初めての車中泊不安だらけだったけれど楽しすぎる!!!
自由で超絶楽しい!紀伊半島・熊野古道巡礼の旅で人生初の車中泊に挑戦してみた
・襲いかかる車中泊の不安と恐怖
・車中泊についてインターネットで検索
・車中泊の寝袋をどのように選択したか
・恐れをなして1泊目は温泉宿へ
・ついに来た車中泊1日目!
・紀伊山脈車中泊の旅の実際まとめ
・襲いかかる車中泊の不安と恐怖
車中泊というものを、これまでの人生でしたことがなかった。車で眠ることなんて可能なのだろうか。それって犯罪にならないのだろうか。暑すぎたり寒すぎたりしないのだろうか。人が窓から覗き込んできたりしないのだろうか。警察に職務質問とかされないのだろうか。山賊や追い剥ぎに遭わないのだろうか。山男とか山姥に襲われたりしないだろうか。
新しいことに挑戦するときには不安はつきもので、ぼくは紀伊山脈一周の旅をすると決意してからというもの、車中泊の不安に押しつぶされそうになった。そして周りに車中泊の旅を経験している人もあまりいない。果たして紀伊山脈・熊野古道巡礼の旅で、車中泊なんて可能なのだろうか。
・車中泊についてインターネットで検索
まず手始めにインターネットで車中泊の概要、必要なものについて検索してみる。とりあえず車中泊するに当たって、とにもかくにも寝袋が必要なようだ。そして4月ならば寒さ対策に毛布も必要だという。それに窓から冷気などが入ってこないように、窓を覆うシートを買い揃えるのがよいだろうと書かれている。
車中泊する場所としては、道の駅が最も適切だろうと書かれている。清潔なトイレがすぐそばにあるので安心だという理由らしい。そして、車中泊は思ったよりも肉体的にきついものがあるので、1泊おきに車中泊するのがよいだろうと書かれていた。
・車中泊の寝袋をどのように選択したか
まず、ぼくは寝袋なんて持っていなかった。しかしいつかはスペインのサンディアゴ巡礼の旅をしてみたかったので、そのためにも安宿に宿泊する際に寝袋は必須らしく、ちょうどいい機会なので今回買うことにした。寝袋は買うとして、毛布は家にあるものを持って行けばよいので買わなくてもいいと判断した。そして、問題は窓を覆うシートだが、外から車内が丸見えになるのも嫌だと感じ、また冷気が入ってくるのも嫌になるほどの真冬なら、窓を覆うシートも必要だろうが、別に車内が見えてもいいし、ぼくが紀伊山脈車中泊の旅に出るのは4月後半なので、気候も徐々に温暖になるだろうと考えて、窓を覆うシートは買わないままにした。
要は、今回の車中泊で購入するのは寝袋だけとしたのだ。
寝袋は、アマゾンやその他オンラインショッピングの店を覗いてみれば、驚くほどの安価で買うことができる。しかし、これはダウンではなく化学繊維のものがほとんどであり、それらは重く大きい傾向にある。別に車中泊のためだけに使用するのであれば、重くて大きくても寝袋なんて車が運んでくれるのだから問題ないだろうが、ぼくは今後世界一周でスペインのサンディエゴを巡礼すること、すなわちバックパックの旅をすることを念頭に入れていたので、なるべく小さく、なるべく軽量なものを求めていた。そうなると、オンラインショッピングでの最安値の化学繊維の寝袋では都合が悪くなる。
寝袋は主に化学繊維とダウンの2通りがあり、化学繊維は安価である代わりに大きく重く、そしてダウンは高価であるものの小さく軽いということだった。ぼくは今後の旅のことも考えてダウンの寝袋を買うことにした。
ダウンの寝袋を買うに当たって、オンラインサイトに並んでいるたくさんの商品とにらめっこしていても拉致があかないと考え、梅田のグランフロントのモンベルに行って実物を見ながら購入するものを選んだ。結局親切な店員さんと相談しながら、体積が最も小さく、重さが最も軽量で、値段も20000円弱と割と手頃なダウンハガー800の#5という寝袋を選んだ。春の車中泊ならこれで十分だろうという店員さんnのアドバイスと、ぼくの最も軽量で最も小さいものが欲しいという需要が一致したのでそれを購入した。果たしてこれで正解だったのだろうか。
・恐れをなして1泊目は温泉宿へ
さて、寝袋も買って準備万端!
車の旅のいいところは、バックパッカーと違い大きいものでも重いものでもなんでも車に詰め込めるということだ。シベリア鉄道のバックパックをしてきた後なので、車がこんなにもありがたいものかと感動してしまった。しかも、旅先でも体積や質量関係なく、迷わず購入することができるのだ。ぼくは寝袋に加え、寒くても大丈夫なように寝るとき用の厚めのトレーナーやパーカーと、厚手のモコモコの毛布と、下に敷く用のモコモコのシーツまで、なんでもかんでも車に詰め込んだ。もしも不要であっても、車が運んでくれるのでぼくの苦しみにはならないのだ。
こんなに準備したにも関わらず、初日は怖くなって2食付きの温泉宿を予約してしまった。車中泊は2日目からとなる。果たしてこれで車中泊なんてできるのだろうか。
・ついに来た車中泊1日目!
