日本最古の仏像と寺院!奈良県飛鳥寺の仏像で仏教伝来の歴史を偲ぶ

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感動的な日本最古の仏像との偶然の出会いでした。

日本最古の仏像と寺院!奈良県飛鳥寺の仏像で仏教伝来の歴史を偲ぶ

・偶然訪れた奈良県の飛鳥寺
・日本最古の飛鳥寺に日本最古の仏像はある
・シルクロードの旅情を感じさせる飛鳥大仏
・素晴らしかった飛鳥寺のホスピタリティ

・偶然訪れた奈良県の飛鳥寺

紀伊山脈の車中泊の旅の途中、奈良県の明日香村を徒然なるままに散策していた。明日香村には以前も訪れたことがあるが、とても不思議な感覚のする村だった。起伏がなく、どこまでも広がる平野が、人々を散策することを容易くさせる。自転車などを借りて飛鳥を巡るのもとても気持ちよさそうだ。このなだらかな地形が、いかにも首都として適切であるようにも思え、かつては日本の首都として賑わっていた歴史が偲ばれる。

今の街並みとしてはかつて首都だったとは考えられないほど穏やかな雰囲気で、まさに日本語でいうところの「ふるさと」のイメージに近いものが感じられる。しかし何もない田舎町ではなく、首都であった歴史を大いに示すように、工事をすれば朝廷の遺跡がたくさん出土されるようだ。飛鳥は昔むかしに首都だった時代以来、それ以上栄えることはなくどんどんと素朴な街並みに変化し、それが貴重な遺跡がそのまま出土する理由であると、飛鳥の方が教えてくれた。

穏やかな気候の中、そんな飛鳥を散歩していると「飛鳥寺」という看板を見かけた。飛鳥寺についてまったく知らなかったが、せっかく飛鳥に来ているのだから飛鳥寺という寺に行ってそんはないだろうという軽い気持ちで、飛鳥寺を参拝した。

 

 

・日本最古の飛鳥寺に日本最古の仏像はある

飛鳥寺の境内の中は至って普通な雰囲気だったので、まぁそんなものかと思って看板を見ると驚愕した!なんとこの飛鳥寺は、蘇我馬子が588年に創立した日本最初の本格的寺院であるというのだ!

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この紀伊山脈車中泊の旅で、日本最古の温泉「湯の峰温泉」、日本最古の湯船「崎の湯」、日本最古の神社「花の崫神社」を紹介してきたが、まさか偶然にも日本最初の寺院に巡り会えるなんて、自らに訪れた幸運に感謝した。そしてさらに驚くべきことには、この寺院には日本最古の仏像、飛鳥大仏があるというのだ!

境内は至って普通だと感じていたが、入場料を払えば寺院の中へ入ることができ、日本最古の仏像を拝めるという!こんなに素晴らしい出来事があろうか!紀伊山脈周辺は日本最古のものであふれており、歴史的にも自然としても、本当に心から見応えのある場所だ。

 

 

・シルクロードの旅情を感じさせる飛鳥大仏

 

早速入場料の350円を支払って中へ入る。すると目の前に一風変わった、今まで見たこともないような大仏様が悠然と姿を現した!

 

 

なんて不思議で情緒深いお姿だろうか。やはり飛鳥時代の仏像だけは、他の時代の日本の仏像とまったく異なるように見受けられる。7世紀に仏教が伝来した際の中心地が、ここ飛鳥だったのだ。大陸の異国から紹介された仏教という異物が、まだ完全に日本という風土に馴染み切れていないような、どこかよそよそしい異国風な仏像の姿が、飛鳥時代の仏像の不思議な魅力である。

 

 

ぼくたちは仏像といえばなんとなく、ふっくらとして目を閉じたえも言われぬ穏やかなお姿を想像するのが通常であるが、そのような「日本的仏像」の外見にたどり着くまで、さまざまな古代の人々の試行錯誤があったのではないだろうか。どのようにすれば仏教という外国の異物を、日本人の風土や精神的な世界に無理なく馴染ませることができるのか、その思考の流れやセンスの軌跡はさまざまあり、おそらく今の時代に受け継がれずに消えてしまったものもあるだろう。そのような試行錯誤の思いの原点とも言えるような作品が、この日本最古の仏像に込められているのではないだろうか。

どこか異国的で、厳かで、不思議な雰囲気が漂っている。目は明らかに見開き、人々を見下ろしているような迫力が伝わってくる。このような眼力のある仏像の製作が途絶えてしまったのは、このような迫力ある眼差しが、日本人という民族を信仰させるためには不適であったためだろうか、日本人は厳格な迫力を持って支配されるということを好まず、むしろ今の仏像のような穏やかで安らかなものたちに精神を預けても構わないと感じる民族なのかもしれない。

 

しかし末永く日本人の精神の風景に馴染むことはなくても、この仏像にはシルクロードを伝って、はるか彼方西方の天竺から中国や韓国を伝って、このような東方の辺境の島国へとやっとの思いでたどり着いたという、悠然たる旅情が感じられる。この大仏様からそれを感じ取れるだけでも、ぼくの精神は深く根底から満たされていた。シルクロードの到着点が、ここ奈良の都飛鳥寺であり、これからシルクロードの旅を夢見ているぼくにとっては忘れられない大仏様との出会いとなった。

 

 

・素晴らしかった飛鳥寺のホスピタリティ

この飛鳥寺でまたひとつ素晴らしかったことは、飛鳥大仏の写真撮影が可能だったことである。だいたいこのような入場料を取る貴重な仏像を持つ寺院というものは、ケチくさく写真撮影禁止とするのが常であるが、この寺院では珍しく撮影可能だったので感動してしまった。なんと寛容な精神を持った寺院だろうか!

さらには入場料を支払って大仏様を眺めていると、お寺の方が丁寧にひとりひとりの参拝者に説明してくださったので、自分だけでは知る由もなかった仏像や寺院の歴史を詳しく知ることもできたし、感じた疑問などにも速やかに答えてくださるのでとても有意義な参拝となった。

この大仏様は銅でできており、いくつか修復の痕も見受けられるが、その修復も物質鑑定の結果飛鳥時代の修復であることがわかったとのことである。またこの飛鳥寺もかつてはもっと広かったが、焼失などを繰り返し寺院自体は姿形を変えたものの、この大仏様だけは、飛鳥時代からずっと同じ位置に鎮座しているという。奈良の都の悠久の歴史と奥深さを感じられるとても感動的な参拝となった。

 

 

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