爽やかな山岳リゾート!スイス・サンモリッツの天気は常に快晴のシャンパン気候だった

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散々苦労してたどり着いたサンモリッツ、なんとも言えない素敵で爽やかな場所でした!

爽やかな山岳リゾート!スイス・サンモリッツの天気は常に快晴のシャンパン気候だった

・シャンパンの気候
・凍てついたサンモリッツ湖を歩く
・歴史ある山岳リゾート
・HANSELMANNカフェ
・白い山脈の信仰
・Beyond sight

・シャンパンの気候

散々苦労してたどり着いたサンモリッツ、目覚めると外は美しい快晴だった。窓からは白い山脈の頂きが天を貫いているのが見える。スイスのアルプスにやって来たのだという実感がふつふつと湧いてきた。昨日到着したときは真夜中だったのでこの雄大な景色を見ようにも見ることができなかったのだ。あまりに澄んだ青い空とあまりに白い山脈の色彩のコントラストが爽やかで美しい。冬だと余計に空気が澄んでいるのだろうか。昨日の青い宝石のような星空といい、空気が澄んでいて清らかであるということはこんなにも自然を美しく見せてくれるものなのかと感動する。

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サンモリッツの気候は「シャンパン気候」というらしい。なぜならば1年のうちなんと300日ほどが快晴だからだそうだ。このあまりに恵まれた気候が、アルプスの山奥の不便な立地のサンモリッツの街が人々を呼び寄せ、世界的な山岳リゾート地となり得た要因であることに間違いはないだろう。サンモリッツは19世紀には既に山岳リゾートとしての地位を確立していたらしく、サンモリッツの街中のエスカレーターには、1900年代初頭のサンモリッツのポスターがたくさん並べられていた。あまりに古いので逆にレトロでお洒落な雰囲気を醸し出している。

例に漏れず今日も素晴らしい快晴の日だ。しかし1年で300日も快晴であるというのなら、もし訪れた時に曇りだったのならばものすごく損した気分になりそうである。そもそもこんなにも一面真っ白な雪に覆われているが、1年で300日も晴れていてこれほど雪が積もるということは可能なのだろうか。毎日快晴でも1日でどかっと雪が降ればこんなにも積もるものなのだろうか。

 

 

・凍てついたサンモリッツ湖を歩く

 

ホテルを出てサンモリッツの街の真ん中へと向かう。途中にサンモリッツ湖という大きくて有名な湖があるはずだ。それを眺めながら街へ向かおうとしたのだが、どんなに歩いてもサンモリッツ湖は出てこない。おかしいなぁとても大きな湖だから見逃すはずはないのに、どこにあるんだろうサンモリッツ湖はと訝しく思いながら足を進める。なんだか足がつるつる滑るような気がするのは気のせいだろうか…いや、気のせいではなかった!ぼくは氷の上を歩いていたのだ!!!

 

なんとサンモリッツ湖は凍りつき、人々がスケートを楽しむスケート場へと変貌を遂げていた。しかも湖の水が凍ったその上に雪が積もっているので、そこが湖だとはまったく気がつかなかったのだ。それにしても凍った湖の上を歩くなんてはじめての経験だ。これって割れたりしないのだろうか。足元の氷には大きなヒビが少なからず入っているが、こんなことくらいでは湖の氷は割れないというのだろうか。そもそもどうやって割れない安全性を確認しながら凍った湖をスケート場なんかにできるのだろう。生まれた場所と風土の異なる場所を巡っていると謎は深まるばかりである。

氷の上を知らず知らずのうちに歩きながら、サンモリッツの街の中心へと向かう。途中で一部湖の凍っていない場所もあり、そこからは湧き水が湧いており爽やかだ。きっとこの清らかな水はアルプス山脈から流れてきたのだなぁと思うととても嬉しい気持ちになる。ぼくは清らかな水が好きなのだ。清らかな水がそばで流れているだけで嬉しいし、触れたり飲んだりするととても心地よい気分になる。周囲には白く神々しいアルプスの山々。ぼくはこの上なく爽やかな気分でサンモリッツの散歩を続けた。

 

・歴史ある山岳リゾート

サンモリッツの街の中心は、不便な山中の街とは思えない風格を醸し出していた。プラダ、グッチ、ルイヴィトン、エルメス、その他あらゆるブランド物の店舗が軒を連ね、訪れる人々を迎え入れてくれる。ここは本当に世界的に有名なセレブの高級リゾート地なのだ。

そして噂には聞いていたが、やはりスイスの物価は桁違いに高そうだ!下手したら北欧フィンランドよりも高いかもしれない。レストランのメインでは3000円以上のものが非常に少ない有様である。華やかで格式高いサンモリッツの雰囲気には似つかわしくないが、ぼくはこの先の旅路の経済事情が非常に不安になった。

