終の炎
最後には何もかも 受け入れるようにできているだなんて 悔しいじゃないかどうして 怒りのまま終わらないのか 死に至る病も 生まれながらに身についた呪いも 拒む力も消え失せて 飲み込まれて安らかな心になるという…
最後には何もかも 受け入れるようにできているだなんて 悔しいじゃないかどうして 怒りのまま終わらないのか 死に至る病も 生まれながらに身についた呪いも 拒む力も消え失せて 飲み込まれて安らかな心になるという…
この世にないから美しい光を ぼくたちは知っている この世にあるものを求めて どこまで彷徨い歩くのだろう いつも人は 知らず知らずのうちに旅立つ 知らされる合図は 見えない風の中にある ありえな…
いつしか夢の中で見た 青白い森を絵に描いた いつかはまた行けるだろうか もう二度と訪れないだろうか 夢の国への行き方を ぼくたちは何ひとつ知らない 美しい水の泉や薄暗く青い木々たち 出会うため…
ぼくの中の少年が呼ぶよ お母さんのところへ帰りたいと どうしてこんなに遠くの国まで 訪れてしまったのだろう 旅人の炎が燃え盛る どこまでも見知らぬものを追ってゆく ぼくの中の少年が泣き叫ぶ 本当は安らかな日々しか要らない…
旅がぼくを洗い流す 清らかな風で洗い流す これまで生きて来たこと これから生きていくこと すべてをなかったことにする 過去を省みること 未来を思い案じること 虚しい時間を荒野の中へ返す イマ旅をしていること…
与えられることだけが ぼくの生きてゆく習いだった 生かされたことだけが ぼくのたったひとつの償い どうかゆるしてください 与えうる何もないこと どうかわかってください 生かしうるすべもないこと 申し訳なさそ…
たくさんあるものの中から どうしてしてそれを選ぶのだろう 自分自身のことなのに なにひとつ説明できない たとえ巡り会っても交わし合う言葉もなく ただ通り過ぎるだけの人もいるね たとえ巡り合っても比べ合って …
旅人たちの間で 挨拶のように交わされる言葉 異国を旅する者ならば 必ず聞かれるこの言葉 ウェア・アー・ユー・フロム? ウェア・アー・ユー・フロム? わたしがどこから来たかというのは わたしがいちばん知りたい…
わたしがわたしでなかった頃を この鉄道は呼び醒ます あなたがあなたでなくなる日を 真空の胎内に宿してゆく 肉体が生まれたこと 精神が生まれたこと 心が生まれたこと どれを境いになにを帰す 心が滅びること 精…
よく見ると水は わたしが思っていたのと 違う方向へ 流れていました わたしは水の流れに逆らって 歩いていたはずだったのに ふと気がつけばわたしは 水と同じ方へ流れていました 逆行と思えば順行していたわたしは…