アトスのパンには「XI」の文字が刻まれている!!!!!
パンに刻まれた「XI」の意味とは?ギリシャ正教の聖地アトスでパン=キリストの肉体だと生々しく実感した
・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ
・アトス最後の日!海から昇る朝日+Iviron修道院+アトス山の絶景が見られた
・香ばしい匂い!Iviron修道院では巨大で大量のパンを手作りしていた
・パンに刻まれた「XI」の意味とは?パンはキリストの肉体だとアトスで実感した
目次
・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ
2017年に偶然「孤高の祈り ギリシャ正教の聖山アトス」という写真集を見かけて衝撃を受けた。ギリシャ正教の辺境の聖地アトスでは何と1406年から今に至るまで女人禁制が貫かれており、一般的な世界とは隔絶された宗教世界の中で黒ずくめの衣装を纏った僧侶たちが自給自足の生活を営みながら祈りに専念しているのだそうだ。神秘的で美しく荘厳なアトスの写真の数々を目にしたぼくは、せっかく男性の肉体を持ちながらこの世に生まれ着いたことだし、世界一周の旅の中で絶対にギリシャのこのアトスへと立ち寄ろうと直感的に心に決めた。
・アトス最後の日!海から昇る朝日+Iviron修道院+アトス山の絶景が見られた
4泊5日のアトス巡礼の旅を終えて、ついにアトスを去る日がやってきた。この日はアトスの朝日を写真撮影しようということで、早朝のお祈りの後で日本人修道士のTさんとIviron修道院の丘の上まで登った。
真っ赤な丸い太陽がアトスの東の海の果てから昇り、海も空も茜色に燃え上がりまるで夕焼けを見ているようだった。
朝日に照らされた今日のアトス山には雲ひとつかからず「Iviron修道院+アトス山+朝日」の組み合わせも、この旅の中で心に深く刻みつけられた忘れられない絶景となった。
・香ばしい匂い!Iviron修道院では巨大で大量のパンを手作りしていた
美しい朝日の写真を撮った後、ぼくたちはIviron修道院で早朝から焼かれたパンを見に行った。パンを自ら修道院内で作っているなんて、自給自足の生活を営んでいるアトスらしい珍しい風景だと言えるだろう。パン工房には焼き立てのパンの香ばしい匂いが立ち込め、机の上にものすごく巨大なパンがいくつも並べられていて迫力があった!こんな大きくて大量のパン今までの人生で見たことない!
アトスの修道院の食事では必ずと言っていいほどパンが出てきたが、まさかこのようにひとつひとつ修道士によって丁寧に手作りされた心のこもったパンを食べているとは想像もしていなかった。普通にどこかで買ってきたパンを食べているのだろうと、ぼくは何の根拠もなく信じ込んでいたのだ。アトスの旅の最初にこのパン工房の風景を見たならば、食事の際にパンを食べる時の気持ちも随分変わっていただろう。
こんなに巨大なパンをこんなに大量に食べるのに一体何日かかるのだろう、きっと小さく切って数多くの修道士や巡礼者の食事に毎日並べられるからこそ消費できる大きさと量だろう、これをひとりで食べようと思ったらパン1個でも2週間はかかりそうだなどと考えていたら、思いがけない提案が飛び出した。なんとこのパンを焼いていた修道士が、今日帰るぼくにパンを1つお土産に持って帰れというのだった!えーものすごくありがたい!ありがたいけれどこんなに大きなパン、持って帰れるかなー。
同じように見えるパンにもいくつか味の種類があるらしく、黒胡麻か白胡麻か聞かれたのでぼくは白胡麻のパンをいただいた。持ってみると思っていたよりも遥かに大きい!そして思い!大きなパンってこんなに重たいのか!素敵なお土産をもらって感謝しているのと同時に少し困惑しているぼくを見て、日本人修道士のTさんはぼくに言った。「このパンは絶対に全部食べなきゃダメだよ!パンの表面にキリストのイニシャルが刻まれているからね!神聖なものだよ!」
・パンに刻まれた「XI」の意味とは?パンはキリストの肉体だとアトスで実感した
確かによく見るとぼくの巨大なパンの上に「XI」という文字が刻まれていた。古代ギリシア語でキリストは「Ίησοῦς Χριστός」。つまり「XI」はキリストの名前を示していたのだ。見渡してみると机の上のパン全てに「XI」という文字が刻まれている。パンの表面にキリストのイニシャルを刻み込むというその行為は、非常に宗教的だと異教徒のぼくには感じられた。なぜなら彼らは、パンはキリストの肉体だと信じているからだ。
「パンはキリストの肉体、ワインはキリストの血である。」そのようなことを本やインターネットからの“知識“では知っていても、実際にキリスト教徒がパン=キリストの肉体だと信じている風景を直接目の当たりにするという機会は滅多にないだろう。しかしパンを神聖なものだと捉え、自給自足でパンを手作りし続け、そして全てのパンの表面に「XI」というイニシャルを刻み付けているアトスの修道院の風景を目撃して、ぼくは初めてキリスト教の中ではパン=キリストの肉体なのだと深く生々しく実感させられたのだった。
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