世界中のどこでも見たことがない不思議な像がいっぱい!!!!!
イベリア半島独特の貴婦人像の数々!マドリード国立考古学博物館の見所を徹底解説してみた
・ミズイロノタビのイベリア半島の旅路
・マドリードの国立考古学博物館へ行こう
・マドリードの国立考古学博物館の入場料は格安
・マドリードの国立考古学博物館でイベリア半島とは何かを見出す
目次
- ・ミズイロノタビのイベリア半島の旅路
- ・マドリードの国立考古学博物館へ行こう
- ・マドリードの国立考古学博物館の入場料は格安
- ・マドリードの国立考古学博物館でイベリア半島とは何かを見出す
- ・マドリードの国立考古学博物館の見どころ一覧
- エルチェの貴婦人
- セロ・デ・ロス・サントスの貴婦人(捧げ物をする女性)
- バザの貴婦人
- ガレラの貴婦人
- イビサの貴婦人
- バラソーテの獣人
- ポソ・モロの霊廟
- オスナの雄牛
- イベリアイノシシ
- マガセラの石碑
- ポルクナの熊
- 西ゴート族の王レケスウィントの奉納冠(ガラサルの宝物)
- 2匹の鷲のブローチ
- サモーラの象牙箱
- メディナ・アザハラの雌鹿
- イブン・サイードの天文器具
- グラナダのアルハンブラ宮殿のために作られた大きな花瓶
- フェルナンドとサンチャの十字架像
- カスティーリャ王ペドロ1世の祈る像
- イベリア半島の原史を展示するホール
- ローマ時代の遺物のコレクション
- アル・アンダルスをテーマにしたエリア
- 中世キリスト教王国(8世紀から15世紀)をテーマにしたエリア
- エジプトとヌビアのコレクション
- ギリシャのコレクション
- ・イベリア半島(スペイン、ポルトガル)を巡る旅の記事一覧はこちら!
・ミズイロノタビのイベリア半島の旅路
ESTAキャンセル界隈のためアメリカで乗り継ぎできないぼくは、日本からメキシコの「死者の日」に参加するためにヨーロッパを経由することにした。具体的な旅路としては日本→スペインのマドリード→ポルトガルのリスボン→メキシコのカンクンだ。マドリードからリスボンまでは陸路で移動するため、結果的に中米を旅する前にイベリア半島の旅をすることになった。
マドリードからリスボンまでの旅路は日本にいる間に全て計画を立てて、ホテルも移動手段も全てオンライン予約してからヨーロッパへと旅立った。ぼくのイベリア半島の旅の計画は以下の通り。
| 訪問する街 | 次の街への移動手段 | 滞在した宿 |
| マドリード | Renfeの電車(47ユーロ) | LATROUPE Prado Hostel1泊(ドミトリー6人部屋、27ユーロ、翌日は電車移動なのでマドリード鉄道駅近く、Booking.com利用) |
| ロンダ | DAMASの長距離バス(16ユーロ) | Airbnbで民泊を予約、4泊、23548円 |
| マラガ | Alsaの長距離バス(10ユーロ) | Airbnbで民泊を予約、3泊、17105円 |
| セビリア | Flixbusの長距離バス(27ユーロ) | Toc Hostel Sevilla1泊(ドミトリー6人部屋、朝食付き、3061円、agoda利用) |
| リスボン | Living Lounge Hostel2泊(ドミトリー4人部屋、朝食付き、54ユーロ、Booking.com利用) |
・マドリードの国立考古学博物館へ行こう
マドリードは1泊しかしなかったので、足早に観光した。人生で2回目のマドリードだったが、前回訪れることがなかった場所と前回訪れて心に残った場所の両方に行くことができて、1泊だけでも充実した滞在になった。ぼくはマドリードの中心的鉄道駅であるアトーチャ駅近くのLATROUPE Prado Hostelに宿泊し、まずは徒歩で行ったことのない国立考古学博物館へと向かった。
・マドリードの国立考古学博物館の入場料は格安
マドリードの国立考古学博物館の入場料は3ユーロと格安だった。クレジットカード利用可能だったので海外事務手数料を支払わなくていいRevolutで支払った。かなりゆっくり見て内部の所要時間は3時間半くらいだった。
・マドリードの国立考古学博物館でイベリア半島とは何かを見出す
マドリードの国立考古学博物館には様々な時代、様々な地域の展示があって非常に見応えがあった。中にはギリシャ的なもの、エジプト的なもの、ローマ的なものも多かったが、ぼくの感想としてはギリシャ的なものはギリシャの考古学博物館で見た方が、エジプト的なものはエジプトの考古学博物館で見た方が当然素晴らしいものが多く、逆にここでしか見られないものは何なのかということに焦点を当てながら博物館内を巡った。
