ベルギーらしいものって何だろう?
ムール貝やワッフル!美食の街ブリュッセルでベルギーらしい美味しいグルメを食べまくる
・ブリュッセルの昼間の眠り
・ブリュッセルの気配
・「世界一美しい広場」グラン・プラス
・世界最古のアーケード
・イロ・サクレの怪しい客引き
・The Lobster Houseでムール貝を食す
・小便小僧の小ささ
・ブリュッセルのワッフルと止まらない食欲
・ブリュッセル写真集
目次
・ブリュッセルの昼間の眠り
散々苦労してフランス・ストラスブールから夜行バスに乗り、遂にベルギーのブリュッセルへとやってきた!
夜行バスというものは、たとえその中で眠れたとしても得てして疲れが取れないものだ。それどころか疲労感が溜まっていく一方となる。宿代を節約しようと夜行バスに乗ると、疲労によりその日は宿でずっと昼まで寝てしまうことになり、街を見るための時間を削がれたという結果になることはよくあるので注意が必要である。
ぼくも朝の7時くらいに宿に到着して、その日はもったいないが昼までベッドで眠ってしまった。本来ならば昨日の夕方には到着してその日もブリュッセルを見られる予定だったのだが、バスに乗り遅れたのだから仕方がない(目の前に乗るべきバスがずっと止まっていたのに!)。ちなみに宿は昨日チェックインの予定だったが、きちんとBooking.comを通してメールであらかじめ遅れることを連絡していたので、何の滞りもなくチェックインすることができた。
よく眠って夕方にはもそもそと起き出し、ブリュッセルの街へと繰り出した。
・ブリュッセルの気配
ブリュッセルといえば皆さん何を連想するだろうか。ぼくの脳内にあったものは、小便小僧と、ワッフルと、美しい広場である。その他にはあまり何も思いつかないまま、ブリュッセルの街を闊歩していた。
ブリュッセルという都市はちょっと今までの都市とは様子が違う。なんとなくアフリカのような、アラビアのような雰囲気が漂う。水タバコ屋さんもあるし、肌の黒い人々も白い人々と同じくらい多い。今までは白い人が多かったというかほとんどだったので、新鮮な趣きだ。街の空気もなんとなくアジア、アフリカのような、混沌とした印象を与える。ちょっとごちゃごちゃしていて、ちょっと汚れていて、最初はなんとなく戸惑うかもしれないが、これでも治安はいいらしい。たしかに今までもブリュッセルで危ない目に遭ったことは何ひとつない。
ぼくの宿の周辺は古い街並みの残っているエリアなのか、とても情緒深い家々が立ち並んでいた。なんとなく日本のレトロな駅「東京駅」を想起させるような建物が並んでいる印象だ。東京的はアムステルダム駅に似ているという噂があるが、だんだんとオランダに近づいているような気配が伺える。
アジアの料理屋さんも今までよりも多く見かけ、ケバブ屋さんもかなり多い。何より魚介類が生で売っていることに感動してしまう。日本のように魚介類が新鮮な状態で売っているなんて、この旅で初めて見る光景である。ヨーロッパにも、日本と同じような「魚屋さん」のようなものがあったのだ。そしてブリュッセルでは海鮮を使った料理も豊富で、その中でも「ムール貝」が有名らしい。ぼくは是非食べてみたくなったが、日本でもムール貝だけに焦点を当てたようなメニューを食べたことはない。海鮮のひとつに海老とかイカとかと混じってムール貝を食べたことはあるけれど、調べてみると本当にムール貝だけを食べるのが有名なようだ。ムール貝だけなんて飽きないのだろうかという疑問もあったが、是非試してみたいという気持ちはあった。
・「世界一美しい広場」グラン・プラス
宿からゆっくりと1時間くらいかけて歩くと旧市街のような場所にたどり着く。この一帯になってくると本当に人が多くて混雑している。といっても日本の都会よりは空いているが、今までフランスの田舎でのどかに暮らしていたので少々ギャップを感じて息苦しい感じもあった。観光の中心はなんといっても、かの有名な「世界一美しい広場」と称されるところのグラン・プラスだ。
地図を見なくても、人の流れになんとなく沿っていけば自然とグラン・プラスへとたどり着く。ぼくは何人かの旅人からこの広場の噂を聞いており「本当にたくさんの建築様式が立ち並んでいて感動した」「本当に世界で一番美しいと思った」などと評判も上々だった。さてどのような広場なのだろうか。
ぼくがグラン・プラスに到着してまず最初に感じたことは「ちっちゃ!!!!!」ということだった。ぼくの頭の中ではもっともっと広いと思っていたのだ。想像の4分の1くらいの面積だった。しかし大きければいいというものでもないので、気を取り直して広場全体を眺めてみる。たしかに多様な建築様式の建物が密集しており、美しくそして何より迫力がある。この迫ってくる感じの美しさは、ひとえに面積が比較的狭小であることが影響しているのではないだろうか。狭い分密度大きく、濃度高く人の心に迫ってきて感動を呼び寄せる。
