天井のない美術館!ブリュッセルからブルージュまで往復11€の日帰り小旅行

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アントワープに続き、翌日には水辺の街・ブルージュまでの小旅行を試みた。

天井のない美術館!ブリュッセルからブルージュまで往復11€の日帰り小旅行

・ブルージュまではバスで往復11ユーロ!
・ブルージュは「天井のない美術館」
・拭い去れない違和感
・元気すぎるブルージュの馬車馬
・人生でいちばん美味しかったTHAI ZENのタイカレー
・チョコレートとキャンディ
・ブルージュの街を全力疾走
・ブルージュ写真集

・ブルージュまではバスで往復11ユーロ!

ブリュッセルからブルージュまでのお得な行き方は、例によってGoEuroのサイトで調べ上げた。電車だと往復で最低32ユーロ、バスだと往復で最低10ユーロで圧倒的にバスがお得という結果となった。しかし電車だと1時間で着くのに対し、バスでは2時間ほどかかるので、早さを取るか安さを取るかの選択になるだろう。さらに電車だと頻繁に便が出ているのに対し、バスはそんなに便がないのでちょっと不便な時間帯になってしまうのもデメリットだ。

ぼくはもちろん安さを取ってバスで行くことにした。最低10ユーロだったが、時間帯の関係で行きが5ユーロ帰りが6ユーロで往復11ユーロとなった。しかしこれでも十分安い。先ほども申し上げたが、変な時間帯にしかバスがなく、なんと早朝の5時45分発帰りは15時5分発のバスに乗ることになった。こちらはアントワープの時と違って、バスに乗るためには変な時間帯に乗ることを覚悟しなければならない。ぼくの中ではちょっと無理して早起きをすれば半額以下で行かれるのであれば、当然安価なバスの選択肢を取った形である。

ネロとパトラッシュに会いに!ブリュッセルからアントワープまで往復10€の日帰り小旅行

4時45分に起きて朝食を食べ、Flixbusのブリュッセルのバスステーションまで30分ほど歩く。朝からちょっとした運動だ。ブリュッセルからブルージュまではバスで2時間の道のりなので、バスの中で寝ようと考えていた。この日は小雨が降っており、傘をさすほどでもなかったのだがカメラが濡れないか気がかりだった。バスは時間通りの出発し、時間通りにブルージュに到着する。

ブルージュに到着しても、まだ周囲は青く暗かった。人通りもほとんどないが、ぼくはブルージュの旧市街へと向かった。

 

 

・ブルージュは「天井のない美術館」

ブルージュは「天井のない美術館」とも呼ばれている街らしい。13〜14世紀ごろハンザ同盟の主要都市として栄えたが、運河の沈泥のため船の出入りができなくなり、発展が止まってしまった。そのため中世の街並みがほぼ完全に保存されているため、中世のまま時の止まった「天井のない美術館」と呼ばれているらしい。

誰もいないブルージュの旧市街を歩いていると、本当に中世ヨーロッパの街並みに迷い込んだのかと思うほどだった。辺り一帯は暗く、街並みが青い闇に沈んでいるのも深い趣きがある。街の中心へ行くためのはいくつかの運河の上を渡り、上記のような歴史の流れがしのばれる。

しかし早朝すぎて教会もなにもかも閉まっている状態なのであまりやることが見つからない。晴れていればそこらへんで椅子にでも座ってのんびりするところだが、小雨が降っており若干肌寒い。ブダペストなどでも思ったことだが、水辺の街というものは得てして寒いものだ。おそらく水と陸の温度差の関係で気流が乱れて風が起きやすくなっているのではないだろうか。この水辺の街ブルージュも、ブリュッセルに比べて風とそれに伴う寒冷を感じていた。

ぼくは身体を温めるために、朝早くからやっているパン屋さんへ入り時間を潰した。美味しいエクレアと紅茶をいただいて、街がだんだんと明るくなってきたところで観光を開始した。

 

・拭い去れない違和感

ブルージュは中世の街並みというからには田舎の村みたいな場所なのかと思っていたが、実際はチェーン店なども立ち並ぶ結構発達した街だった。もちろんブリュッセルやアントワープほど大きくはないが、フランスのアルザスの村々のように完全にのどかな田舎でもない、ちょうど中間という雰囲気だった。アルザスの主要都市コルマールよりも大きかったように思われる。