結果としてはイベリア半島の先史時代の像や彫刻をまとめた一室が、世界中でもここでしか見られないような独特な展示で溢れていて、まさにこの一室こそが「イベリア半島とは何か?」という問いに濃厚に答えてくれているような気がした。現存するイベリア彫刻作品のほぼ全てはギリシャ、フェニキア、アッシリア、ヒッタイト、エジプトの影響を顕著に受けており、影響を受けながらもそれぞれ独自の特徴を有している。今回の記事ではこの一室を中心としてマドリードの国立考古学博物館の見どころを紹介していこうと思う。
・マドリードの国立考古学博物館の見どころ一覧
エルチェの貴婦人
スペインのエルチェ近郊の古代遺跡「ラ・アルクディア」から1897年に偶然発見された石灰岩製の胸像。紀元前4世紀のイベリアの工芸品であり、強いヘレニズムの影響を示唆している。この胸像は元々彩色されており、精巧な頭飾りと顔の両側に大きな車輪のようなコイル(ロデテスと呼ばれる)をつけた女性を描いている。彫刻の後ろの開口部から、埋葬用の壷として使用されていた可能性があるという。
セロ・デ・ロス・サントスの貴婦人(捧げ物をする女性)
紀元前2世紀のイベリア彫刻で、イベリア人の宗教儀式における貴族女性の役割を示している。高い社会階級に属していることを示す豪華な衣装を身に纏っていることが特徴的だ。彼女は3枚のチュニックを重ねて着飾っており、3本のネックレス(2本は編み込み、1本はロープ状)、5本の指輪、頭に波線と植物の模様で飾られた王冠を被っている。王冠からは花の形をしたブローチと小花が垂れ下がり、さらにそこから装飾の凝ったイヤリングがいくつか垂れ下がっている。
バザの貴婦人
バサの貴婦人は紀元前4世紀にバステタニ族(古代イベリア人)によって作られたイベリア彫刻で、漆喰仕上げの表面に細部まで彩色された痕跡が残る石灰岩の女性像だ。グラナダ県のバサという場所の墓地で発見された。貴婦人の像は肘掛け椅子に座っており、側面の空きスペースには火葬の灰が置かれていたと考えられている。さらに像は骨壺としての機能を持ち、座っている椅子の下の空洞部分には遺骨(焼骨)が納められていた。
ガレラの貴婦人
ガレラの貴婦人は紀元前7世紀に作られたアラバスター製の女性像で、近東の女神アスタルトを表していると考えられている。彼女は2体のスフィンクスの間に座り、胸の2つの穴から流れ出る液体を汲むボウルを持っている。髪型と衣装にはエジプトの影響が見られるが、その頑丈な姿はメソポタミアの彫像にも似ている。彼女は聖なる物として数世代にわたって大切にされ、その後副葬品として埋葬された可能性もある。フェニキアで作られたものと推測される。
イビサの貴婦人
イビサの貴婦人は紀元前3世紀 、バレアレス諸島がカルタゴ人によって占領されていた時代に作られた高さ47cmの土偶。イビサ島の墓地で発見された。鋳型を用いて作られ、背面に空洞がある。これは発見された他の「貴婦人」像と共通する特徴で聖遺物、供物、または葬儀の灰を入れるために使われたと推測されている。
バラソーテの獣人
スペイン中部のアルバセテ県バラソーテ地区で発見されたイベリア彫刻。紀元前6世紀の作品で、2枚の石灰岩から作られている。人間と雄牛がキメラのように融合した姿で頭部は雄牛の耳を持つ、角と髭を生やした男性の姿をしている。形状的に墓か寺院に属していた可能性、ギリシャ人が畑を肥沃にする川の神を表すために用いた人頭の雄牛像のように、豊穣の神(アケオーロス)を表していた可能性も考えられる。「この彫刻はギリシャ人の娘であり、フェニキア人の孫娘、メソポタミアの曾孫娘と言えるでしょう(=ギリシャ的であり、さらにもっと古い東方文化も受け継いでいる)」と言及されている。
ポソ・モロの霊廟
ポソ・モロの霊廟は紀元前6世紀末のイベリア人の霊廟であり、1970年にアルバセテ県で行われた発掘調査で発見された。紀元前500年頃にイベリア王によって建造されたこの霊廟は、イベリア半島で知られる最古の墓碑である。霊廟の四隅には4体の石のライオンが立っていて、壁は神々を描いたレリーフで飾られていた。これらの彫刻はイベリア美術の東洋化期に属し、ヒッタイト美術とシリア美術など地中海東方文化の影響を強く受けている。
オスナの雄牛
オスナの雄牛は、紀元前5世紀末に制作された高さ82cmの石灰岩製のイベリア彫刻。セビリアの古代イベリア都市オスナの遺跡で発見された。葬儀の記念碑として制作され、何らかの護身機能があったと考えられる。
イベリアイノシシ
マガセラの石碑
マガセラの石碑はイベリア半島南西部で発見された粘板岩製の石碑で、紀元前1100~800年頃の青銅器時代後期のもの。左の石碑の彫刻面には男性の戦士または族長(特大の角が付いた兜をかぶっている)を描いた図式的な人物像、刃物、槍、そして手鏡と推定される物体が描かれている。これらの物体は下を向いており、この遺物が葬祭用であることを裏付けている。下には丸い盾が彫刻されている。
ポルクナの熊
