う建物のことを高殿という。映画「もののけ姫」の中でタタラ場の女たちがふいごを踏んで労働している建物が高殿だ。その高殿の名前は「菅谷高殿」と言い、「菅谷たたら山内」という集落内にあるという。「日本海沿いを北上する旅」の中で島根県を深めたいを思っていたぼくは「菅谷たたら山内」を訪れた。

まさにもののけ姫の世界!島根県「菅谷たたら山内」でたたら製鉄の舞台を目の当たりにする

 

・「鉄の歴史博物館」の駐車場、入場料情報

「菅谷たたら山内」を訪れて実際にたたら製鉄の現場を見た後は、もっと日本伝統の鉄づくりについての造形を深めようと同じく島根県雲南市にある「鉄の歴史博物館」を訪れた。駐車場は無料。入場料は520円だった。

「鉄の歴史博物館」ではたたら製鉄のあらゆる過程、原料、仕組み、独特の信仰形態、鍛冶屋の仕事内容、出来上がった鉄によって作られたものが細かく展示されていて非常に学びになった。

 

・「たたら」とは何か?その起源について

製鉄場は「たたら」や「山内」と呼ばれている。「たたら」とは、高殿(炉のある建物)やそれに付随した施設(銅小屋、鋼造場、砂鉄置き場、洗場)などの小区域を指す。「山内」とは、この施設以外の施設(元小屋、米蔵、倉庫、祠)や製鉄従事者の居住地全体を指したものである。「菅谷たたら山内」には元小屋(事務所)があり、番頭や事務員が2〜4名いた。村下、炭坂、炭焚、番子、山配、下廻、鋼打、山子などの技術者が25〜35戸の集落を形成して生活していたという。

「たたら」の起源については、様々な説があり明らかではない。「たたら」という文字も古来からいろいろな文字が当てられている。「踏鞴」「多々良」「多々羅」「鞴」「鑪」「高殿」など、それらは製鉄の施設全体かあるいは炉体を意味するものである。いずれにしてもそこに火力を強めるための送風装置であるふいごの存在を欠くことはできない。古来ふいごのことを「たたら」と呼んでいたことから、たたら製鉄との名称がついたと言われる。つまりふいごはたたらの語源である。

 

・たたら製鉄の「炉」について

 

たたら製鉄は「炉」という粘土でできた巨大な器の中に砂鉄と炭を入れ、高熱を保つことで鉄を生み出す。たたらの操業は、1回1回土の炉を作り変えて行う。つまり1回の鉄づくりでその炉は完全に最後には壊してしまうということだ。この炉の実物は「菅谷たたら山内」で見学が可能となっている。

炉体は3段階(元釜、中釜、上釜)の工程を経て1日がかりで完成する。最も大切なのは元釜づくりだ。元釜の底の逆三角形の部分は鉧(けら、たたら製鉄でできる鉄の塊のこと)の浸食に耐えられるほど十分な厚みが与えられる。また元釜には微妙な角度をつけた通風孔が開けられる。ふいごによってここから風を送ることが、炉体の高音を保つために重要だ。

 

ふいごから風を送る様子は映画「もののけ姫」の中で女性たちの労働風景として印象的に描かれている。

 

・たたら製鉄の「炉床」について

炉の下には大仕掛けの「炉床」が改良に改良を重ねて作られた。炉床の目的は炉で鉄を作っている時、地面の下から湿気が上るのを遮断すること、また熱が逃げるのを防ぐことだと言われている。

 

・どのような化学反応でたたら製鉄の鉄が出来上がるのかを徹底解説

この炉を使って実際にたたら製鉄が行われる。その全貌はここ「鉄の歴史博物館」で映像として見ることができて、実際の様子がわかりやすく描かれていた。しかしそもそもこのたたら製鉄の作業をすることによってなぜ鉄が生み出されるのか、その化学的解釈については何も言及されないままだったので理解できなかった。そこでぼくが博物館で見たものとインターネットで調べたものを加味して、たたら製鉄でなぜ鉄が出来上がるのかここに簡単にまとめようと思う。

結局は炉の中に「砂鉄」と「炭」を一緒に入れることで鉄が生まれるのだという。なぜなら化学的に言えば砂鉄は「酸化鉄」で炭は「炭素」なので、酸化鉄と炭素を一緒に入れて高温にすることで化学反応が進み、酸化鉄が”還元”されて鉄になるからだ。還元とは酸化の逆で、酸素を取り除く反応である。

