マッターホルンを一望!登山鉄道(ゴルナーグラート)情報と真冬の絶景トレッキングを楽しむ

 

マッターホルンの麓の街・ツェルマットに粉雪の夜到着し、朝起きるとそこにはこれ以上ないほどの快晴の青空と、天を貫くこれでもかと言わんばかりに白く輝くマッターホルンが姿を現した。

マッターホルンを一望!登山鉄道(ゴルナーグラート)情報と真冬の絶景トレッキングを楽しむ

・スイスは世界一物価の高い国
・マッターホルンの三角
・ゴルナーグラート鉄道は右側
・ゴルナーグラート展望台
・重要!冬のマッターホルンハイキング情報
・Rotenboden〜Riffelberg
・ゴルナーグラートの料金情報
・Riffelap〜Zermatt

・スイスは世界一物価の高い国

マッターホルンでのハイキングは素晴らしいとtwitterでのヨーロッパ旅行情報部さん(@euro_tour)のツイートで拝見して、マッターホルンの麓の街・ツェルマットに夜到着したぼくは、明日晴れたならぜひ行こうと計画していた。曇っていたり雪だったりした場合、マッターホルンを間近に見られるゴルナーグラート展望台への列車もなかなか値段が高いと言うし、行かなくてもいいかなぁと考えていた。なんせスイスは物価が高いので、マッターホルンが見えないかもしれないのにゴルナーグラートへ行けるほどお財布に余裕がないのだ。お金を節約できるところはしないと破産してしまいそうな勢いだ。なんせレストランに入ってメインを頼もうとすると3000円以上のものしかないという状況がスイスに入ってから続いている。ここは世界一物価の高い国だという。

ぼくはツェルマットに着いてから散々レストランを見て回ったが上記のような状況だったので、結局スーパーで1000円以下のお弁当のようなものを買うか、マクドナルドで1000円くらいのセットを買うかで迷った挙句、結局マクドナルドにした。スイスの物価の高さが本気を出してぼくを殺しにかかると、ぼくはあっけなくマクドナルドで食べることしかできなくなってしまったのだ。

安ければせっかくだしチーズフォンデュでも食べようかと考えていたが、チーズフォンデュも3000円以上するので悲しいけれど諦めた。CDアルバムを買えるほどの値段で食事を摂るというのはやはり憚られた。しかしこのままだとスイスのレストランでスイス料理を食べないまま終わってしまいそうだ。ここはいっそスイスの物価に心から馴染み、精神を適応させることで旅を継ぐしかないのだろうか。「あー食事3000円かーふつうふつう!」とへらへら笑いながらレストランへと入っていける度胸と肝の大きさを持つことも、あるいは必要なことかもしれない。

 

 

・マッターホルンの三角

マッターホルンの麓の街・ツェルマットに粉雪の夜に到着し、朝早く起きてみると、そこにはこれ以上ないほどの快晴の青空と、天を貫くこれでもかと言わんばかりに白く輝くマッターホルンが姿を現した。

なんて美しい姿だろう。道行く観光客の誰もがあの凛々しい姿に見とれている。白く尖ったマッターホルンの頂きが、爽やかで澄んだ青空を突き刺している。山の尾根によって作り出される三角形のうち、右側の三角にだけに日の光があたりその他の三角は陰で暗くなっている姿も奇妙で珍しい。朝限定のマッターホルンの神々しい光景だ。街には澄んで美しい清流が流れ、肌に空気の冷たさを送ってくる。サンモリッツもツェルマットも、スイスの山間の街はあまりに魅力的でずっとここにいたいという気分にさせてくれる。

ぼくは何がなんでももっとあのマッターホルンに近づきたいという衝動を抑えることができなかった。早速マッターホルンへと限りなく近づけるというゴルナーグラート展望台へと鉄道で向かう。もはや物価が高いなどと言っていられる事態ではない。ぼくは運命的に、マッターホルンへと近づきたいのだ。

 

・ゴルナーグラート鉄道は右側

ゴルナーグラート鉄道のツェルマットの駅は、ツェルマットの通常の鉄道の駅の真向かいにある。ぼくが昨日世界一遅い特急と言われる「氷河鉄道」に乗って到着したのも、このツェルマット鉄道駅だから場所は記憶していた。しかしゴルナーグラートまではいったい何円かかるのだろう。ぼくにマクドナルドしか食べさせてくれないスイスの物価に恐れをなしながら、ゴルナーグラート鉄道駅へと足を踏み入れた。