ポルクナの熊は紀元前1世紀に作られた彫刻で、ヘルマに寄りかかる熊または雌ライオンが表現されている。構図にヘルマが存在することは、ローマ時代の年代を強く示唆している。ギリシャを旅している中でもよく見かけた直方体の胴体に顔と男根だけが付いているヘルマが、ここでは踏み付けにされていたのが印象的だ。国立考古学博物館のヘルマはなぜかどれも顔だけで、男根が残っているものはなさそうだった。
西ゴート族の王レケスウィントの奉納冠(ガラサルの宝物)
「ガラサルの宝物」は7世紀の西ゴート王国時代の貴重な金工品の宝庫で、スペインにおける初期中世の考古学・美術史を代表する発見のひとつ。西ゴート族の王がカトリック教会に信仰の正統性と教会階層への服従の印として捧げた、26個の奉納冠と金の十字架から成る。その中で最も価値のあるのは、スリランカ産のブルーサファイアとペンディリアがちりばめられたレケスウィント王の奉納冠である。
2匹の鷲のブローチ

西ゴート時代に人気だった2匹の鷲のブローチ。6世紀頃の金・真鍮製の鷲型のブローチがスペイン各地の墓から出土している。鷲は力・高貴さ・権威・最高存在を象徴する動物として、ゲルマン系を含む古代・中世世界で広く使われており、西ゴートでもこの伝統的な象徴性が利用されていたと考えられる。
サモーラの象牙箱

10世紀のイスラム支配時代(カリフ国コルドバ)に、カリフ アル=ハカム2世が愛妾であり後継者の母でもあるスブフのために注文した円筒形の象牙彫刻箱。主にアラベスク、孔雀、ガゼル、鳥の装飾が施されており、当時のイスラム文化の技術力と美意識の高さを示す代表例とされている。日常的な道具ではなく、王侯貴族やカリフ(イスラム君主)の宮廷で用いられる贅沢品として作られたもの。
メディナ・アザハラの雌鹿
メディナ・アサハラの雌鹿は、10世紀にイベリア半島のコルドバ王国で作られたとされる小さな青銅製の彫刻。メディナ・アザハラ(Madinat al-Zahra) は現在のスペイン南部、コルドバ近郊にあった10世紀の宮殿都市遺跡のこと。元々は 宮殿内の噴水の口として使われ、水が雌鹿の口から流れ出る仕組みで設計されていたと考られている。
イブン・サイードの天文器具
イブラヒム・イブン・サイード・アル・サーリーは、1050年から1090年まで活動したアンダルシアの地球儀製作者。この天文器具は星や太陽の位置を測る、方位・時刻・季節の判定、暦や緯度の計算といった用途に使われ、天文学・航海術・時間計測など多様な場面で重宝された。当時の科学技術の高さ、中世ヨーロッパとイスラム世界の知識交流、天文学発展の歴史を知る上で重要な科学器具となっている。
グラナダのアルハンブラ宮殿のために作られた大きな花瓶
フェルナンドとサンチャの十字架像
フェルナンドとサンチャの十字架像は、1063年頃の象牙彫刻。スペインでキリストの体を描いた十字架像としては、知られている限りでは最古である。十字架の表面には、植物や動物、そして天国へ昇る人間と地獄へ降りる人間が織り交ぜられた絵が描かれている。十字架の上には「IHSNAZA RENUSREX IUDEORU(=ナザレのイエス、ユダヤ人の王)」と刻まれており、四福音書によれば十字架にかけられた銘文である。象牙の碑文の上には、復活したキリストが十字架を背負っている姿が描かれている。
カスティーリャ王ペドロ1世の祈る像

カスティーリャ王ペドロ1世の祈る像は15世紀、おそらく1446年頃に作られたアラバスター製の彫刻。批判者からは「残酷」、支持者からは「正義」と呼ばれたカスティーリャ王ペドロ1世(在位1350-1369年)の祈りの姿勢を表している。
イベリア半島の原史を展示するホール
イベリア半島の原史を展示するホールには、貴婦人像の他にも有名ではなくても不思議で特徴的な像が沢山あってとても心に残った。特にトンガリ頭をした像がいくつもあったのが印象的だったが、これがモロッコのおじさん達が着ているジュラバという民族服のように見えて興味深かった。以前スペインからジブラルタル海峡を渡ってモロッコまで渡ったことがあったが、地理的にも近いのでやっぱりどこかで文化や感性が今でも繋がっているのかなと感じたりした。
ローマ時代の遺物のコレクション
アル・アンダルスをテーマにしたエリア
アル・アンダルスは、イベリア半島のイスラム教徒支配地域で。この名称は711年から1492年までの様々な時期にこれらの地域を支配した様々なイスラム教徒の国家を指す。サモーラの象牙箱、メディナ・アザハラの雌鹿、イブン・サイードの天文器具、アルハンブラの大きな花瓶もこのエリアに展示されている。
中世キリスト教王国(8世紀から15世紀)をテーマにしたエリア
フェルナンドとサンチャの十字架像とカスティーリャ王ペドロ1世の祈る像はここに展示されている。
エジプトとヌビアのコレクション
ギリシャのコレクション
・イベリア半島(スペイン、ポルトガル)を巡る旅の記事一覧はこちら!






















