フランス・アルザス最大の街!思いがけないストラスブール観光とヨーロッパで格安バスに乗り遅れたときの対応

 

この旅一番のおマヌケな悲劇が起きました。

フランス・アルザス最大の街!思いがけないストラスブール観光とヨーロッパで格安バスに乗り遅れたときの対応

・予定になかったストラスブール
・頑張った早起き
・”My life is so hard!”
・ぼくのあまりにマヌケな展開(ヨーロッパで格安バスに乗り遅れたときの対応)
・重き荷を負いてストラスブールの旅
・自作詩「重き荷を背負えば」
・ストラスブール写真集

・予定になかったストラスブール

ぼくのアルザス地方の美しい村を巡る旅は、もう終わったはずだった。コルマール、エギスハイム、リクヴィールの3つを巡ったところで、ぼくのアルザス地方の旅の予定は終了していた。

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もうひとつアルザスの代表的な街にストラスブールというのがあったが、コルマールから割と離れているしちょっと大きめの街のようだったので「美しい田舎の村巡り」のコンセプトに合わないような気がして、今回は華麗にスルーつもりだった。

しかしそんなぼくに予想外の出来事が起こった。

 

 

・頑張った早起き

ぼくは4泊したコルマールの宿をチェックアウトした。コルマールの宿はそれはそれは快適であり、なんと一人部屋でシャワーもお風呂も付いていた。ドミトリーに泊まらないのなんてリトアニアのヴィリニュスの5つ星ホテルに泊まって以来である。

リトアニア・ヴィリニュスの5つ星ホテルStikliai Hotel (スティクレイ・ホテル)に泊まってきた

なるべく宿代を節約しようと頑張っているバックパッカーのぼくが、なぜコルマールでは一人部屋に泊まれたかというと、それが最安値だったからである。1泊4000円くらいで一人部屋に泊まることができた。これがきわめて快適で、忘れていた一人の空間を保つ大切さを思い出させてくれた。物音を立てるにも誰にも気を使わないでいいし、音楽も動画もイヤホンなしで聞けるし、広々とベッドは使えるし、精神的なリフレッシュになった。ドミトリーばかりでひとりの時間を取れずに旅のさなかで疲弊してしまったときなんかは、たまに一人部屋に泊まるのもありかもしれないと思った次第である。

そんなコルマールの宿を離れるのは心苦しかったが、いつまでもコルマールにいるわけにはいかない。ぼくはチェックアウトしてベルギーのブリュッセル行きのバスへと乗り込んだ。コルマールからブリュッセル行きの直行バスはない。ストラスブールで1回乗り換えるのだ。

このバスがきわめて早朝であり朝6時10分のバスだったが、この日だけは頑張って早起きしてコルマールからバスに乗った。眠かったが、ストラスブールに到着してそこから9時のブリュッセル行きのバスに乗れば、あとは6〜7時間ほどバスの中で寝ていられるので、ここだけは眠くても頑張ろうと踏ん張っていた。そして予定通りストラスブールへは朝7時ごろに到着した。あとは9時のバスが来るまで2時間待ちさえすれば、そのバスの中で安心して眠ることができる。ぼくはバス停で眠いのを耐え忍んで待っていた。

 

・”My life is so hard!”

ストラスブールのバス停には待合室がなかった。したがって外の寒い中で待っていなければならないので不便だった。凍えながらバスを待っていると、バス停で何やらおばちゃんが話しかけてきた。

おばちゃんはここはひどい!待合室がないなんて!私は夜中からもうここで5時間も待ち続けているわ!腰が痛くなるから座らずに立って待っているのよ!もうクタクタよ!とぼくに愚痴をこぼしてきた。気の毒だがぼくにそんなこと言われてもどうしようもないが、ぼくは静かに相槌を打っていた。

おばちゃんはロンドンからフランクフルトまでバスを乗り継いで行くという。それにしてもおばちゃんの荷物は多い。おばちゃんにフランクフルトの家に帰るんですか?と尋ねると、私に家はない。この荷物こそが私の家で私の持っているすべてよ!と衝撃的な発言をしていた。なんでもフランクフルトで仕事を探そうとしているらしい。それまではフランクフルトの友人の家に泊めてもらう予定だとか。

おばちゃんは3人の子供がおりロンドンで子供を育て上げたが、おばちゃんが生活に困っていることを知っていても、子供たちは知らないふりをするという。そしておばちゃんは膝やその他にも問題を抱えているが病院に行くお金もないという。たしかに少し精神的な問題のありそうな気配もする。