建築様式にあまり詳しくないので、これがこの様式だと当てることはできないが、多様な建築様式が美しく調和している様子の広場であることは、誰の目から見ても明らかにわかるだろう。一応インターネットやガイドブックで調べてみたが、市庁舎はフランボワイヤン・ゴシックという様式らしいものの他のは一切出てこなかった。ここを訪れる誰もが何の建築様式かわからずに見ている可能性が高い。しかも唯一わかった市庁舎も、単なるゴシック様式ではなくフランボワイヤン・ゴシックと出てきたからますますわからなくなった。フランボワイヤンってなんだろう…。昔西洋の建築の本を読んでとてもわかりやすく興味深くて大好きだったが、もう一度読み直してみようと心に誓った。
ゴシック様式の荘厳な市庁舎の他には、チェコで見かけるような可愛らしいお家のような建築も多くて懐かしい気分になった。また、広場というものは様式を統一させることにより美しさを出すのが一般的であるようだが、ここでは様式がバラバラでも何かしら調和させるものを感じる。その要素のひとつは部分部分で光る「金色」ではないかとぼくは推測した。多くの建築の壁の側面に、ところどころ金色の装飾が施されているのだ。それが広場全体に華やかさと統一感を出させているような気配がした。
・世界最古のアーケード
グランプラスを抜けて散策していると、世界最古であるというアーケードにたどり着いた。ギャルリー・サンチュベールという名前らしいが覚えられないので、ぼくは心の中で“古いアーケード”と呼んでいた。この最古のアーケードは非常に楽しく、特にチョコレートや甘いもの好きの人にはたまらないだろう。何軒ものチョコレート屋さんやカフェがこれでもかと言わんばかりに立ち並び訪れる人を楽しませてくれる。そしてこのアーケード自体もアールヌーボー様式であり、曲線が優しく淡いピンクの色彩もお洒落で美しい。何度でも立ち寄りたくなるような通りである。
このチョコレート屋さんは、日本にあるものもないものも混在しているらしくどの店で買おうか選ぶのが難しい。どうせなら日本にない店で買いたいものだが、どれが日本にあってどれがないのかいまいちよくわからない。デパ地下にはよく行くが、いちいちチョコレート屋さんの名前まで見ていなかったなぁ。そんなこと考えずに、日本にあろうがなかろうが直感で選ぶのがいいのかもしれない。
・イロ・サクレの怪しい客引き
グラン・プラスから来てギャルリー・サンチュベールを歩いていて、狭い小道を左に曲がるとレストラン街になっている通りがある。イロ・サクレ(Ilot Sacré)エリアというらしい。ここでムール貝を食べることができるという。
しかしこのイロ・サクレエリアはなかなかの曲者だと思う。なにせ客引きが多いのだ。メニューを見ているだけでレストラン内に呼び込まれるので少々めんどくさい。しかもムール貝のセットを安く見せかけておいて、実際には高いサービス料を上乗せしてくるという噂も書いていたので、ぼくは注意していた。
客引きは陽気に「フクヤマ・マサハルも来たよ!」「ここが他の店に比べて一番安いんだよ!さぁとりあえずなかに入って!」などと話しかけてくるが、大抵そのようなレストランには行かない方がいいだろう。気の弱い日本人は客引きされるとつられて入ってしまいそうになるかもしれないが、フクヤマ・マサハルなどを引き合いに出してくるなんて小賢しさが全面に出ているのでやめておきたい。そもそも店に入るのはぼくなので、フクヤマ・マサハルは一切関係ないのだ。大阪のアメ村でお兄さんに勧誘されても絶対に拒否するのと同じくらいの精神で臨むのがいいのかもしれない。
だいたい日本で考えてもわかることだが、客引きしている店なんてろくな店はないのだ。客引きしている=行かない方がいい店であることは周知の事実であろう。すごく美味しくて人気でちゃんとしている店ならば、客引きなんかする必要はないのだ。ここは客引きなんかしていない店に入ろうとぼくは心に決めていた。逆に言えば「頑張って客引きしている=入らない方がいい店」という公式を打ち立ててくれている分、客引きも有用な存在かもしれない。ブリュッセルで嫌な思いをしないために、そしてぼったくられないためにぼくは気を使っていた。
