釧路からどうしようかなーと今後のことをまったく何も考えていなかったところ、札幌に昔からの友人のしょーたがいるのを思い出した。連絡を取ってみると、休みなので遊べるという。ぼくは早速釧路から早朝の電車に乗り込んで、札幌へと向かった。
夕張メロン食べ放題!「メロンのてらす」に来たらかなり怖いメロン熊に食べられた話
・夕張メロン食べ放題
・ラベンダーの里へ
・人生で初めてのジンギスカン
・夕張メロン食べ放題
無事にしょーたと南千歳駅で合流した。しょーたは人生のすべてを北海道で過ごしているので、北海道に詳しいはずだ。札幌周辺を車で案内してもらえることになった。
お昼ごはんをどうするかという話になり、しょーたがこの前テレビで見た夕張メロン食べ放題に行きいという提案をした。そんなの聞いたことない!それはぼくもぜひ行きたい!ぼくはテレビも見なければ、北海道にも住んでいないので、そんな北海道ローカル番組の情報を知るよしもなく、さすが地元の人は違うなあと感謝した。千歳から夕張までドライブし、目的のレストラン「めろんのテラス」にたどり着いた。そのレストランの入り口が怖かった…。
こ、こわーーーーー。
しょーたによると、これは北海道で有名なゆるキャラでメロン熊というらしい。どう見てもゆるキャラじゃないだろうと心の中で100回くらいツッコミを入れたい。今にも人を殺しそうな目をしている。こんなゆるキャラがあるのだろうか、そもそも全然ゆるくない。ゆるいという言葉の対極にあるような風格だ。全然ゆるくないキャラという名前が最も適している気がする。自分の中のゆるキャラの定義を激しく揺さぶられながら、ぼくたちはメロン熊に食べられるようにしてレストラン内に入った。
中では空席待ちの長蛇の列ができていた。テレビで放送されると行列ができてしまうというのは、北海道だろうが大阪だろうが変わらないようだ。ぼくたちは種類豊富で美味しそうな夕張メロンのお土産や、種類豊富で殺されそうなメロン熊のグッズなどを見ながら時間を潰した。
やっとこさ順番が回って来て、ベランダのテラス席へ案内される。中国人と思われる観光客も非常に多かった。北海道は中国人にも人気なようだ。中国人たちはものすごい量の夕張メロンを皿に積んでむしゃむしゃ食べている。さすがの貫禄だ。大陸的な大胆さと鷹揚さが伺える。
ぼくたちは小さな島国の日本人らしく、ちょっとずつ取ってちょっとずつ食べるのを繰り返した。ここは夕張メロンのバイキングが売りだが、他にもポテトやスパゲティやステーキやサラダなど、昼食として食べられる食べ物の種類も豊富であった。まずはそれらの食事で昼食を済ませた後、デザートとして夕張メロンを食べまくった。バイキングの値段はすべて合わせて2600円なので、2600円分は食べようという心意気だった。
ふと見ると、しょーたはあまり夕張メロンを食べていない。聞くと、あまりメロンを好きではないというので驚愕した。メロンが嫌いなのに、どうしてわざわざここを自ら提案したのであろうか。ぼくに北海道らしい体験をさせてやろうという気配りだったのだろうか。あまりメロンを食べないのに夕張メロン食べ放題を提案してくれた友人を目の前にしながら、メロンの好きなぼくは遠慮なく夕張メロンを食べ続けた。メロンも、ものすごくたくさん陳列されていると迫力がある。そして、同じ夕張メロンでも、大きいものから小さいものまであり、そしてこれは美味しいと思わずうなるメロンと、これはハズレだなと思われるメロンも混在していて面白い。1年分に足りるだろう量のメロンを食べたぼくたちは、今度はラベンダーで有名な富良野へ向かった。
・ラベンダーの里へ
この日の天気は小雨が降っており、写真で見られるような晴れ渡った美しいラベンダー農園の景色は期待できなかったが、友達のしょーたも行ったことがないと言うしぼくも行きたかったので、せっかくなので訪れた。
到着した頃には頃合いよく雨はやみ、傘もささずに観光することができた。富良野のラベンダーの最盛期の時期は7月上旬〜下旬のようだ。しかし6月下旬〜8月上旬までは花を楽しめる季節とされている。
この時は6月下旬でおそらく満開とまでは行かなかったが、広大に咲き誇るあでやかな紫色の絨毯を眺めることができた。
その他にもたくさんの色とりどりの花が整然と並べられていた。そしてフォトジェニックなお土産やさんに、これでもかと言わんばかりのラベンダーグッズが並べられており圧巻だった。
驚くべきことには、こんなに充実したファーム冨田は無料であった!ぼくたちはラベンダーにまったく関係のない可愛らしい苺のシュークリームを食べて、これが非常に美味しく北海道はなんでもうまいなどと語り、満足して札幌へ帰った。
・人生で初めてのジンギスカン
ジンギスカンというものをこれまでの人生で食べたこともなければ何かも知らなかったので、夕食はジンギスカンを食べに行こうということになった。そしてそれは、単刀直入に日本語でいえば羊の焼肉だった。
鉄板の形状も特徴的だったが、友人は手慣れた手つきで野菜と肉を並べていく。どうやら丸い鉄板の真ん中には肉を配置し、その周辺をぐるりと取り囲むようにして野菜を並べていくようだ。ジンギスカン専用のタレというようなものもあり、それがラム肉とよく合っていた。
やっぱり北海道はなんでも美味しいと再度語り、会計の際には、誤って片付けられていなかったランチセット2000円の看板を見てぼくたちがこの店に入ってきたことを知った店員のおばちゃんが、夕食なのに特別にランチ料金の2000円にしてくれた。北海道はなんでも美味しい上に、人々もおおらかで善良だなどと北の大地を褒め称え、夜は過ぎた。