スペイン巡礼15日目!Carrión de Los Condesのアルベルゲでの楽しい音楽会

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なんとも珍しいアルベルゲでの音楽会!

スペイン巡礼15日目!Carrión de Los Condesのアルベルゲでの楽しい音楽会

・楽しい音楽会の催されるアルベルゲ
・まことの心を知るのはもののけたちだけ
・国境を超える音楽と「上を向いて歩こう」
・スペイン巡礼15日目記録

・楽しい音楽会の催されるアルベルゲ

 

今日はよく歩いた!1日32kmでこのスペイン巡礼の旅で最長記録を更新だ!今日はItero de La VegaからCarrión de Los Condesまでの道のりを歩いた。

だんだんとスペイン巡礼にも慣れてきて、不思議なもので肩の重き荷もあまり重いとは感じなくなってきた。肩に重き荷を背負っていることがもはや日常の一部と化し、自分の肉体は10kgの荷物込みで生きていくのだと脳が理解しだしたような気配すらする。そして自分の肉体というものは、1日に10kgの荷物込みの肉体で25km以上の距離を歩くことが通常なのだととんでもないことを思い込んでいる気がする。このスペイン巡礼がサンティアゴで終わってしまったときに、急に歩かなくなってから自分の肉体にどんな変化が訪れるのか心配ではある。

 

 

今日の目的地 の教会に併設されているアルベルゲHostal Parish Santa Maria del Caminoは、少し今までとは違って変わっているアルベルゲらしい。なんと教会のシスターたちが毎日音楽会を開いて、巡礼者との交流を深めているというのだ。シスターたちが音楽演奏や歌を聞かせてくれるだけならばまだ気楽なものだが、なんと巡礼者も自国の歌を何かしら歌わされ、しかも自己紹介までしなくてはならないという。自国の歌を歌うなんて恥ずかしかったが、シスターたちの音楽を聴きたいという思いでこのアルベルゲに宿泊することを決めた。

 

もしも万が一自国の歌を歌わされることになったときに、何を歌うべきかを途中の道で話し合い、なぜかジブリの「もののけ姫」の歌がいいのではないかという結論となり、てらちゃんと日本人ふたり、カミーノのメセタの大地の途上で、もののけ姫の歌を練習していた。はっきり言ってものすごく奇妙な光景だった。歌詞はなんとかぼくがかろうじて覚えていたので合ってるのか間違っているのかわからなかったがとりあえずその歌詞で練習した。

 

 

・まことの心を知るのはもののけたちだけ

“はりつめた弓の ふるえる弦よ
月の光にざわめく おまえの心
とぎすまされた 刃の美しい
そのきっさきによく似た そなたの横顔

悲しみと怒りに潜むまころの心を知るは森の精
もののけたちだけ もののけたちだけ”

改めて唱えてみてもなんとも味わい深い歌詞である。まことの心、真実を知る心というものは、“喜怒哀楽”の中でも悲しみと怒りのふたつの中に潜んでいるというのだ。ぼくはしばしば喜怒哀楽の中では怒りが最も美しいということを主張してきたが、この作詞者、宮崎駿も同じような感性なのだろうか。少なくとも喜や楽から真理が見出せるとは到底思えない。

不動明王が怒っているというのは本当か? 〜美しき怒り〜

そして真実の心を知っているのは、どうしてもののけたちだけなのか。ぼくはこの確かな答えを自分の中に静かに持っていた。それを“世界の秘密”として、密かに隠し持っていたが、その世界の秘密の欠片を偶然にもてらちゃんに分け与えた。世界の秘密は自らの感性で自らの腕で取得するものであり、他人から欠片をわたされたところで意味を見出さずに置き去りにしてしまうからもしれないが、それでも他人の感性の秘密の光に触れることには大きな意義がある。遠く果てしない人生の旅路の果てで、もしもこの一生の中でなかったとしても、ああそんなことを言われたこともあったかもしれないと彼が思い出してくれればそれでいい。

映画「もののけ姫」には多くの中間的な存在が登場する。それがこの物語に他の映画にはないおぞましさや果てしなさを生み出させる。呪いという穢れを受け村を追われ、人間なのにもはや人間ではなくなってしまった主人公のアシタカ、山犬に育てられたが故に人間にもなり切れず山犬にもなり切れないサン、男にも女にも属さない中間的な美輪明宏を声優にあてがわれた山犬のモロ、また男なのか女なのか不明とさせる歌声を発する米良美一の不思議な歌声。そのような彼岸にも此岸にも属さない、いわば中間的で浮遊的な存在感にこの映画はあふれ、彼らが醸し出す彷徨える精神の行方には、一種の根源的な神聖さすら感じさせる。

真理を受け取るためには、何ものにも属していてはならない。大地と天空を放浪する魂のように、境界線に支配されてはならない。もののけたちとは、能動的で攻撃的な人間と、受動的で静寂に包まれた森の、いわば中間体なのではあるまいか。

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・国境を超える音楽と「上を向いて歩こう」

結局、アルベルゲHostal Parish Santa Maria del Caminoでは本当に日本語の歌を歌わされたものの、シスターたちに促されるままに「上を向いて歩こう」を歌う結果となり、カミーノの途上のもののけ姫の歌の練習は徒労に終わった。いつかこの練習が役立つ時が訪れるだろうか。やはり全米でNo1のヒットを放っただけあり、「上を向いて歩こう」は全世界で有名らしい。

この他にも様々な国の人々が自国の歌を誇らしげに歌っており、音楽は国境を超えるのだと実感する素晴らしい体験となった。自己紹介では自分の名前、国籍やカミーノを実行した理由など紹介する場面もあり、ぼくは正直言って熊野古道つながりで気軽に来てみたものの(気軽に来るものではなかったと今となっては身にしみてわかっているが)、欧米の人々の中には涙ながらに巡礼の理由を話す人もおり、ここは本当に神の道、巡礼の道、人々の深い祈りの道なのだと思い知らされた。

 

 

・スペイン巡礼15日目記録

出発6時半 到着15時30分
消費カロリー1397kcal 歩数52777歩
移動距33.2km

 

 

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