祖国も異国もこの地で混じり合う
誰がこの地を祖国と名付けたのだろう
わたしの祖国はどこにもありはせず
はるかなる異郷だけが瞳に映される
異国を彷徨えばわたしは異物だと
開き直って人を慈しむこともできようが
故郷にあっても異物となるこの身が
いかにして救われる道をさがすだろう
真理の手紙はいつも異国の言葉
誰しもが辿り着けぬ幻の宛先
理解されないこの魂を抱きしめて
遠く遠くへ逃げても報われない
深く根源を旅する者たちへ
すぐそばにある異郷を夢見る心たちへ
わたしたちの虚しさは繋がれて
いつの日か飛翔する風向きを待つ
あどけなく異国を旅するだけでは終われない
あてどなく日本という異国を見定める瞳を持つならば
あるいはわたしの中の相剋は生殖し合い
透明で美しい混沌へと生命を沈める