投資信託とETF手数料を徹底比較!新NISA成長投資枠で資産を最大化させつつ配当金ももらえるベストな方法を考察した
・ぼくの新NISA1800万円の保有銘柄一覧
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とVOOの手数料を比較
・ややこしい!オルカンとVTの手数料を比較
・新NISAのインデックス投資で配当金再投資しない場合のギャップ
・新NISAにおける投資信託の定率売却サービスは配当金より合理的では
・高配当株がいいというのは本当か?
目次
・ぼくの新NISA1800万円の保有銘柄一覧
ぼくは新NISA1800万円のうち積立投資枠はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)600万円を、成長投資枠はVOO300万円とVT600万円に投資する計画を立てた。新NISA3年目である現在は積立投資枠360万円、成長投資枠VOO300万円とVT420万円を年初一括で既にぶち込んでいる。
VOOはアメリカS&P500に連動したETF、VTは「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」という指数によって世界中の中小企業を含めた約9000銘柄に連動する全世界ETFだ。成長投資枠でもeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)やeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)などの投資信託を買うことは可能だったが、ぼくは長期投資することで将来のために資産を最大限に成長させるだけではなく、1~2%と配当利回りは少ないながらも今使える配当金も欲しかったのでeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)ではなくVOOを、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)ではなくVTを選択した。
未来のおじいさんになった自分自身のために1800万円をやたらと増やすだけではなく、同時に若くて健康な今の自分が人生を豊かに生きることを可能にする配当金を受け取るという観点から、成長投資枠のVOO,VTは自分にとっての最適解だと思われた。もちろんeMAXIS投資信託は本来もらえる配当金を新NISA1800万円の枠を消費することなく自動で内部再投資してくれるので資金効率がよく、未来の資産を最大化させるためにはeMAXIS投資信託を選択すべきだが、大金持ちのおじいさんになることが人生の目的ではなく、若くて健康な今の自分もおじいさんになった未来の自分も同じくらい豊かに人生を送ることが重要だと考えたのだ。
しかしいくら今の自分のために配当金をもらえると言っても、VOOやVTの手数料がeMAXIS投資信託よりも割高だと元も子もないので、事前に手数料を徹底的に比較した。
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とVOOの手数料を比較
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | VOO | |
| 買付・売却手数料 | 0 | 0 |
| 為替手数料(購入・売却時のみ) | 0 | 0(楽天証券、SBI証券の場合) |
| 経費率(年間) | 信託報酬:0.0814% 隠れコスト:+α運用報告書によると合計0.097% |
0.03% |
| 分配金の税金 | アメリカの10%(自動で内部再投資) | アメリカの10%(NISAなので日本の税金は0) |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とVOOの手数料比較はこちら。違いは経費率のみで、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が0.097%でVOOが0.03%なので、VOOの方が0.067%お得になっている。ぼくはVOOに300万円を投資する予定なので年間で300万円×0.00067=2010円以上(VOOが300万円から成長すればもっと増える)節約できることになる。
・ややこしい!オルカンとVTの手数料を比較
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | VT | |
| 買付・売却手数料 | 0 | 0 |
| 為替手数料(購入・売却時のみ) | 0 | 0(楽天証券、SBI証券の場合) |
| 経費率(年間) | 信託報酬:0.05775% 隠れコスト:+α運用報告書によると合計0.094% |
