ヘラクレス12の功業とは?コンヤ考古学博物館の世界最高傑作「ヘラクレスの石棺」はその評判も納得の完成度と保存状態だった

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トルコの石棺はやっぱり美しすぎる!!!!!

ヘラクレス12の功業とは?コンヤ考古学博物館の世界最高傑作「ヘラクレスの石棺」はその評判も納得の完成度と保存状態だった

・シルクロードの旅第9ヶ国目「トルコ」旅程表
・コンヤで泊まったGarra HotelはWi-Fi以外はいい宿だった
・コンヤ考古学博物館は無料で見応え抜群だった
・コンヤの考古学博物館「ヘラクレスの石棺」に彫刻された12の功業を徹底解説
・「ヘラクレスの石棺」以外にもコンヤ考古学博物館には美しい石棺がいっぱい
・保存状態のいいローマ時代のポセイドン像も見所のひとつ
・その他興味深かったもの一覧
・コンヤの考古学博物館の外部には獅子像がいっぱい

・シルクロードの旅第9ヶ国目「トルコ」旅程表

ミズイロノタビでは「シルクロードの旅」の中で中国、中央アジア、コーカサスと東から西へ旅を継ぎ、ついに第9ヶ国目となるトルコを横断するステージへ突入した。

トルコは2022年ギリシャ一周の旅をした時に、ロードス島からマルマリスへと船で渡りそこから有名どころを周遊する予定だったがフェリーの欠航が相次ぎ、結局はイスタンブールとカッパドキアしか回れなかった苦い思い出のある国だ。それ以来いつかトルコという国と真剣に向き合う旅をしたいと思い続けていたが、今回ついにその時が来たようだ。

トルコ横断の旅の計画表は以下の通りだった。ジョージアからトルコ北部のトラブゾンへ入り、その後一気に南部のマルディンへ移動、それ以降は地中海沿いを東から西へと横断していく。

滞在する街 宿泊するホテル(宿泊数) 次の街への移動手段
トラブゾン Cebeci Grand Hotel(2泊) 長距離バス
マルディン Airbnb(2泊) 長距離バス
シャンルウルファ Sumatra Otel(3泊) 長距離バス
ガズィアンテプ Ugurlu Hotel(1泊) 長距離夜行バス
コンヤ Garra Hotel(2泊) 長距離バス
アンタルヤ BE BOLD HOSTEL(3泊) 長距離バス
パムッカレ Sunrise Aya Hotel(3泊) 長距離バス
セルチュク Airbnb(3泊) フェリーでギリシャ離島の冒険へ

 

・コンヤで泊まったGarra HotelはWi-Fi以外はいい宿だった

 

コンヤはトルコと言えばこれが見たい!とすぐに思い付くクルクルダンス(=セマー)の本場であり、壮大なトルコ横断の旅をするからには絶対に本場のセマーを見たいということで立ち寄ることにした。

 

コンヤではGarra Hotelというホテルに2泊した。朝食付き個室2泊で12570円だった。安いホステルが少ないトルコ東部では、これでも宿泊費を抑えられた方だ。トルコのホテルの朝食は総じて質が高く、このホテルも豊富に選べるビュッフェ形式で大満足だったが、いかんせんWi-Fiが使い物にならないほどに遅すぎて困惑した。経験としてトルコのホテルってWi-Fiが不便なことが多いので、絶対に事前にレビューなどでチェックした方がいいと思う。旅人にとってのWi-Fiは生命線だ。

しかし夜行列車で早朝に到着してもすぐに部屋に案内してくれたりして、とても親切なホテルだった。Wi-Fiさえちゃんとしていればなぁ…。

 

・コンヤ考古学博物館は無料で見応え抜群だった

コンヤの定番の観光と言えばメヴラーナ博物館で、もちろん毎晩開催されているセマーを見ることも忘れなかったが、それだけだと時間がまだあったので考古学博物館にも足を伸ばしてみることにした。コンヤの考古学博物館は何と無料!まるで中国のような大盤振舞だったが、悲しいことにトルコで無料の博物館はぼくの旅路ではここだけだった。無料なだけあって小規模だが、それでも見応えはかなりあって大満足の結果となった。

 