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ゴルナーグラート駅までの料金は片道3800円ほどだった。やっぱり高いが、払えないという額ではない。往復は7600円ほど。片道を単に2倍しただけの料金で、往復料金であれば少し割引でもして安くしてやるかという優しさが微塵も感じられないのが世界一物価の高いスイスらしい。そんなに慈悲深く貧しい人に手を差し伸べてはくれないのだ。

ゴルナーグラート鉄道は、絶対に右側の座席に着席することをお勧めする。ゴルナーグラート鉄道で登って行く際に、マッターホルンが見えるのも、深い茶色の木造の家々の立ち並ぶツェルマットの街並みが見えるのも、すべて右側だからだ。その風景は美しくぜひ写真にとって納めたくなるが、そんな望みをゆっくり叶えてくれるのも右側に着席したときのみである。ゴルナーグラート鉄道は24分ごとに列車を出しているので、その頻繁さから右側に座ることは決して困難ではないだろう。指定席などももちろんないので席は早い者勝ちだ。少し早めに列車に乗り込み、座席を確保することを推奨する。

ぼくはゴルナーグラート駅からハイキングしてツェルマットまで徒歩で下りてくる予定だったので、片道のチケットだけを3200円で買ってゴルナーグラート鉄道に乗り込んだ。マッターホルンを望みながらのハイキングもできるし、お金の節約にもなるから、ゴルナーグラートからのハイキングってなんてお得なのだろうとぼんやり考えていた。

鉄道が出発する。無事に列車の右側の席を確保することもできた。なんて素晴らしい眺めだろう。常にマッターホルンがぼくの目に映り込みその魅力を投げかけ続けている。マッターホルンが近づけば近づくほど、ツェルマットの街並みは遠ざかり小さいおもちゃの街のようになっていくのが可愛くて楽しい。望遠するとツェルマットは険しいアルプス山脈の山間にある小さな街なのだということが、手に取るようにわかるようになる。このような険しい場所にも人間は街を作り上げて生活を営んでいるのだと思うと感動せずにはいられない。ゴルナーグラート駅までは約30分ほどで到着した。

 

・ゴルナーグラート展望台

一面真っ白の世界である。快晴なので本当に世界が明るく眩しい。これはサングラスでも持って来なければならなかったかもしれないと感じた。ぼくは今回のヨーロッパ旅の中で、冬だろうがなんだろうが水着を持ってくるべきだったということを反省のひとつにしているが、冬だろうがなんだろうがサングラスも必須であるということを更に学び、反省は増え続けていく。ついでに日焼け止めも必要だったかも。

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ゴルナーグラート展望台からの、鉄道列車と駅とマッターホルンの山の共演はまさにフォトジェニックな風景だ。こんな場所にまで鉄道を引くなんて、人間の営みには限りない熱意があるのだとまた感動してしまう。ゴルナーグラート展望台の中にはカフェやお土産やさんもある。カフェは街中よりももっと高いかと思いきや街中と同じくらいだった(それでも高価だが)。そしてお土産やさんにはマッターホルンを象ったチョコレートがたくさん売られていて、まさにここで買ったならば最高の思い出になるだろう。

ゴルナーグラート展望台の近くには小さくて素朴なキリスト教会が立っており誰もが訪れることができる。ここだけに限らず、アルプスの奥深い山間であろうと、たくさんのキリスト教会が建てられている。奥深い山の中であればあるほど、圧倒的な自然に対する深い信仰心が濃厚となり、逆に人間というものの小ささを謙虚に知ることができ、宗教的な施設が出現することはごく自然なことであるかもしれない。ゴルナーグラート展望台にはなぜか日本語でだけ「全能者にして主なる神よ、あなたのみわざは大いなるまた驚くべきものであります」「イエスキリストの力は偉大でありつねにあなたを助けることができます」と書かれていたのが印象的だ。

他の言語はまったくないのに、なぜこんなスイスの山の奥に日本語だけ?と本当に不思議だった。日本がこれまでに何度宣教師を送ってもキリスト教徒の割合が1パーセントを超えたことがないまれな国であるということも関係しているのだろうか。この事実は非常に興味深く、遠藤周作の「沈黙」を読んでも、なぜそんなに日本人がキリスト教徒にならないのかを考えることができて面白い。

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一通りゴルナーグラート展望台を見て回った後は、念願のハイキングに出発しようとした。しかし、さがしてもさがしてもハイキングの道が見つからない。スキーのための道はすぐ駅の隣にあるのだが、歩いてハイキングしているような人もどうしても見当たらない。仕方ないので駅員さんに聞いてみた。

 

