北極・線路

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いつしか夢の中で見た
青白い森を絵に描いた
いつかはまた行けるだろうか
もう二度と訪れないだろうか

夢の国への行き方を
ぼくたちは何ひとつ知らない
美しい水の泉や薄暗く青い木々たち
出会うための乗車券はない

通路が開くための時刻を
ただ静かに待つ他はない
足を進めても仕方がない
さがしてもさがしても甲斐がない

運命が訪れる季節を
ただ待ち望む他はない
この一生でまたつながるだろうか
あの森へと通じる線路に

北極へと向かう列車の中で
ふと目を醒ますと
窓の外に広がっていたのは
夢の中で見た青白い森だった

それは深い朝だった
朝ではない不思議な朝だった
光の届かない朝だった
夜の衣を脱ぎかけた朝だった

この世界にあったのですね
夢の中の美しい森は
この世界で出会えたのですね
ただの一瞬 北極の森で

この世とあの世はつながるのかもしれない
彼岸と此岸は巡り会うかもしれない
誰もが思いもよらなかった
見知らぬ国の列車の中で

ロシヤの青白い朝に導かれ
ぼくはまた世界の不思議を知る
オーロラよりも遠い国を見たんだ
ぼくの心はまた遠く旅立つ

 

 

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