熊本の山奥に、町中に蒸気が立ち込めている秘境があってびっくり！
不思議な絶景の秘湯！町中に蒸気が立ち込める熊本の秘境で「岳の湯」に浸かる
・温泉と温泉は次々と繋がっていく
・地球のエネルギーをもろに感じる「岳の湯」の町並み
・格安の貸切露天風呂「桜の湯」
・町中が見下ろせる「桜の湯」は絶景の露天風呂
・温泉と温泉は次々と繋がっていく
日本の温泉の旅は面白い。温泉でまたいい温泉の話を聞いて、そこへ出向いてみる。秘湯でまた秘湯の情報を得てそのまま直行する。温泉は温泉へと繋がり、秘湯は秘湯を連続して呼ぶ。そんな出来事をこの九州一周の旅では幾度となく経験した。
大分県の湯布院の「下ん湯」という温泉では、別府の秘湯「鶴の湯」の情報を聞き、秘湯「鶴の湯」では別府の別の秘湯「へびん湯」の話を聞いてそのまま向かった。しかし「下ん湯」で聞いた秘湯の情報には支流があって、熊本の黒川温泉も有名だが、そのそばにある「岳の湯」と「はげの湯」が最高にいいということを教えてもらった。これは「鶴の湯」のことを教えてくれたおじちゃんから聞いた情報だから信頼できる。
「岳の湯」と「はげの湯」はどちらも熊本県の山奥にあり、そしてそのふたつはお互いに距離が近かった。どっちに行こうか迷っていたが、車を走らせているうちに「岳の湯」に到着してしまったので、「岳の湯」に呼ばれたものと思って「岳の湯」で入浴することにした。
・地球のエネルギーをもろに感じる「岳の湯」の町並み
「岳の湯」の町並みは、ぼくが今までに見たこともない不思議な景色だった。町中の至る所から温泉による蒸気が立ち込めてモクモクと天まで上っている。本当に町中のすべて、そばにある溝や、家の水道管や、小さな丘や、そのへんの地面から蒸気が上がっており、異様な光景だ。なんだかこんなに活発に地面が活動しているところでは不安定で人間が住めないのではないかと思わせるが、それでも熊本の山の中に小さな町が出来上がっているのがとても不思議だと思った。
歩いているだけでもムンムンと地面からの熱気を感じ、ぼくは生物だけじゃなくて地球も生きているのだと認めざるを得なくなった。ぼくたちが一生懸命にエネルギーを作り出し、熱を生産し、生命活動を営んでいるのと同様に、いつもお世話になっているこの地球も、とめどなく熱を発散させて活発に惑星としての活動を行っているのだと思うと、なんだか地球に親しみが湧いてきた。
・格安の貸切露天風呂「桜の湯」
地球のエネルギーをもろに感じながら、ぼくは「岳の湯」の中にある「桜の湯」という露天風呂に入ることにした。「桜の湯」はなんと50分貸切の露天風呂で値段は300円と格安！「白地商店」というところのおばちゃんにお金を払えば、「桜の湯」の鍵をもらうことができた。
「桜の湯」は小高い丘の上に位置し、眺めもよさそうだ。「桜の湯」へ上っていくまでも、たくさんの蒸気と熱にさらされながら先へと進んでいく。
・町中が見下ろせる「桜の湯」は絶景の露天風呂
「桜の湯」から見る眺めは最高だった。先ほどは同じ位置から横目に見ていた「岳の湯」の町中に立ち込める蒸気たちの絶景を、上から見下ろすことができる。なんだか人間の世界を作ってそれを雲の上から眺めている神様になったような気分だ。貸切の露天風呂も広かったし、誰もいないからのんびりゆっくりと温泉を楽しむことができた。地球の活発な躍動を全身に感じながら、なんだか地球のエネルギーを温泉という形で吸収できているような気分になった。