おばちゃんは自分一人で自分を養わなければならないからとこれから新天地を求めてフランクフルトへ行くというのだ。おばちゃんは”My life is so hard!”と、まさにそうだろうと思われる言葉を連呼し、自分の人生の大変さを嘆いていた。おばちゃんの荷物は5つくらいあり、いずれも大きく重たく、これが彼女が生きるために必要なものすべてであることを物語っているようだった。

ぼくは徳永家康の「人生は重き荷を負いて遠き道を行くが如し」という言葉を思い出していた。そしてまたお釈迦様の言った「人生は苦しみである」という仏教の根本原理を、ポルトガル人の彼女に投影していた。ぼくはせめてもの助けになればと、彼女の荷物を運ぶのを手伝った。

それにしても彼女自身の大変な状況に対して、彼女には陰鬱たる様子はなく、むしろこれからも自分の人生を切り開いていくのだという潔さが感じられ、ぼくは彼女に確かに勇気付けられた。どんな絶望的な状況に陥ってしまっても、なんとかなると思って荷物を背負い、覚悟を決めて新しい世界へと踏み出せば、あるいは思いがけない道が開けるかもしれない。彼女はとても重要なことを、ぼくに教えてくれている気がした。

ぼくは常々思うことだが、人生で出会うすべての人々は自分の先生である。どんな種類の人間であろうと、それが100歳の老人であろうと0歳の赤ちゃんであろうと、高名な僧侶であろうと残忍な殺人者であろうと、自分に何かしらを語りかけ何かを教えてくれるはずの平等な先生である。ぼくは自分自身が「先生」と呼ばれる職業に就く立場の人間だが、そう呼ばれることに対し決して傲慢にならずに、すべての人々を平等に慕って人生の歩みを進めていきたいと思う。

 

・ぼくのあまりにマヌケな展開(ヨーロッパで格安バスに乗り遅れたときの対応)

おばちゃんと長話をしてはや2時間。待てど暮らせどぼくのバスが来ない。出発予定の9時を過ぎたけれどまだ来る気配がない。ぼくはおかしいと思い自分のチケットを確かめてみると、重大な間違いをおかしていることに気がついた!ぼくはコルマールからストラスブールまでisi linesというバス会社で来たので乗り継ぎもそのisi linesに乗るものだとばかり思っていたが、なんと別のEurolinesというバス会社に乗らなければならなかったのだ!

Eurolinesならばさっきからずっとぼくたちの前に止まっていてちょうど9時に出発してしまったバスではないか!ぼくはあれに乗らなければならなかったのだ!!!

がーーーん!もはや手遅れ、後の祭り、取り付く島がないといった状況に陥ってしまった。なんてこった。また新しいチケットを買わなければならないのだろうか。安くで行けるからということでわざわざ早起きまでして早朝のバスで来たのに、追加料金を払うのでは元も子もない。しかしすべては自分のマヌケさが原因なので、もはや誰を責めることもできない。

すぐ近くにあったストラスブールのバスステーションのEurolinesのオフィスに駆け込み状況を説明する。やはりバスはもう既に出てしまった後だという。しかし、なんとタダでバスの予定を変更してくれるということだった!おおそれはありがたい!それで変更後のバスの何時は何時でしょうか?!

「夜中の11時半。深夜バスになります」

がーーーーーん。かくしてぼくは14時間ストラスブールで待たなければならないハメになった。早朝の5時くらいから起きているから眠たいし体力もない。本来ならば9時発のバスの中でぐっすり眠る予定だったのだ。しかしこのストラスブールにはぼくが眠るための場所など用意されているはずがない。ぼくはストラスブールを観光するために重い荷物を背負いながら歩き出した。「人生は重き荷を負いて遠き道を行くが如し」という徳永家康の言葉は、おばちゃんのためばかりではなくぼくのためにもあったのだ。

 

 

・重き荷を負いてストラスブールの旅

えっちらおっちらと歩きながらストラスブールの旧市街までたどり着く。ストラスブールはライン川の周囲に発達した街のようだ。川にはいくつもの橋が架かっており、そのほとりの家々が例のごとく木組みのアルザスらしい構成で美しい。街には数多くのカフェやお土産やさんが立ち並び、この周辺では最も大きな都市の様相だ。ここはアルザス地方を含むグラン・テスト圏の首府であるらしい。