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・HANSELMANNカフェ

 

オーストリアですっかりカフェ文化に馴染んでしまったぼくは、この街でもカフェに入ってみた。街中に佇む1894年創業のHANSELMANNというカフェは、なんとあのオードリーヘップバーンも訪れたこともあるという歴史あるカフェである。

 

 

店内にはチョコレートやケーキやパンなどが並ぶ。ここはそんなに高価ではなく、ケーキも500円くらいだった。

 

 

カフェに入ると、一面のガラス窓から白い山脈が見渡せるまさに圧巻の光景だ!澄んだ青空の色彩も手伝って心まで澄み渡っていくようである。なんて素敵なんだサンモリッツ!やっぱりぼくは田舎が好きだなぁと自分の嗜好を再確認していた。

 

カフェからの帰り際にふと客席を眺めると、まるでアルプスの少女ハイジに出てくるオンジのおじいさんそっくりの顔のおじいさんが座って新聞を読んでいたからびっくりした!白くたくましいおひげが山男のオンジそっくりだ。ああまさにここはスイス、ぼくはついにスイスに来たんだなぁと、そのオンジ似の顔を見ながら深く感慨にふけってしまった。もちろんそんなぼくの心中など露知らず、オンジさんはひとり新聞を読み続けていた。

 

 

・白い山脈の信仰

 

サンモリッツのはずれにある小さな教会もとても印象深くて素敵だった。今まで見たどの教会よりも素朴で手作り感あふれている。そしてそのことが逆に、荘厳に精密に作られるよりもむしろ神聖さを増してぼくの心に迫って来るものがあった。

 

 

十字架にかけられたキリスト。こんな不思議なキリストを見たのは初めてだ。まったく緻密ではなく、再現的ではなく、しかしあくまでも心がこもっており創造的だ。宗教的なものを作り出す時に大切なのは、綺麗さや精密さや正確さではなく、素朴な祈りの深さではないかとぼくには思われた。

 

 

ステンドグラスも決して緻密で上手ではない。これもまるで素人の村人が作ったかのように粗く独創的だ。そのことがなにかとても心惹きつけるものがある。天からの光が差し込んで、見事にステンドグラスの色彩が教会の壁を染め上げている。ステンドグラスを覗き込むと、なんとガラスの向こうには神聖なアルプスの白い山脈が望まれた。人間の素朴な祈りを込めたステンドグラスを通して見る、絶対的な大自然の白い山脈。人々がキリストという新しい宗教を知る前に、この村の人々はきっと白い山脈を信仰していたことだろう。

 

仏教やキリスト教やイスラム教など、大きな権力を持った宗教たちが人間の世界を満遍なく支配し、そもそもそこにあった元来の宗教を終わらせているようにも見える。しかし、その風土を通じて人々に作り上げられた原始的な宗教の観念は、決してその風土に生きる人々の心から消えることはないのではないだろうか。大きな力に屈服し、大きな力に支配され、もはや昔の宗教観念を捨て去ったように見えても、本当は心の奥では、原始的な宗教の息吹を忘れてはいない。

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日本人が神様を、そして神様の前の木や石への自然崇拝を必ず精神に保っているように、まさにそのようにして世界中に人々も、その風土に培われたそこだけの祈りの形を心に封じ込めているに違いない。それがまたいつの日に、蘇るともしれない。

 

 

・Beyond sight

人間の受け入れる情報は視覚が90パーセントだという。それほどに見るという行為は人々にインパクトを与えるのだ。それゆえに写真や、また写真に時間の概念や聴覚の要素すら取り入れた動画は、人々の関心を集めやすいだろう。ぼくも積極的に写真や動画をここやtwitterなどにアップしている。

しかしこのサンモリッツに来て思ったのだ。ここには視覚以上のものがある。たしかに青空と白い山脈のコントラストも美しいことは確かなのだが、それ以上に、それよりも大切な感覚に包まれているという思いがこのスイスのアルプスの山の中では自然と感じられるのだ。これはもやは五感の中には入らない神聖な、しかし誰もが持っている感受性なのかもしれない。

視覚的写真では伝わらない。なるべくこの場の「気」が伝わるように、視覚を超えて光をとらえた写真を撮影しようとしているが、やはり光を絡ませるだけでは不十分な“霊性”とも呼ぶべき空気がこの場所には備わっている気がする。それはまさにここに、この生きている肉体を置くことで初めて伝わってくるもの。どうしても、電子的にも物質的にも伝わらないもの。

ぜひサンモリッツの街を訪れて確かめてみてください。ぼくがスイスの小さな駅で見たような青い宝石の星の感触、まさにあのような尊さがあなたを待っています。

 

 

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