コルマール〜フランスアルザス地方の美しき村の巡り

なんだかガイドブックやインターネットの写真を見ていても、いかにも中世らしい場所ばかりを載せているのですごく静かでのどかな田舎町を想像してしまいそうになるが、実際には中心部は人が混み合っているような中くらいの都会をイメージすればいいかもしれない。ぼくの中でもガイドブックと実際の街の様子にかなりのギャップがあったので、ここに記載した次第である。本当に中世の不思議な雰囲気に浸りたければ、ぼくのように早朝に訪れることをおすすめする。早朝ならば人もまばらで、中世のヨーロッパの街に迷い込んだような気分を味わえる。

とは言うものの中心部から外れるとそれなりに中世の情緒を味わうことは可能である。ぼくもその中で教会を見て回ったり、マルクト広場や市庁舎、鐘楼を見ながらそれなりに観光して過ごした。しかし混雑した人々を眺めながら、なんだか思っていたのと少し違うなぁという違和感を拭い去ることができずにいた。マルクト広場も壮麗な眺めであることはあるのだが、広場のど真ん中に白い大きなBARのテントが建てられており、美しく広場の写真を撮影したい人々を妨げていた。

このまま違和感を持ったままブルージュの観光が終わりそうだなぁ、まぁ長い旅の中ではひとつくらいそんな街もあることだろうと半ば諦めていたが、実際にはそうはならなかった。

 

・元気すぎるブルージュの馬車馬

まずこの街で面白かったのは馬である。「天井のない美術館」という中世のブルージュの街並みに似つかわしく、街中にはたくさんの馬車が走っており観光客を運んでいるのだが、この馬車の馬がブルージュはやたらと元気なのだ!

普通馬車の馬と言えば、なんだかやる気なく仕方なさ気に人間たちを運んでいることが多い。そんなに覇気もなく、ただ労働をこなす人間のように淡々と乗客の人間を運送して行くのが馬車馬の通常である。ぼくはこれまでの旅の中で、そのような仕方なく労働している馬を数多く見てきた。ウィーンでも、クラクフでも、サンモリッツでも、馬車の馬はだいたい大人しく静かに仕事をこなしていた。

しかしこのブルージュの馬だけは全然違ったのだ!何がなんだかわからないがやたらとパワフルに荒れ狂い、全身を躍動させながら馬車を行進させていく。もしかしたらこんな仕事やってられるかよ畜生がという半ばヤケクソな気持ちなのかもしれないが、それでもなんだかいつも見るのと違う元気のいい躍動感のある馬を見ていると、面白可笑しくて笑ってしまう。

中世の石畳に響く蹄の足音も、他の街と違って生命力とヤケクソ感に満ち溢れている。しかもそれが1匹や2匹ではなくすれ違うすべての馬が、顔を縦に横にグリングリンと振り回しながら鼻息荒く走っていくのだ。その様子は、ひょうきんであると同時に迫力さえ感じさせるものである。ぼくはこんなにパワフルに荒れ狂う馬を見られて、なんだか心が元気になった思いだった。

 

・人生でいちばん美味しかったTHAI ZENのタイカレー

次に感動的だった思い出は昼食である。ブルージュの街は観光地だからレストランはどこもメインが20ユーロ以上と高めに設定されており、入りたい店もないまま空腹の思いを噛み締め街を歩き回っていた。

ふと通りすがりに見るとよさそうなタイ料理屋さんが!メニューはここも10代後半と高めではあるが、なんとランチメニューにカレーがあり、それが10ユーロだという!ぼくは即座に入店し座席についた。タイ人の店員のおばちゃんも親切で対応も丁寧であり非常に心地よかった。ランチはレッドカレーとイエローカレーとグリーンカレーから選ぶことができ、また中の具もチキンや豚肉など数種類から選ぶことができ、ぼくはイエローカレーの鶏肉入りを選択した。店の雰囲気もよかったので烏龍茶もついでに注文し、料理が提供されるのを待っていた。

しかしこう言ってはあれだがぼくはあまりタイカレーに期待していなかった。ただ安いからこれで済ませられればラッキーだなぁという軽い気持ちがあっただけだった。本当に美味しいタイカレーというものは、探し出すのがなかなか難しいと思うのはぼくだけだろうか。

タイ国内でさえ、美味しいタイカレーに巡りあえることは稀であるとぼくは感じる。大抵ちょっと辛かったり、ココナッツミルクの分量が多くてミルキーすぎたり、少なすぎて味の情緒がなかったり、具が乏しかったり、または白米が変なにおいがしたりパサパサしたりまずかったりして、本当に美味しいタイカレーに当たることはかなり難しい。日本で食べたら食べたで、タイで食べたら200円くらいで食べられるのになぁという思いを噛み締めながら1000円のカレーランチを食べたりして、そして味はまぁ普通だったなぁと感じて終わったりするのだ。