歩いていると最も目立つものに、ストラスブール大聖堂がある。ぜひこの立派な大聖堂の中を見てみたいと足を進めると、大きなバックパックを持っているから駄目だと入場拒否されてしまった。悲しい。これはテロ対策の一貫だろうか。大きな荷物をどこかに預けようかとも考えたが、ロッカーがどこにも見当たらないので諦めた。ぼくはまた、重き荷を負ってストラスブールの街を歩き始めた。

 

ストラスブール大聖堂を目の前にして左へと進んで行くと、チョコレートなどのスイーツ屋さんが軒並み並んでいる通りがあり、ここは見て歩くのが楽しい一帯だった。逆に右側へ行くとカフェやレストランが立ち並び、それを過ぎると静かな川のほとりへたどり着く。ぼくは荷物が重いあまりに休憩しながらでないと進めないことに気がつき、川のほとりのベンチでしばらく身を休めた。川沿いから眺めるストラスブールの街並みは、水の光に照らされてより一層美しい。この日は気持ちのよい晴れの天気だったが、午前中はやはりまだ寒さが残っていた。

それにしても14時間という時間はなんと長いことだろう。頑張って歩いてみるものの、まだ3時間くらいしか経っていない。このまま夜中の11時まで街を歩き続けることは不可能だろう。どこかで眠れないものだろうか。眠い。

ちょうどお昼時だったのでレストランに立ち寄った。フランスのレストランは、必ずと言っていいほど英語表記がないので、店員さんにこれは何かと尋ねなけれならないが、それも楽しいコミュニケーションのきっかけになるものだ。この日も例のごとく、メニューに何が書いてあるかまったくわからなかったので、店員さんに頼んで14ユーロの日替わりを注文した。すると確実に14ユーロ以上の量の料理が出てきたので満足した。満足を通り越してそれ以上にすごく多かったのが印象に残っている。前菜からメインのステーキでもう既にお腹いっぱいという感じだったが、ここにまた特大のティラミスが出て来たので困惑した。日本ではこの8分の1が通常の量だろうと思われるティラミスだった。フランス人はこんなにも大量に昼食を召し上がるのだろうか。それでもやはりフランスの美食を最後まで感じさせてくれた。

このレストランで夜中の11時までいられればいたかったのだが、さすがにそれは無理そうな雰囲気だったので、ランチを終えたらスターバックスへと足を運んだ。ここならば19時まで開いているようで、ソファの席も確保でき、しばらくの間快適に眠れそうだ。スターバックスなんて日本にいても滅多に行かないが、こういう緊急事態に勝手のわかるチェーン店があるというのはありがたい。周囲のレストランが高過ぎたので仕方なく普段は行かないマクドナルドへ行ったスイスのツェルマットの日々を思い出す。旅に出ると、普段とは違う行動を起こしてしまうものだ。そしてそのことが自分にとって刺激になったりする。

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スターバックスで緑茶を頼んで席に着く。この緑茶というものは、宿ならば無料で緑茶の葉をくれ無料でお湯を使って自分で作ることができるのに、スターバックスだと氷をいっぱい入れられて5ユーロほど取られるのがなんとも不思議で面白い。ものの価値というのは状況に応じて一定にはなり得ないことを実感する。しかしこれはソファで眠る代だと思い、緑茶を机の上に置きつつソファで安らかに深い眠りに就いた。それはそれは快適な睡眠の時間だった。それまで重き荷を負って街をさまよっていた疲れがすーっと取れて行くような思いがした。

疲労感も取れ19時にはスターバックスを退出した。昼食で満腹になり過ぎて夕食はまったくいらないと感じたぼくは、そのままストラスブールのバスステーションへ赴き20時から23時まで、外の椅子でひたすらに待った。ひとりで待っている時は寒冷に身体が堪えたが、後にモロッコ人と楽しく会話したり、ホームレス2人と不思議な会話をしたりしてとても有意義な時間を過ごし、寒さを忘れることができた。それについてはまた別の記事で書こうと思う(下の記事に書きました!)。まったくの予想外の展開のストラスブール観光だったが、川のほとりの印象的な街並みも素敵だったし、最後には心に残る思い出ができてこの街にとても感謝している。

所有しない者が神聖を帯びる時!何も持たないストラスブールのホームレスが同じホームレスに慈悲を与えていた話

 

・自作詩「重き荷を背負えば」

こちらをご覧ください。

 

・ストラスブール写真集

 

 

 

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