医師国家試験合格はサハラ砂漠で!アルケミストの旅は人生をドラマチックに彩ってくれた

 

運命はぼくをオレンジ色のサハラ砂漠まで運んできた。

医師国家試験合格はサハラ砂漠で!アルケミストの旅は人生をドラマチックに彩ってくれた

・「アルケミスト」の冒険への憧れ
・「アルケミスト」の冒険の決断
・スペインから船で人生初のアフリカ大陸モロッコへ!
・モロッコのメルズーガはサハラ砂漠の町
・サハラ砂漠の絶景と医師国家試験合格発表
・旅の炎に導かれた魂にはかけがえのない物語が与えられる

・「アルケミスト」の冒険への憧れ

ぼくが人生で最も感動した本はパウロ・コエーリョの「アルケミスト」だ。南スペインからアフリカ大陸に渡ってエジプトへ旅をしていく少年の物語だが、その旅の中で少年は神秘的な世界の秘密を享受していく。ぼくはこんな風に、南スペインアンダルシアから船でジブラルタル海峡を渡ってアフリカ大陸に横断するような冒険をいつかしたいと強く思っていた。

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・「アルケミスト」の冒険の決断

そのような機会は待っていても訪れないので自分で決断した。医師国家試験を受験し終えて合格発表まで、なんと1ヶ月以上の期間があった。これから先の医者としての忙しい人生の中で、これほど長い休みはもはや訪れないかもしれないと思い、この長期の休みの間にアルケミストの旅を計画し実行した。

具体的には日本からバルセロナに渡り、南スペインアンダルシア地方へと南下、グラナダでアルハンブラ宮殿を見たあとは、スペインのほぼ最南端アルヘシラスへと移動し、そこから船でジブラルタル海峡を渡る。渡った先はもうアフリカ大陸だ!モロッコのタンジェに到着した後は、有名な観光地であるフェズやマラケシュを巡り、アトラス山脈を越えてサハラ砂漠の見えるメルズーガへ!サハラ砂漠の旅を堪能した後は、マラケシュから飛行機で南スペインアンダルシア地方のセビリヤへと飛び、アンダルシアのセビリヤ、コルドバを観光した後はマドリードへと移動し、そこから日本に帰るという旅だった。

問題はこの長い旅の途中に医師国家試験の合格発表日が来てしまうと予想されたことだった。しかし合格発表なんてインターネット上で行われるのだから世界中どこでも見られるので問題はない。日本で親と一緒に合格発表を見たほうがいいかなとふと思ったし、親も合格発表の日に日本にいないなんてと怒っていたが、そのような根拠のないしがらみで自らの旅の炎を妨げることの方がむしろ罪だと感じたので、ぼくは旅の炎と直管に素直に従うことにした。アルケミストとはそういうお話なのだ。

旅人の炎

 

・スペインから船で人生初のアフリカ大陸モロッコへ!

 

スペインとかバルセロナって、なんとなくスリなどの犯罪が多いようなイメージがして不安だったが、実際に来てみるときちんと注意さえしていれば何の問題もなく美しい旅は通り過ぎていった。典型的なガウディ建築のバルセロナ観光も感動的なものばかりだったし、イスラム建築の幾何学模様が大好きなぼくにとってアルハンブラ宮殿は心の底から美しいと感じられた。またアルハンブラ宮殿のあるグラナダは清らかな水が至るところに流れる清涼感あふれる街だった。それでいてエキゾチックな雰囲気のある不思議な店も立ち並び、だんだんとアフリカ世界へと近づいていることを予感させる。グラナダはたとえアルハンブラ宮殿がなかったとしても、ぼくにとってかなり魅力的な街に映った。紀伊山脈に生まれたぼくは清らかな水のある場所が大好きなので、予定を変更してグラナダに2泊してしまったほどだ。

 

グラナダから静かな港町アルヘシラスに鉄道で移動し、1泊だけした後はついにジブラルタル海峡を渡ってアフリカ大陸に人生初上陸だ!船に乗っていた時間は約1時間ほどで、こんなに距離が近いのに大陸がヨーロッパからアフリカに変わっただけでそんなに雰囲気は変わるのだろうかと疑わしく思っていたが、ヨーロッパとアフリカ、スペインとモロッコは、狭い海峡を越えただけでも全然異なる異国の様相だった!モロッコの方が格段に、人々が野性的でパワフルだったのだ!さらに街並みもイスラム的で全く異なり、日本人からするとまさに”異国情緒”にあふれていた。

 

 