しかしここのタイカレーは違った!本当に本当に美味しかった!!!もしかしたら今までで一番美味しかったかも。人生で最も美味しいタイカレーに、タイではなくベルギーで巡り合うとはなんと数奇な運命だろうか!味付けやココナッツミルクの分量も完璧だと思えるし、鶏肉もケチケチしないでふんだんに入っている。野菜も人参や玉ねぎがたくさん入っており、細かいことだが切り方も丁寧でいいなぁと感動してしまった。一番上に乗っているガーリックの揚げたのも東南アジア料理らしくて香ばしく美味しい。そして白米も完璧に美味しかった。タイ米であることは間違いないのだが、日本のお米と言われても違和感がないくらいふっくらとした仕上がりである。ぼくはこのタイカレーを残さず全部平らげてしまった。

そしてさらについでに注文した烏龍茶もすごく美味しかった。あの烏龍茶の種類の名称を忘れてしまったことを今痛烈に後悔している。なんだか今までに飲んだこともないような、ほんのりと甘い中国茶で本当に味わい深かった。最高に美味しいタイカレーと烏龍茶に巡り会えて、ぼくはブルージュに来られてよかったなぁと心から思った。

ブルージュを訪れた際にはTHAI ZENというタイ料理屋さんのお店に是非行ってみてください!

 

・チョコレートとキャンディ

ここからもブルージュで楽しい思い出は続いた。THAI ZENのある通りにはたくさんのお土産物屋さんが立ち並んでおり、その中には当然チョコレート屋さんも数多くあった。ベルギーにはチョコレート屋さんがありすぎて、結局どこで買ったらいいのかまったくわからず、もしくはチョコレートに違いなんてなさそうだしどこでもいいんじゃないかと思っていた矢先に、ブルージュのチョコレート屋さんでこんな張り紙を見つけた。

「当店はNHKテレビ“ヨーロッパの生活”という番組に紹介されました」

結局日本人のぼくはこの張り紙につられて、ベルギーではこのチョコレート屋さんSukerbuycでチョコレートを買うことにした。NHKで紹介されたのだから美味しいだろうという、非常に前近代的な発想だが、別にそんなにチョコレートにこだわりはないのでいいだろう。しかもここのチョコレートは100g=6ユーロほどで非常に手頃な価格だったのも、購入を決めたきっかけになった。さっき食べてみたら味も美味しかったよ!

その近くにはConfiserie Zuccheroという手作りの飴屋さんがあった。ここでは実際に店内で飴を作っている様子を見学することができて面白かった。カラフルな飴が並んでいて見ているだけで楽しく、ぼくもひとつ買ってみたがとても美味しくてすぐになくなってしまった。あと3つくらい買っておけばよかったなぁと後悔している。

こんな感じで楽しい時間をブルージュで過ごすことができ、ぼくは15時のバスに間に合うように30分前にはバスステーションに到着した。

 

 

・ブルージュの街を全力疾走

しかしここからが地獄だったのだ!ぼくは朝降りたバス停に、帰りのバスも当然来るだろうと思って待っていたのだが、なんと確認してみると、朝降ろされたバスステーションと夕方乗るバスステーションは全く異なっていたのだ!これに気づいたのがバス出発時刻の8分前!

間違ったバスステーションと本当のバスステーションはかなり距離が離れていたのだが、この8分間でぼくができることは全力疾走することだけだと、本当に我を忘れて本当のバスステーションまで走った。こんなに本気で走ったのはこの旅で初めてである。もはやブルージュの馬が元気よく走っていたと笑っていられる状態ではなくなった。馬ではなく人間のぼくが、ブルージュの街の中を馬よりも必死に駆け抜ける姿は失笑物であったに違いない。おかげで間に合ったからよかったものの、忘れられない必死の思い出となった。

本当に注意点なのですが、アントワープではバスステーションが降りたところと乗るところが同じだったので、どこでもそんなもんだろうと思ってブルージュでも構えていたら完全に間違えて大変な目に遭いました!!!チケットにちゃんと場所と地図は書かれているので、大丈夫と思わずに、絶対に場所を確認しておいた方がいいと思います!ぼくみたいにならないために!!!

ヤケクソ気味の馬車の馬に、タイカレーに、自分自身の全力疾走…ブルージュの思い出は他の街にはない変な思い出で満たされていた。

 

 

・ブルージュ写真集

 

 

 

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