まさかの岡本太郎!奥入瀬渓流ホテル「森の神話」と感動的だった「幸福りんごのミルフィーユ」

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優しい緑あふれる素敵な空間!

まさかの岡本太郎!奥入瀬渓流ホテル「森の神話」と感動的だった「幸福りんごのミルフィーユ」

・奥入瀬渓流ホテルで岡本太郎作品に出会う
・優しい緑が降り注ぐ奥入瀬渓流散策
・青森屋に泊まれば奥入瀬渓流の温泉にも入れる
・感動的だった「幸福りんごのミルフィーユ」

・奥入瀬渓流ホテルで岡本太郎作品に出会う

星野リゾートなのに安い!青森屋でねぷたと津軽三味線を堪能してさらに奥入瀬渓流まで無料で送ってくれた話

星野リゾート青森屋に宿泊した次の日、青森屋から奥入瀬渓流ホテルまでの無料バスに無事乗ることができた。公共の交通機関を使用したならば1000円以上かかるこの道を、無料で行けるというのは驚異的なサービスである。お得感が半端ない。しかも楽だし。しかしもっと驚異的な出来事が、奥入瀬渓流ホテルで待っていた。

 

奥入瀬渓流ホテルに到着し、中へ入ったとき、あまりの緑と光の美しさに息を飲んだ。入館と共に目の前に飛び込んで来たのは、奥入瀬渓流ホテルのラウンジ「森の神話」である。このラウンジの暖炉の上に設置されている、とても気になる鐘のような存在。なんだか岡本太郎が作ったみたいだなーと思っていたら、本当に岡本太郎の作品だったのだ!というかこの暖炉自体が岡本太郎の「森の神話」という作品らしい。

 

ぼくは岡本太郎が大好きなのだ。彼の言葉ひとつひとつに極めて深く共鳴・共感するし、彼の民俗学的に造詣が深い点も非常に興味深く参考になる。彼の本は何冊も読んでいるし、これからももっともっと読んで行きたい。北海道の旅に出かける前には、神奈川県の川崎の岡本太郎美術館へ行ってきたし、ちょっと前には東京の青山にあるもうひとつの岡本太郎の美術館にも足を運んだ。そんな岡本太郎との、思いがけない邂逅に胸が躍った。しかも青森県の山奥で!

 

 

・優しい緑が降り注ぐ奥入瀬渓流散策

 

「森の神話」は、あとでじっくり訪れることにして、肝心の奥入瀬渓流に向かった。奥入瀬渓流の道をすべて歩くのは、ゆっくり歩いて片道で4時間くらいかかるらしく、一日中奥入瀬渓流でのんびりする予定の人はよいと思うが、ぼくはその日のホテルを青森市で予約していたので、その日は奥入瀬渓流散策→奥入瀬渓流ホテルもゆっくり見たい→バスで青森市へという予定だった。

ものすごく急がなければならないというほどでもないが、4時間ゆっくり奥入瀬渓流だけ見られるほど余裕があるというわけでもない。しかし、奥入瀬渓流の道には公共のバスが走っているので、適当なところで降車してそこから奥入瀬渓流の終点まで歩き、そこからまたバスで奥入瀬渓流ホテルまで帰って来ることが可能なのだ。

 

 

ぼくはホテルの人と相談し、ほとんどの客におすすめしているという「阿修羅の流れ」という停留所でバスを降りるという計画にした。奥入瀬渓流ではこのように代表的な流れの随所随所で名前が付けられているようである。ここで降りれば2〜3時間くらいの散策になり、疲れすぎず短すぎずちょうどよい距離になるという。「阿修羅の流れ」でバスを降りたあと、トコトコトコトコと歩き出した。

この時点まで知らなかったのだが、この奥入瀬渓流の流れは十和田湖を源流としているようだった。ぼくは十和田湖と奥入瀬渓流がまったくの別物だと思っていたので、奥入瀬渓流に行けば、近くにある十和田湖にも行けるのかなーでもどれくらい近いのかイマイチよくわからないなーなどとぼんやり思っていたが、何のことはない、奥入瀬渓流の水は十和田湖から流れてきている水であり、奥入瀬渓流の流れをたどって上流へと歩いて行けば、十和田湖へとたどり着き、それこそが奥入瀬渓流散策のゴールとなるのだった。

