大好きな場所がもう既に
数え切れないほどにあるというのに
どうしてぼくたちは新しい国へと
旅立たなければならないのだろう
けれど世界の全てを見たわけでもないのに
本当にそれを好きだと言い切ることはできない
もしかしたらずっと素敵なものや美しいものが
まだぼくたちを待っているのかもしれない
一番に好きだと伝えることはまやかしだった
世界の全ての国を訪れたことのない旅人のように
世界の全ての人に出会ったことのない魂が
なぜ最愛だと選ぶことができるのだろう
ぼくたちはこの一生で全てを知ることはできない
だから知っている限りで諦めなければならない
それでもこれ以上にないと直感する心を止められない
ほんの一粒を宇宙だと信じるぼくたちの可愛さ
たとえ世界の全てを見尽くした後でもあなたが最愛だと
思い込む青い炎がぼくたちを苦しめた
見知らぬ世界を目指す者にしか救いはもたらされない
あなたでなくてもよかったという軌道を生み出すために