・重要!冬のマッターホルンハイキング情報

ここからが本当に重要な情報だと思うので知っていただきたいが、冬にはゴルナーグラートからツェルマットまでのハイキングはできないということだった。ゴルナーグラートからツェルマットまでのハイキングができるのは雪に閉ざされていない季節に限られるのだという。雪に閉ざされた冬のハイキングコースは、主に2つあり以下の通りである。

Rotenboden〜Riffelberg
◯Riffelap〜Zermatt

冬のコースはこのふたつしかない。この情報はあまり日本語のインターネットのページにも載っていないが、非常に重要な事実であると言えよう。なおいずれもゴルナーグラート鉄道の駅の名前である。

ひとつめのRiffelbergとふたつめのRiffelapは似ているが別々の駅なので注意が必要だ。ゴルナーグラート駅がゴルナーグラート鉄道の最終駅だとしたら、Rotenbodenはそのひとつ手前の駅である。したがってゴルナーグラート駅から電車に乗りRotenbodenまで行きそのまたひとつ手前のRiffelbergまでをハイキングすることができる。そこからまた鉄道に乗りひとつ手前の駅のRiffelapまで移動すればツェルマットまではまたハイキングすることができる。

ぼくはどちらの道もハイキングしてきたのでその感想をここに記載する。

 

・Rotenboden〜Riffelberg

結論から言えば、Rotenboden〜Riffelbergのコースが冬のマッターホルン・ハイキングの真骨頂だと言えよう。時間がなくてふたつのコースをハイキングできずどちらかひとつに絞りたいのだとしたら、間違いなくこちらのコースをおすすめする。こちらのコースで見る風景は、まさしくこの季節、この場所でしか見られない貴重で筆舌に尽くしがたいほどに素晴らしい光景である。一面真っ白な雪と大空の青の世界。目の前には美しいマッターホルンとアルプスの山々が立ち並び、雪の中の道を悠然と歩いていく。自然の大きさと人間のささやかさをこんなにも思い知らされる体験はないだろう。

マッターホルンの尾根の作り出す三角形の幾何学模様は、まるで人工物であるように整然としており麗しい。たくさんあるアルプス山々の中で、なぜマッターホルンだけが特に魅力的に見えるのかと問われれば、その特徴的な形状が非常に重要な役割を果たしているに相違ない。美しい正三角が重なり合って成り立つその三角錐の魅力的な姿は、自然の織りなす偶然とも必然とも言い難い神秘性を伝えている。

そして他の山に比べてもはるかに鋭く天を突き刺しているというのも神々しいなにかを感じざるを得ない。その先端の鋭利さには心をひどく動かされる人々も多いのだろう。先端というものは不可思議で魅惑的なものだ。人間が性的な動物に帰る時にも、誰もが先端を求めるようになる。先端というものは肉体の果ての岸辺であり、その果てをひどく求め重なりあうことで、肉体を超越した次元へと飛び立とうというのだろうか。はたまた先端という肉体のそのまたさらに果てに、まだ見ぬ岸辺を夢想してこの世ではない彼岸に自らを投影しようというのだろうか。鋭利な先端というものは人々の想像力をいつも掻き立てる。

マッターホルンの作り出す三角形と、その他の丘や山脈の形状と、そしてさらにそれらの影が滑らかな雪の上で融合し、幾何学的で不思議な世界観を作り上げていく。刻一刻と歩くたびに風景は変化し、その時々でまさに写真を撮影するにふさわしい場面を撮り逃さないようにしたいと自然と精神は集中していく。それと同時に写真なんてどうでもよくただ大自然を受容したいという気持ちが、違和感なく共存できるということは不思議だ。やはりここは浮世ではないのだという思いを拭い去ることができない。

ぼくはこの世界観を精一杯受け止めながら自発的に「書道」のことを思い浮かべるに至った。書道とは面白い文化だ。文字を美しく構成することによりそれを芸術にまで高めようとする。これはひとつの文字に力を持たせることができる表意文字文化圏に特有のものではないだろうか。漢字という表意文字を書く文化圏に生きることにささやかな誇りと喜びを感じる。漢字を書くということは、絵を描くことに非常に似ている。山という字だってもともとは山の形からできたものなのだ。ぼくたちは日常的に絵を描き、日常的に芸術家となり得るのだと思うと、この東アジアの文化は非常に魅力的だ。その中において韓国が世の中から漢字を捨て去った理由は何なのだろうと、とても興味深く思う。