ぼくは十和田湖へと向かって歩き出した。整備されていて、非常に歩きやすい道だ。険しい坂道もまったくないし、お年寄りでも普段問題なく歩ける人ならば、十分楽しめる道であるように思われる。

 

 

奥入瀬渓流の緑は美しい。光に照らされた淡い黄緑色が幻想的だ。北国の緑の色彩は、みんなこのように穏やかで心に平安をもたらすものであろうか。

ぼくと阿檀と琉球諸島と 〜辺境にこそ宿る中心〜

ぼくは10年住んだ沖縄のアダンの木の深緑の刺々しい葉を思い出していた。ともすれば人や動物の皮膚に傷をつけてしまいそうな、こちらが身構えてしまいそうな印象の葉っぱたち。自分自身を防衛するためなのだろうか、それが自分以外の何かを傷つける結果となってしまうのならば、そも存在は少しさみしい。そしてそれにしがみつく、重厚な甲羅を伴った怪しい青色を放つヤシガニの存在まで思い浮かべた。

同じ日本の中でも、緑の印象すらこれほどに異なるものだと感慨深かった。南国の葉や木々が、その深い色彩やその硬質な印象、鋭利な形状から人々に痛々しいイメージを与えるのに対して、北国の葉は丸みを帯びており、やわらかで優しい光を運んでくれる、癒しの空間を演出してくれる機能を持っている。訪れた人々も皆この緑と心地の良い水の流れに癒されいているようだった。

 

 

奥入瀬渓流の水は不思議だ。なんだか真っ白な色をしている。ぼくが山の中や森の中で見た水というのは、透明な清流が多かったのに、この森の水は白い。どうして白いのだろうか。おそらく流れの過程で泡が生まれているからだろうか。真っ白な水に、淡い黄緑の木々たちが、ちょうどよい色彩の服を着る人のようによく似合っていて、世界に馴染んでいる。

 

 

途中には雄大な滝や繊細な滝をいくつも見ることができ、人々はそれぞれで足を休め安らかに休息していた。道も穏やかで険しい道のりもなく、誰もが苦しい思いをせず、誰もが癒されていた。

 

ゴールの十和田湖へは、やはり3時間くらいで到着した。十和田湖は静かだった。しずかで、しずかで、真空のようだ。波打つこともなく、流れることもなく、時間が止まっているみただった。ぼくはまた、釧路湿原で感じた、動きのない水を前にした時の感情を湧き上がらせた。穏やかな水面に対しては、何を感じればいいのかわからないのだった。

 

 

・青森屋に泊まれば奥入瀬渓流の温泉にも入れる

バスに乗って、奥入瀬渓流ホテルまで戻った。確認すると、同系列の青森屋に泊まった客ならば、奥入瀬渓流ホテルの温泉にも入ってよいという。ここまで至れり尽くせりで、本当に青森屋に宿泊してよかったと心から思った。奥入瀬渓流ホテルの露天風呂は、奥入瀬渓流の水の流れを眺めながらゆっくりと入ることができる。身体はあたたまるのに、涼しい風が吹き抜けてゆくような心地のする誠によい温泉だった。温泉を出ると、脱衣所にはアイスキャンデーも常備されていて幸福だった。

 

・感動的だった「幸福りんごのミルフィーユ」

 

ラウンジの「森の神話」では「幸福りんごのミルフィーユ」をオーダーした。これは本当に心が幸福になるミルフィーユだった、そのままに!このようなミルフィーユの構造も初めて見るし、この外見だけにこだわっているわけではなくて、味も絶妙に幸福を感じられる味わいだ。しかも目の前には奥入瀬渓流のあまりに美しい緑たち!そして後ろには岡本太郎!岡本太郎の好きな、縄文の要素を存分に含んでいる作品に見とれた。青森と縄文、なんとなく直結するものを感じ取ることができる。

 

「森の神話」の椅子の柄もとても素敵だった。ぼくの好きな美しい幾何学模様。なにもかも幸福な気持ちに包まれて、宿泊先の青森市までのバスに乗り込んだ。

 

 

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