一応付け加えておくと、強引で悪質な客引きなどはいなかったので安心していただきたい。ただ陽気に誘われるというだけである。しかしとりあえず中に入ってメニューを見てみなよ!という軽いノリでしかし確実に気の弱い客を捉えようとする根性は見受けられるので、少しは気を張っていてもいいかもしれない。
・The Lobster Houseでムール貝を食す
事前にインターネットで調べていた「The Lobster House」は安かったと書いていたし、客引きもしていないみたいだったので安心して中に入った。中は時間帯の関係もあってか落ち着いて静かで空いており快適だ。
ここのムール貝は22ユーロ、パエリヤは25ユーロだった。インターネットで調べるとトップに出てくるページの値段と10ユーロも違うが、2019年の2月現在はこの値段だったので注意が必要である。しかし、ちゃんと英語のメニューにこの値段が書かれていたので、騙されているという訳ではなさそうだ。他の店もだいたいこのような値段帯である。
ここでしかムール貝を食べていないが、ぼくは大満足だった!なんと鍋いっぱいにあふれそうなこれでもかと言わんばかりのムール貝が出て来たのだ!確認すると、これで1人前だという。食べられるのだろうか…。これにフライドポテトとパンと紅茶も付いていた。
しかしそんな心配な無用だった。白ワインとパセリとおそらくちょっとしたスパイスの味付けがシンプルで爽やかで美味しく、そして飽きることなくペロリと食べることができてしまった。こんなにも大量のムール貝を一度に食べることができるものかと自分でも驚きだ。そして、ムール貝を食べた後のスープもまた格別だった。フライドポテトやパンに付けて一緒に食べるとよく合ってまた乙であった。
このThe Lobster Houseは大満足だったが、周囲の店には18ユーロでスープも付けますよという店も多々あったが客引きがいたのでやめてしまった。果たしてThe Lobster Houseのムール貝大量さは尋常であるのか、この値段は通常であるのか、とても確かめたくて他の店にも行ってみたい衝動にかられているが、そこでぼったくられては元も子もないので迷っている。誰か安くて美味しかったブリュッセルのオススメの店があったら教えてね!
・小便小僧の小ささ
お腹がいっぱいになったところで小便小僧へと向かった。グーグルマップを見ながら小便小僧へと向かう。いく道にはだんだんと小便小僧のチョコレートや置物のお土産が増えてきて、ついに小便小僧と巡り合う瞬間が近づいていることを予感させる。
ふとグーグルマップを見てみると、既に通り過ぎた後だった。あれ?おかしいな?どこにあったんだろう???気を取り直して戻ってみると、たしかにそこに小便小僧はあった。小便小僧を見てまず思ったことは「ちっちゃ!!!!!」だった。
グラン・プラスの時と同じである。本当に「小僧」というネームングがぴったり当てはまるほどの小ささだなぁと、彼の名付けの的確さに驚かされた。ブリュッセルはなにかと規模が小さくコンパクトだ。しかしそれは、古来より小さくか弱いものを「愛でる」という感性を持ち合わせている日本人に共鳴するものかもしれない。
・ブリュッセルのワッフルと止まらない食欲
小便小僧の周囲には、大量のワッフルやさんが立ち並んでいた。沢山のイチゴやバナナやチョコやクリームでトッピングされた“購入例”が所狭しと並べられ、それを見ているだけでもワクワクする。ワッフルはプレインのもので2ユーロが相場のようだ。贅沢にトッピングするとだいたい6ユーロくらいになるらしい。ぼくのワッフルもイチゴやらチョコなどを乗せて6ユーロになった。
これってお得なのだろうか?日本であまりワッフルを買わないのでわからない。むしろ高いのでは???ワッフルなんて本場だからって味がそんなに変わるわけではないし、まぁ思い出みたいなものだろうか。けれど普通に美味しかったので満足である。今度はプレインを食べて見たいかも。どんな食べ物でも結局は何も飾り立てないものが一番美味しかったりするものだ。
ふと考えてみると、さっき鍋いっぱいのムール貝とフライドポテトとパンを食べたばっかりだったのに、でっかいワッフルまで平らげている自分自身に驚いた。なんだかフランスから急に食いしん坊になった気がする。フランスの食べ物が美味しすぎたから、その食欲がベルギーにまで引き継がれているのだろうか。しかしベルギーの食べ物も美味しい。スイスの旅を終えてから外食の何もかもがきわめて安く見えてしまうのも困りものだ。ここベルギーでも宿にキッチンがないから仕方ないと言えるが、これからも美食の街での食欲は止まらない気配がする。
・ブリュッセル写真集
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