・コンヤの考古学博物館「ヘラクレスの石棺」に彫刻された12の功業を徹底解説

コンヤの考古学博物館の一番の目玉は、「ヘラクレスの石棺」。この石棺はこれを絶対に見るべきだという事前の予備知識がなかったとしても、思わず心が引き込まれてしまうような美しさと迫力に満ちていた。

2022年のトルコ旅行でイスタンブール考古学博物館を見学した時にも思ったけど、トルコは石棺が本当に素晴らしい!隣のギリシャでも石棺がすごいなんて思ったことないしそもそも博物館にもあまり置かれてなかったけど、トルコはこんな地方都市でも緻密で活き活きとした見応えたっぷりの彫刻が施された石棺が保存されていて、本当に石棺を見るためだけにトルコを訪れてもいいのではと思わせられるような魅力があった。

コンヤ考古学博物館「ヘラクレスの石棺」は紀元前220年〜260年のもので、コンヤから60km離れたユヌスラル村で畑を耕している際に発見された。四面には英雄ヘラクレスの12の功業を描いた彫刻が刻み込まれている。躍動感のある彫刻が破損せずに美しいまま完璧に残っているので、非常に感動的だった。

「ヘラクレスの石棺」はコンヤ考古学博物館以外にも存在するが、「保存状態」「立体的な彫刻技術の精度」「ストーリーの完全性」のすべてにおいて、ここコンヤ考古学博物館のものが世界最高傑作として名高いという評判だ。それではヘラクレスの12の功業の詳細を「ヘラクレスの石棺」と共に見ていこう。

左の彫刻から順に解説

ネメアの獅子退治

ヘラクレス最初の功業は、アルゴリス地方のネメアの地域全体を荒廃させた巨大なライオンを倒したことだった。どんなに強力な武器でもネメアの獅子を退治することはできなかったので、ヘラクレスは棍棒で獅子を気絶させその場で絞め殺した。もしくは洞窟に逃げ込んだのを閉じ込めて、3日間かけて格闘の末絞め殺したとされる。

ヘラクレスはナイフの代わりにライオンの爪や歯を使って死骸の皮を剥ぎ、頭から被って鎧として用いた。これによりネメアのライオンの皮が、英雄の恒久的なシンボルとなった。この獅子はやがてしし座となった。

「ヘラクレスの石棺」の最も左の彫刻を見ると、確かにヘラクレスがライオンと戦っている。

 

レルネアの九頭のヒュドラ退治

ヘラクレス第2の難行は、レルナ地方を恐怖に陥れていたヒュドラ退治。ヒュドラとは9つの頭(もしくはそれ以上)を持つ水蛇の怪獣で、吐いた息を吸うだけでその生き物を死に至らしめるほどの猛毒を持っていた。首を切っても傷口から2つの首がまた生えてくる上に、真ん中の1つの首は不死身だった。そこで従者のイオラオスが近くの木立に火を放ち、焼きごてでヒュドラの傷口を焼き、新しい頭が生えないようにした。ヘラクレスは最後の頭、不死身の頭を剣で切り落とし、埋めて巨大な石で重しをしたことで勝利した。ヒュドラはやがてうみへび座となった。

「ヘラクレスの石棺」の左から2番目の彫刻を見ると、確かにヘラクレスが巨大な蛇と戦っている。

 

エリュマントスのイノシシ捕獲

エウリュステウス(ミケーネ王)はアルカディアとエリスの境界にあるエリュマントス山の斜面に住み、プソフィスの街の周辺を荒らしていた巨大なイノシシを生け捕りにするようヘラクレスに命じた。エリュマントスの斜面でヘラクレスはイノシシを見つけ、叫び声を上げて茂みから追い出し、長い間追いかけて深い雪の中に追い込んだ。そこでヘラクレスは獣の背中に飛び乗って縛り、肩に担いでエウリュステウスの所へ運んだ。こうしてヘラクレスは、危険な動物を殺さずに打ち負かすという困難な任務を見事に成し遂げた。

「ヘラクレスの石棺」の左から3番目の彫刻を見ると、確かにヘラクレスがイノシシを担いでいる。

 