・モロッコのメルズーガはサハラ砂漠の町

スペインからモロッコへと旅し、その後またスペインへと戻っていくこの旅の折り返し地点は、モロッコのサハラ砂漠の町メルズーガだった。ぼくがマラケシュからバスに乗ってアトラス山脈を越えてメルズーガの町に着いたのは夜中だった。夜だったので全くサハラ砂漠は見えない。明日にならないと見ることはできないようだ。宿には他に日本人が2人もいたので、宿のおじさんが夜のサハラ砂漠にみんなを連れていってくれて焚き火をしたり星を眺めたりして最初の夜を楽しんだ。サハラ砂漠で見た星空はまるで宇宙みたいで感動的だった。夜空にはこんなにもたくさん流れ星が流れていたのかと不思議に感じてしまうほどに、サハラ砂漠の空にはいくつもの流星が流れては消えていった。なんだか宇宙の中に浮いているような気分になった。

ぼくは日程のことなど気にせずただ本能と直感の赴くままにこの旅を進めてきたが、予期せず医師国家試験合格発表の日はこのメルズーガで迎えることになった。このサハラ砂漠自体は全然見えないがサハラ砂漠で満天の星空を見た次の日が、まさに合格発表日だったのだ。

 

 

・サハラ砂漠の絶景と医師国家試験合格発表

 

次の日の朝、ぼくは医師国家試験合格発表よりもサハラ砂漠の方が見たかったので起き出して宿の屋上へとのぼった。夜にはまったく見えなかった、どこまでも広がるオレンジ色の砂山が目の前に!これがサハラ砂漠の町、メルズーガか!!!まるで別の惑星に来てしまったかのような、違う世界に迷い込んでしまったかのような、不思議で神秘的で衝撃的な風景!その絶景にしばし打ちのめされていると、ぼくには確認すべき合格発表があることにやっと気がついた。

結果は合格!自己採点して大丈夫だろうと思っていたが、やっぱり確認するときには緊張する。見守っていてくれた雄大なサハラ砂漠に感謝を告げて、親と先生にサハラ砂漠から電話をかけた。電話代が高くつくはずだからと、あまり長電話はできなかった。

 

 

・旅の炎に導かれた魂にはかけがえのない物語が与えられる

しかし日本の医学部で6年間学んできてその集大成と言われる医師国家試験の合格発表の合否結果をまさかサハラ砂漠で受け取るなんて、誰が予想しただろうか。まるで誰かによって書かれた物語の一部を読んでいるようだと感じられた。別に素敵な物語のような人生であろうと、ただの日常的な彩りのない人生だろうと、関係なく人生は淡々と否応なしに進められる。しかしどうせ送るのならば物語のように起承転結があって喜怒哀楽が激しく感動的な人生の方が生きがいがあるに違いない。けれど自分自身の人生を自分でコントロールできる人などいない。どんなにお金があっても、どんなに地位や権力があっても、人間は所詮海の水の上に浮かぶ木の葉のように、水の流れや風の色に支配されてあてもなく彷徨うしかないのだ。

ぼくの医師国家試験合格の出来事がサハラ砂漠で起こり、まるで物語の中の世界のようだったのも単なる偶然だ。アルケミストの旅をすると決意したのは自分だが、旅の途中で合格発表の日を意識したことなんてなかったし、たまたま野生的な直感に従って旅をしていたらこのような物語がもたらされただけのことだった。もっといえば旅立ちを決めたのだって、自分自身の意思ではなく旅の炎にそそのかされたというだけに過ぎない。

自分の人生は自分の選択の最終的な結果だと見なす人もいる。また全てが偶然でたまたまそうなったのだと考える人もいる。全ては運命であらかじめ決まっていたのだと占う人もいる。どれが本当なのか愚かなぼくたちには知る由もないが、自分の人生なのに思い通りにはならず、自分以外の何者かによって書かれた物語なのではないかと感じられるのはおもしろいものだ。一体誰がぼくたちの命の物語を書くのだろう。一体何がその物語の行方を決めるのだろう。

どうせ生きるのならば素敵でドラマチックな出来事がたくさん起こる物語のような人生の方がいい。しかし自分の物語を自分ですべて書ける人などない。たとえ1ページでも、自分の思い通りにすることは難しい。ぼくたちはただ与えられた物語の行く末を、時に静かに時に緊張しながら見守る読者だ。自分の人生なのにその物語の作者も知らされないとは、なんて厚い目隠しをされた人生だろう。

その後医者として3年働いて世界へと旅立つことを決めたぼくが言えるのは、あらゆるおそれを手放して世界へと飛翔し、自らの旅の炎/自らの野生/自らの直感に従って旅立った者には、自分の人生の物語を支配する力を手に入れることはできなくても、自分の物語を編んでいる作者の手と呼応・共鳴し、やがてはその旅立ちの先でかけがえのない素敵な人生の物語が確かに与えられるということだ。

 

 

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