氷を踏んで生きて来たのに
突如氷を踏めなくなる時を知る
滑ったことも落ちぶれたことも悲しかったことも
それすら愛おしく思う日が来る
氷を踏んで生きることを
虚しく思う日もあったのに
どんなにか土の上を
歩ければ楽かと嘆いていたのに
わたしはいつしか氷を友とした
わたしを転ばせる危険も
わたしを生きにくくさせる呪いも
わたしを殺すかもしれぬ気配も
すべてはわたしを生かせるためだった
どうしてわたしは
あんなに泣いていたのだろう
あんなに痛んでいたのだろう
雪の精霊がわたしを呼び止める
氷を踏んでどこまでもゆこう
ノーザン・ライツが見えるまで
ノーザン・ライツが見えるまで
生きるという苦しみが
わたしを常に生かしていた
凍りついた涙の欠片が
わたしに生きる熱を教えた
いつまでも痛みにすがりついて
生きることはできない
わたしは眺めてみたいのです
この世のものとも思えない光を