ケリュネイアの鹿捕獲

ケリュネイアの雌鹿は驚異的な速さで知られ、金の角と銅の蹄を持っていた。アルテミスの聖獣だったが、狩猟の女神であるアルテミスでさえも捕まえることが困難だった。生け捕りを命じられたためヘラクレスは雌鹿を一年間追いかけ、北の果てにあるヒュペルボレア人の土地にまで旅をし、ついにアルゴリスとアルカディアの境界で雌鹿に追い着き、生け捕りに成功した。その後この鹿はアルテミスに捧げられ、巨大の4頭と共に戦車を牽くこととなった。

「ヘラクレスの石棺」の左から4番目の彫刻を見ると、確かにヘラクレスが鹿を捕獲している。

 

ステュムパロスの鳥退治

金属質の羽、くちばし、爪(様々な資料では鉄、銅、または青銅とされている)を持つステュムパロスの鳥は、アルカディアのステュムパロスの沼に住み、毒のある糞で周辺地域の作物を荒らし、人々を殺し、その肉を食べていた。ヘラクレスはアテナにもらったガラガラを使い、ガラガラの音で全ての鳥が空中に舞い上がったところを、弓で全て射落とすことができた。

「ヘラクレスの石棺」の最も右の彫刻を見ると、確かにヘラクレスが武器を手に虚空を見上げ鳥を攻撃している。

 

左の彫刻から順に解説

アマゾンのヒッポリュテの帯奪取

エウリュステウス(ミケーネ王)はアマゾン(ギリシャ神話に出てくる女性だけの部族)の女王ヒッポリュテが所有していた黄金のベルトを、娘のためにミケーネに持って来るようヘラクレスに命じた。ヒッポリュテはヘラクレスに恋をしベルトを贈り物として彼に差し出したが、最高位の女神ヘラは他のアマゾンたちにヘラクレスが女王を誘拐しようとしていると説得したので、アマゾンたちはヘラクレスの船を攻撃した。彼は裏切りを疑い、ヒッポリュテを殺害しベルトを持ち帰った。

「ヘラクレスの石棺」を見ると、確かに左側でヘラクレスが女王ヒッポリュテと戦闘している。

 

アウゲイアスの家畜小屋を一日で片付ける

エウリュステウス(ミケーネ王)はヘラクレスを汚い仕事で辱めるために、ヘラクレスに大量の糞が溜まっているアウゲイアス(エーリス王)の家畜小屋をすべて掃除するように命じた。しかしヘラクレスはいい考えを思い付いたので、アウゲイアスに1日で掃除したらすべての牛の10分の1をくれるよう要求した。アウゲイアスはそのようなことが可能だとは信じられず、同意した。ヘラクレスは家畜小屋の壁のひとつを破壊し、近くのアルペイオス川とペネイオス川から水を引いて、糞尿を洗い流すことで掃除を成し遂げた。しかしアウゲイアスは、ヘラクレスはエウリュステウスの命令に従っただけだと支払いを拒否した。

「ヘラクレスの石棺」を見ると、確かに右側でヘラクレスがモップを片手にお掃除している。

 

左の彫刻から順に解説

クレタの雄牛捕獲

当時クレタ島の野原は巨大で獰猛な雄牛に荒らされていた。一説によるとこれはミノタウロスの父となった雄牛だという。エウリュステウス(ミケーネ王)はヘラクレスに雄牛を生きたままミケーネに連れてくるよう命じた。ヘラクレスはクレタ島に到着し、雄牛を見付けて飼い慣らした。ヘラクレスはその後雄牛に乗って海を渡り、ミケーネに連れてきた。

「ヘラクレスの石棺」の最も左の彫刻を見ると、確かにヘラクレスが牛と戦っている。

 

ディオメデスの人喰い馬盗難

ディオメデス(トラキア王)の雌馬は、人肉を食べることで知られていた。ディオメデスは旅人を捕らえて自分の馬に食わせていた。ヘラクレスの任務はそれらの雌馬を捕らえてエウリュステウス(ミケーネ王)に引き渡すことだった。ヘラクレスはディオメデスを馬に食わせることで殺害し、馬たちをエウリュステウスのもとへ連れ帰った。

「ヘラクレスの石棺」の左から2番目の彫刻を見ると、確かにヘラクレスが馬を連れている。

 