簡潔に言えば上記のようになるが、実際のところはもう少し複雑だ。炉の中では炭(C)がふいごによって送られてくる空気中の酸素(O2)と反応して二酸化炭素(CO2)になるが、これもまたすぐに炭素と反応して一酸化炭素(CO)になる。

C + O2 → CO2
CO2 + C → 2CO

砂鉄は化学式でいうと主にFe3O4でありこれが一酸化炭素(CO)と反応することにより、酸化鉄Fe3O4が酸化鉄FeOにまで還元される。この時の温度は300〜800℃だ。

Fe3O4 + CO → 3FeO + CO2

さらに高温になると(1000℃未満)酸化鉄FeOがさらに還元されて鉄Feにまで還元される。

FeO + CO → Fe + CO2

また950℃以上の高温では、炭素(C)が直接酸化鉄FeOを還元する反応も同時に起こっている(直接還元)。

FeO + C → Fe + CO

たたらの鉄づくりの過程では、砂鉄中に含まれる不純物は高温で溶解しドロドロの「ノロ」として排出される。ノロは主に珪酸(SiO2)、Al2O3(アルミナ)、FeO、FeO2(酸化鉄)、TiO2(二酸化チタン)から構成されている。このノロに埋没することにより、出来上がった鉄は再び酸化されることを免れているという。ノロのドロドロの流出は、鉄ができ始めた合図だという。ノロの状態を見て投入する砂鉄の量を増やしたり維持したりするため、ノロは炉内の状態を知る上で非常に重要だ。

たたらの鉄づくりでは最終段階で炉を壊し、その中から出来上がった巨大な鉄の塊、鉧(けら)を取り出す。

 

・鉧塊の冷却方法によって火鋼と水鋼に分けられる

炉から排出された鉧塊を冷やす方法には、屋外で自然に冷やす方法(火鋼)と、鉄池(かないけ)に入れて急激に冷やす方法(水鋼)がの2つがある。水鋼を作る理由としては、急激に冷却し割りやすくするためだと言われている。中国地方東部では火鋼、西部では水鋼というように、たたらによって異なった冷却を行い、製品を特徴づけていた。

 

・たたら製鉄で出来上がった鋼を質によって7段階に分類する

小さく砕かれた鉧塊は品質ごとに鋼造り(鉧を砕いたものを選別する職人)によって選別される。同じ鋼でも内部が未知なもの、気泡を多く含んだ粗いものなど様々であり、価格に何倍もの差が出る。したがって鋼造りの選別眼はことのほか重要視された。選別の方法は鉄塊の大きさでまず7種類にわけ、さらにその1種類を品質ごとに4段階に選別した。一般に出雲地方では、鋼を7段階に分類していた。

玉鋼(たまはがね)…極上品の鋼
目白(めじろ)…上質ではあるが小割になりすぎたもの
砂味(じゃみ)…目白より質がやや低下したもの
造粉(つくりこ)…玉鋼の粉
鉧銑(けらずく)…鉧の混じった粒状の銑
歩鉧(ほけら)…砂味より質が落ち銑が多く混じる
鉧細(けらこま)…歩鉧の小さなかたまり

 

・たたら製鉄独特の信仰「金屋子様」について

たたら師にはたたら師特有の信仰があった。中国地方のたたらでは、もっぱ金屋子という神を鉄づくりの神として崇拝していた。タタラ操業の時には村下をはじめとする操業従業員はもちろん、家族までも良質の鉄が作れるように祈ったと言われている。

タタラ場の女神「金屋子神」はサンのモデル?!「もののけ姫」のようにたたらを踏む女たちがいたというのは本当か?

たたらの守護神として崇め荒れている金屋子神は、女の神様であると伝えられている。菅谷たたらの伝承に夜と、金屋子神は器量の悪い神様であったために女性の嫉妬心が強かった。女がたたら場へ入ると背中向きになられ、特に女性が化粧をして赤子を背負ってくるのを嫌ったという。そんなことがあると鉄が順調に湧かないと信じられていた。金屋子神が水鏡としてお使いになる化粧の池を設けて、神の心の安定を願い、鉄づくりが順調に進みように祈ったという。

 

 

・「鉄の歴史博物館」の周囲の街並みはレトロで素敵だった

「鉄の歴史博物館」は周りの散策も楽しい場所だった。日本海沿いの街の屋根はみんなオレンジがかった美しい色彩だった。ぼくは屋根の瓦といえば灰色だと思っていたが、太平洋側は灰色で日本海側はオレンジとか、何かそう言う風習でもあるのだろうか。

 

 

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