マッターホルンとアルプス山脈と雪の丘とその影が織りなす世界を眺めていると、書道において美しくはらわれている漢字の一部をぼくに思い起こさせた。筆を美しくしっかりと止め、美しく滑らかに先端を払うことに価値を見出す書道のように、まさにそのようにしてスイスのマッターホルンの大自然はその独特の次元の違う価値をぼくたちに投げかけてくれているのだ。

そしておそらくであるが、Rotenboden〜Riffelberg間にある、マッターホルンが逆さに映るというリッフェル湖は、冬の間は行くことができないだろう。ぼくはグーグルマップを見ながら散々確認したが、近くにはあるのだがどうしてもそこへと行く道はないし、おそらく雪の下に埋まってしまっているのだろう。大きなあのサンモリッツ湖も凍って雪に隠されていたのだから、こんな高山にある湖も雪に覆われて当然といえば当然と言える。

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雪しかない真っ白な道を歩きながら、ツェルマットのスーパーマーケットで買ってきたパンやチーズやみかんやバナナなどを食べながらのんびりと歩いた。ほんとうにまさにハイキングしているという気分だ。これだとお腹も空かないし、お金もかからないのでおすすめである。

遮るもののない、360度どこを眺めても絵になるパノラマの世界を通り過ぎ、Riffelbergの駅へとだんだんと近づいてくる。時間にしてみれば1時間〜2時間ほど。Riffelberg駅からは、アルプス山脈が真っ二つにわかれその谷間に川が流れているのが見える。あの川が太古から悠久の時を経て大地を削り、山脈を削り、偉大な谷間をこしらえ、その谷間の川の近くで人々が生活を営んでいるんのだ。ツェルマットの街もその類である。

水というものは偉大だ。水なんてそこらへんにあるし、柔らかいし弱いしなんだか頼りない存在のように思えてしまう。しかし、何億年も何千年もかけて、大地を削り、山脈を削り、アルプスの谷を作り上げたのだ。水はぼくたちに「継続は力なり」「諦めないことの大切さ」「弱く見えるものが実は一番強いということ」「流れるように生きることの重要さ」「流動的に適応して生き抜くことの偉大さ」を伝えてくれているような気がする。学校で学ぶことも重要だがそれよりももっと他に、大自然が教えてくれるはるに深い教養がある。ぼくたちはせっかく大自然が教えてくれているそれを取りこぼさないように取り逃がさないように、受容器を養うことが大切だ。

 

・ゴルナーグラートの料金情報

ここで鉄道の料金についてお話ししたい。既述したように、ツェルマットからゴルナーグラート駅までは片道3600円ほどである。そしてゴルナーグラート駅からRotenbodenまでは1100円ほど、RiffelbergからRiffelapまでは1700円、もしもRiffelbergからツェルマットまで鉄道で帰るとしたら3000円ほどだった。やはり安くはないのだ。

しかし、冬のハイキングコースをふたつとも歩いたならば、往復でツェルマット〜ゴルナーグラート駅を鉄道移動するよりは800円ほど安い計算となり、ほんの少しの節約にもなるだろう。しかしRotenboden〜Riffelbergだけを歩いたならば逆に往復料金よりも鉄道料金が500円高くなるというもどかしい矛盾が生じる。しかしそれを支払ってでもRotenboden〜Riffelbergを歩く価値は絶対にあると断言できるだろう。

 

 

・Riffelap〜Zermatt

Riffelap〜Zermattは本当にもう山道である。しかもRotenboden〜Riffelbergほど道が綺麗に整備されているわけではなく、雪に埋もれたり滑りながら歩くこともしばしばである。雪に適した靴でない方は絶対にやめた方がいい道だろう。

Riffelap〜Zermattの道は木が多い茂っており、マッターホルンもずっと綺麗に見えているわけではない。イメージとしては日本の山下りに近いような感じだ。しかしこれはとてもいい運動になるし、下るだけだからそんなにきつくもないし、軽い運動とちょっとしたスリルを味わいたい人にはおすすめである。山間の村や民家も出現したりして、冒険しているみたいで楽しい。時間は2時間くらい。Rotenboden〜Riffelbergに比べて少し体力がいるコースだろう。逆にRotenboden〜Riffelbergはまったく体力も必要ないように思う。

雪に滑りながら、雪に埋もれながらもなんとかツェルマットにたどり着けたときの安堵と感動は忘れることができない。大自然に包まれた後で、人の住んでいる場所へと帰ると、やっぱり気持ちが安心するものなのだなぁと実感した。今夜はいっぱい運動してよく眠れそうだ。

 

 

・マッターホルンハイキング写真集

 

 

 

樹氷の詩

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