異常たちの中へ

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普通であることへと
導く風は止まない
真理に根を下ろさぬ者たちは
疑いを知らず風に従う

安らかな心地だろう
病むことのない国だろう
そう思い込むことで最も
侵襲されることに気付かなくても

敢えて異常を
自らに組み入れることで
開かれる扉がある
照らされる景色がある

おかしな者だと見なされるだろう
奇妙なことだと囁かれるだろう
それを知った上でさえも
異常でなくてはいられない

□とても青いコート
襟のないコート
とても白いリュック
あまりに大きなリュック■

異常という名を持ちながら
この世に生まれついても尚
異常という衝動を
探し求めながら歩いている

隠したくて恐ろしくて
どうしようもないぼくの異常
見せびらかしたくて明らかにしたくて
いたたまれないぼくの異常

異常はどちらの国にいる
秘められるための異常
提示されるための異常
どちらもぼくの中に住む

秘密を閉ざしたい願いも
秘密を明かしたい祈りも
反対なのにひとつとなって
同じものとして結晶化する

異常により破壊したい
この街の秩序を
正常を信仰する人間たちの瞳を
覚醒させてこの世を去りたい

 

 

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