0.07% |
| 分配金の税金 | それぞれの国の税率で課税(自動で内部再投資) | ・構成銘柄のうちアメリカ:10% ・アメリカ以外:それぞれの国による課税+アメリカ10%の二重課税(VTがアメリカのETFだから)(NISAなので日本の税金は0) |
非常にややこしかったのがオルカンとVTの比較だ。違いは経費率と分配金の税金の2項目で、まず経費率はオルカンが0.094%、VTが0.07%なのでVTの方が0.024%お得になる。
難しいのは分配金の税金だった。オルカンやVTを構成する最大国はアメリカで約60%を占めている。その他は日本が6%、イギリスが3%、中国が3%・・・と先進国、新興国を含めて約50ヶ国が続いていく。まずはオルカンの配当金についてだがこちらはシンプルで、アメリカ株の配当金にはアメリカの税金10%がかかる、日本株の配当金には日本の税金20%がかかるという風に、それぞれの国で定められた配当金の税金が引かれた後の配当金が自動でオルカンに内部再投資される。
一方でVTの配当金については、アメリカ株の配当金はアメリカの税金10%というところまでは同じなのだが、その他の国に関してはそれぞれの国の配当金の税金が課税された上に、さらにアメリカの税金10%が課されるという二重課税の構造になっているという。なぜならVTはアメリカのETFなので、配当金をもらう際には必ずアメリカにも税金を納めなければならない仕組みになっているようだ。つまりオルカンとVTの分配金の税金を比較すると、アメリカ以外の国の配当金×アメリカの課税10%分だけVTが損をするということになる。
VTの配当利回りが2%だとすると、アメリカ以外の国の割合は40%なので2%×0.4×0.1(アメリカの税金10%)=0.08%だけVTが損をすることになる。経費率と分配金の税金の差を合計すると0.08-0.024=0.056%だけVTがオルカンよりも損をする結果になってしまった。VTには600万円をぶち込むので、毎年3360円以上(VTが600万円から成長すればもっと増える)損することになってしまう。
ぼくは正直事前にこのVTのアメリカ以外の国の配当金の2重課税の問題(NISA枠でなければ3重課税問題)を把握できてなかったので、今突き詰めて考えてみて本当にオルカンよりもVTの方がいいのかと思案してしまっている。
・新NISAのインデックス投資で配当金再投資しない場合のギャップ
新NISA3年目で今更ながら、本当に新NISAで配当金をもらうことがいいのかもよくわからなくなってしまった。現状でVOOは1%ほど、VTは2%ほどの配当金が出るので今若い自分が使えるお金が増えて嬉しかったが、それってつまりは自分の株から1%や2%を無理矢理売却しているだけに過ぎない。すなわちそれはVOOの成績から1%を、VTの成績から2%を自ら削り取っているに過ぎないので、例えば本来年間5%のリターンがあったとしたら配当金の出るVOOのリターンは5-1=4%に、VTのリターンは5-2=3%に下がってしまっていることを意味する。一方で配当金が内部再投資されるeMAXIS投資信託はリターンが5%のままだ。
これがたった1年間だけならいいだろうが長期投資する前提で毎年毎年これだけのリターンが削られてしまうとなると、新NISA1800万円が投資信託の場合とETFの場合とで、おじいさんになった時の自分の資産の差がとんでもなく大きく開いてしまうことになる。例えば配当金を再投資しないで今使うことを重視すると、ぼくのVOO(新NISA300万円、リターン5%、配当利回り1%と仮定)の場合は30年後には330万円の差(1300万円-970万円)に繋がる(合計でもらえる配当金は約180万円)。またぼくのVT(新NISA600万円、リターン5%、配当利回り2%と仮定)の場合は30年後に1140 万円の差(2600万円-1460万円)に繋がる(合計でもらえる配当金は約720万円)。
ん~~~結構大きい差が生まれてしまう!もちろん配当金を今使う分、その配当金を再投資しない分の複利を受け取れないことは重々承知だったし、若くて健康な自分が人生を幸福に過ごすために配当金を使えるのだからおじいさんの大金なんかよりも意味があるのかもしれない。しかし若くて健康な自分が使うお金を投資から生み出す方法は、果たして配当金しかないのだろうか。
・新NISAにおける投資信託の定率売却サービスは配当金より合理的では
ぼくが着目したのは、楽天証券やSBI証券で使える投資信託の定率売却サービスだ。これを利用してeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を年1%、オルカンを年2%で取り崩せばもはやVOO、VTで配当金をもらうことと同じなのでは?!しかもその場合はVTのアメリカ以外の国の配当金にアメリカ税10%がかからなくなるので(VTはアメリカのETFなのでアメリカの税金10%を支払う義務があるが、オルカンは日本のものなのでアメリカに払わなくていい)、投資効率もよさそうだ。