巨人ゲリュオンの牛奪取

エウリュステウス(ミケーネ王)はヘラクレスに、はるか西の海にあるエリュテイア島に住む巨人ゲリュオンの牛をミケーネまで連れて来るように命じた。沈む太陽が彼を照りつける中、ヘラクレスは太陽神ヘリオスに弓を向けた。ヘリオスは勇敢な英雄に敬意を表し、大洋を渡る旅のために彼に金の杯を与えた。ヘラクレスはこの杯に乗ってエリュテイアまで辿り着くことができた。彼は弓でゲリュオンを射、牛を船に積み込みスペインに戻り、その後ヘリオスに杯を返した。そして牛の群れを陸路で移動させた。

「ヘラクレスの石棺」の左から3番目の彫刻を見ると、確かにヘラクレスが牛を担いでいる。

 

ケルベロス捕獲と返還

ヘラクレスの最後の功業は、冥界への旅だった 。エウリュステウス(ミケーネ王)は、冥界の入口を守る三つ首の犬ケルベロスをミケーネに連れてくるようにヘラクレスに命じた 。様々な資料によれば彼はラコニアのテナルス岬、アルゴリスのヘルミオネ、ボイオティアのコロネアで死者の王国に降り立った。ハデス(冥界の最高神)は、ヘラクレスが素手で三つ首の犬ケルベロスを倒せるなら、ケルベロスを連れて帰るってもいいと約束した。ヘラクレスはケルベロスの首を絞め始めた。ケルベロスは蛇の尾で彼を刺そうとしたが、最終的には屈服させられた。その後ヘラクレスはケルベロスを地上に連れ戻し、ミケーネに連れて行った。

「ヘラクレスの石棺」の左から4番目の彫刻を見ると、確かにヘラクレスが小さな犬を連れている。ケルベロスってこんなに可愛いの?!

 

ヘスペリデスのリンゴ盗難

エウリュステウス(ミケーネ王)は、ティタン族の巨人アトラスが天空を両手で支えている場所の近く、エキュメネの辺境にある魔法の庭に生えている黄金のリンゴの木の実を手に入れたいと望んだ。その木はヘラ(最高位の女神)のもので彼女の指示により、アトラスの娘であるヘスペリデスと蛇のラドンが世話をしていた。

ヘラクレスは魔法の庭にたどり着き、アトラスに助けを求めた。アトラスはヘラクレスが空を支えてくれるなら手伝うことに同意したが、ラドンを恐れていた。そこでヘラクレスは柵越しに放った矢でラドンを射、アトラスの代わりに空を支えた。ラドンはりゅう座になった。

アトラスはリンゴを摘んだ。しかしアトラスは再び重い荷物を背負いたくなかったので、自分でリンゴをエウリュステウスに届けると言った。ヘラクレスは同意したふりをしたが、肩に枕を置けるように少しの間だけ空を支えてほしいと頼んだ。アトラスは彼を信じた。ヘラクレスは解放されるとすぐに、アトラスが置いた草むらからリンゴを拾い上げ、アトラスの世間知らずさを笑いながら去っていった。

「ヘラクレスの石棺」の最も右の彫刻を見ると、確かにヘラクレスが左手にリンゴを持っている。

 

残りのもうひとつの面には、ヘラクレスの功業とは全く関係ない石棺に入った故人の思い出が刻まれているという。

 

・「ヘラクレスの石棺」以外にもコンヤ考古学博物館には美しい石棺がいっぱい

コンヤの考古学博物館には「ヘラクレスの石棺」の他にも数多くの石棺が並べられていた。どの石棺も立ち止まって見入ってしまうほど見応えがあったが、やっぱり「ヘラクレスの石棺」はその中でも群を抜いた完成度の高さと保存状態だと感じられた。一番の見所になるのも納得!

 

・保存状態のいいローマ時代のポセイドン像も見所のひとつ

石棺以外で言えば、ローマ時代のポセイドン像も保存状態がよく目玉のひとつになっているという。海から遠く離れたコンヤからポセイドン像が出土したのは興味深いが、ポセイドンは海だけではなく「淡水、泉、河川、地熱、温泉」および「地震」を支配する神であったため、内陸部であっても川や泉など水資源の豊かな場所や地殻変動の多い地域で祀られることは珍しくないという。

 

・その他興味深かったもの一覧

 

・コンヤの考古学博物館の外部には獅子像がいっぱい

さらにコンヤの考古学博物館で興味深かったことは、外部に数多くの獅子像が展示されていたことだった。

 

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