さて、初日は日本最古のお湯があるという温泉街でヌクヌクと快適に宿泊し、ついに和歌山県の白浜で車中泊をする日がやってきた。インターネットの情報や車中泊をしたことのある友達からのアドバイスでは、道の駅で車中泊がいいということだったが、道の駅というものは大抵メイン通り沿いにあり、車の音でやかましいような気がしたのでぼくはやめておいた。メインの道から一本入ったような狭い道沿いの、丘の上の砂利の無料駐車場のようなところで眠ることにした。ここなら車も一台も通らないし、人も通らないし静かだった。人目も気にしなくていいので、窓を覆うシートはやはり不要だった。
ぼくの車はホンダのゼストスポーツという軽の車だが、シートを倒して一面平野にすることができる。平野にして見たものの、完全な平坦ではなく、若干凸凹しているような感は否めず、快適に眠れるかどうか不安だった。平面の上に、持ってきたモコモコのシーツを敷いて、その上に横になる。
やはり枕は重要らしく、ぼくは枕用に小さな座布団を持ってきた。これは何を隠そう中島みゆきの夜会「リトル・トーキョー」で購入した、雪のような淡い青の色彩が魅力的だった「小雪が大好きクッション」である。このクッション、購入したときは体積が異様に大きく、それから北海道の流氷を見に行く旅をするのにとてもとても邪魔だったことが思い出されるが、今回のこの車中泊のために買ったのではないかと思うほど、枕としてぴったりで非常に役立った。
そしてこの日は思ったよりも暖かく、寝袋はいらないと重い毛布だけで寝てみた。毛布だけでも寒くなかったが、朝にはやや肌寒さを感じたので、翌日からは寝袋を使用して眠った。20000円を出してかった甲斐があったと思えるほど、寝袋も役立つものとなった。1日目は不慣れのためかやや寝にくい感はあったが、肉体的にきついというほどでもない。むしろこれで日本の宿泊代が浮くと思えば安いものだ。日本の宿代は非常に高く、最低でも3000〜5000円はする。この浮いたお金で紀伊半島の美味しい海鮮料理や名物が食べられるとなればこんなに嬉しいことはないと思えた。
ぼくはインターネットや友達が言うように、肉体がきついと思うまで車中泊を続けてみようと決心した。そして結局、恐れをなして予約した1日目の宿以来、ずっと車中泊を続けている。2日目からは不慣れな心もなくなり。すっかり快適に眠れるようになった。紀伊山脈の大自然の中で眠るというのは快適で、しかも車という空間に固く守られている。もちろん現代のこの世の中で、山の中に山賊や追い剥ぎが出現するはずもなかった。しかも狭い車内という空間に守られていると思えば、何となく広い場所で眠るよりも快適に思うほどにさえなってきた。もしかしたら遠い昔に、お母さんのお腹の中にいた感覚を無意識に思い出しているのではないかと思うほど、車中泊は安心感のあるものとなった。
・紀伊山脈車中泊の旅の実際まとめ
結局4月後半の紀伊山脈・熊野古道巡礼の旅で、車中泊に必要なものは寝袋だけだった。買った寝袋は最も軽量で最も体積の小さいダウンハガー800の#5。朝寒い日もあるので寝袋は必須だと感じた。後は毛布も必須!モコモコのシーツもあればなお快適かも。普段家で着るようなパジャマよりは、厚手のトレーナーやパーカーを重ねて着ると快適。窓を覆うシートはぼくは不要と感じた。
車中泊は道の駅でするよりもっと静かな誰も来ないようなメイン通りから1本入った道か、山奥でするのがおすすめ。特に誰も来ない山奥は快適。紀伊山脈には伝統のある温泉があちらこちらにあるので、お風呂に困ることは皆無!そこで歯磨きなどもできる。
車中泊は肉体的にきついので1日おきがいいと書かれていることも多いが、ぼくはそうは感じない。毎日でも全然平気!むしろ楽しい。浮いた宿泊代で美味しいものを食べましょう。
困るのは充電!スマートフォンはカーナビとしても有用であり充電が切れるのは旅における致命傷。ぼくの場合は音楽を聞くためにUSBでスマートフォンに繋ぐと、自然と充電されるようになっているのですごく困るということはない。それでも受電量は少ない。しかもスマートフォンの充電に精一杯でアップルウォッチやカメラの充電まで気が回らない。アップルウォッチはどうでもいいが、カメラは致命傷。対策としては温泉の休憩所やカフェ、レストランなどで充電させてもらうことで対応。
ぼくは車中泊の旅がこんなに楽しいなんて思いもよらなかった!とにかくなんでも気兼ねなく車内に持ち込んで、なんでもお土産を買うことができることが、バックパックの旅との大きな違いである。そしてバスや電車と違って、自分の好きな場所へ思い通りに行くことができる!時間を気にしなくていい!奥深い山の中へも、海辺の街へでも好きな時に行き放題!本当に自由を手に入れたような心地がすることが車中泊の旅の醍醐味だ。そんなこんなで、ぼくはまだ紀伊山脈・熊野古道巡礼の旅の途上である。