ぼくはVTで2%の配当金をもらうことが、オルカンを2%で定額売却することと同じだという発想がこれまでなかった。新NISAというものは長期投資で資産を最大化させるための制度だから絶対に簡単に売ってはいけないと信じ込んでいたので、新NISAのオルカンを定率売却するなんて考えつきもしなかったが、実は新NISAのVTで2%の配当金をもらうというぼくが形成した今のシステムは、オルカンを2%で定額売却していることと全く同じだと気付いてしまい、それなら新NISA1800万円の枠を消費せずに配当金を内部再投資できる効率的なオルカンを、好きな時に定率売却する方が筋がいいのではと思い当たってしまった。
VTの配当金を今の自分の幸せに使うか、将来の自分のために再投資するか選べるところも配当金の魅力だと思うが、ぼくはもう既に新NISA1800万円のための現金を用意してしまっているので新NISAに配当金を新しくぶち込む余裕がなく、再投資するなら特定口座で税金を支払う形でしか運用できなくなってしまう。それなら新NISA内でオルカンで効率よく内部再投資させておいて資産を最大化させた状態で、定率取り崩しする方が新NISAをうまく活用できている気がする。長期投資では1~2%のリターンの差はかなり大きな差として表れてくるので、eMAXIS投資信託で新NISA内で資産を最大化しつつ、必要に応じて定率売却するのが最も合理的かもしれないので、来年からはVTじゃなくてオルカンを買うかも。
・高配当株がいいというのは本当か?
そう考えれば高配当株というのも、特にいいものなんかじゃないのではと思えて来る。ぼくは配当金って企業がお小遣いのように企業の財布から出してくれているものかと思っていたが、実は論理的に考えて配当金100円くれた時にはその企業の株価は100円下がっているらしい。えぇ、それって自分が株を100円売ったのと同じだから、自分のお金が自分に勝手に返って来ているだけでは?!じゃあ何で高配当株をしている人々は、増配した時にあんなに喜ぶのだろう。100円の配当金が200円に増配したとしても、自分の株のお金から200円戻って来ることが決まっただけで、元々自分のお金なんだから何も得してることなんてないのに・・・。
ぼくはアメリカの高配当株としてSPYD,HDV,VYMなどのETFに投資しているが、高配当ではあるもののS&P500などと比べるとはるかにリターンが悪いことが気になっていた。高配当株は成長しないものなので今使える配当金がもらえればいいことは理解していたが、それならS&P500に連動したeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)などのめちゃくちゃ成長する投資信託に投資して、5%定率取り崩しした方が成長も取れるし、高配当にもできるし合理的ではと思ってしまった。時代によっては高配当ETFの方がS&P500にリターンが勝っていた時期もあるようだが、AI産業が過熱している今となっては見る影もない。アメリカの高配当株ETFを売却してインデックス投資に移行し、定期売却するかどうか検討してみてもいいかもしれない。
一方で自らひとつひとつ企業分析した財務優良な日本高配当株は、配当金だけではなく株価の成長として爆発的なリターンも叩き出しているのでやっていてよかったと感じる。特に2025年のようにアメリカの伸びがイマイチだった場合でも、日本の株価の伸びが凄まじかったおかげで無職旅人ながら資産形成が加速した印象だ。やっぱりひとつの国に集中させることなく、ある程度は分散させることが心安らかに長期投資するコツなのかもしれない。
インデックスの取り崩しという手法はどのタイミングで、どのような割合で売却するか自ら決定しなければならないという難しさがあるので、そのような観点から言えば自動で強制的に自分の資産を売却してくれる高配当株は魅力的なのかもしれない。確かにぼくも新NISA以外でも多くのインデックス投資信託を昔から持っているけれど、ほとんど売ったことがない。インデックス投資信託はなるべく売らずに長期投資して資産を最大化させないといけないと、お金の勉強をする過程で脳に刷り込まれてしまっているからだ。そんなぼくが新NISAでオルカンを買って定率売却するなんてもはや机上の空論であり、大人しくVTから配当金をもらう方が今の自分を幸せにするための正解という説もあるだろう。
これからもインデックス投資と高配当株投資の割合をどのように定めるか試行錯誤しながら進もうと思う。












