必死になって生きる者には
昔も明日も見えてはいない
必死になって生きる者には
誰の声も響きはしない
死を知らない獣たちのように
時を忘れて光を追い求める
おそれを知らない赤子たちのように
ただ直感だけを手繰り寄せる
いつからか穢れた雨に取り囲まれ
争うことでしか生きられないというのなら
眠りの中で旅立つだけでいい
あなたが立ち尽くす根源の大地へ
この一生は短すぎて
私は私を知ることができない
この一生が終わるまで
私は私を見つめなければならない
不動明王の怒りが天に震え
競い合う衆生の世を焼き尽くす
夢中になって生き抜く瞳には
他人の姿など映りはしない