棘の森、氷の原、岩の山!険しい世界を超えた先にある雨崩のチベット聖地・冰湖を目指せ【冰湖1/2】

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まじでゲームの中の世界かと思いました…。

棘の森、氷の原、岩の山!険しい世界を超えた先にある雨崩のチベット聖地・冰湖を目指せ

・下調べもないままチベットの聖地、冰湖を目指そう
・上雨崩から冰湖までの距離と標高
・最初はのどかな桃源郷のような風景
・薄い川の上を歩いて行くような悪路
・やがては完全な雪道と化していく
・道を間違えて進んだ痛々しい棘の森
・現実世界とは思えない険しい岩山の先に

・下調べもないままチベットの聖地、冰湖を目指そう

上雨崩に1泊して次の日は、上雨崩から行きやすいチベットの聖地、秘境の絶景と言われている冰湖を目指す。シェンミン、シャオヘイの2人の中国人青年と友達になったので心強く、特に下調べも何もしないまま、とにかく行ってやろうという心構えで冰湖を目指した。事前にインターネットで画像なども見ないまま行った方が、感動もひとしおではないかと思ったからだ。

しかし、この冰湖へのトレッキングでぼくは少々の下調べをするのも必要かもしれないと感じるに至った。なぜなら冰湖までの道は、まるでゲームのステージに出てくるような、棘の張り巡らされた森、滑り落ちそうになる氷原、あまりに巨大な巌が散らばる大迫力の岩山の向こうに存在する、とんでもなく険しい道のりだったからだ。

そんなこととは夢にも思わず、きちんと舗装されている道を軽快にハイキングして行くことを想像していたぼくは心が折れそうになった。しかしだからこそ、冰湖はこの世のものとは思えないほどに美しく神秘的にぼくの目に映った。

 

 

・上雨崩から冰湖までの距離と標高

上雨崩から冰湖までの距離は6kmほど。標高3200mの上雨崩から標高4000mの冰湖を目指す。もはや標高の次元が普段の生活と違いすぎて訳がわからない。しかし中国雲南省で昆明、麗江、香格里拉と徐々に標高を上げ、それぞれの街にゆっくり長く滞在してここまでやってきたので、呼吸が普段より苦しいということもなくなっていた。

6kmのトレッキングというと、スペイン巡礼で毎日20km以上歩いていた身としては大したことない道のりだろうと思ってしまったが、それは大きな間違いで、冰湖までの道のりは距離や数字という次元では全く測れない異次元の旅路だった。

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・最初はのどかな桃源郷のような風景

 

上雨崩から出発してしばらくは、のどかな桃源郷のような世界が続く。12月なのに濃いピンクやオレンジの花々が木々に宿り、不思議な世界へと誘われている思いがする。

 

 

すぐに美しく清らかな水の川が出現し、故郷の風景が思い出され日本人としての心が満たされて行く。

 

 

チベット仏教の祈りの道具、マニ車。1度回せば1度お経を読んだのと同じ功徳が得られるという。推力で回るような仕組みになっているはずなのに、回っていなかった。

 

 

チベット仏教の5色のタルチョも天空にはためく。タルチョにもお経は刻まれ、1度はためくと1度お経を唱えたのと同じ功徳がある。

 

 

徐々に道が泥でぬかるみ始め、嫌な予感がする。スペイン巡礼でも最も厄介だったのはこのような深く水分を含んだ泥の道だった。なるべく泥道を避けながら冰湖を目指す。

 

元気な若者たちは歩いて冰湖を目指すが、あまり体力のない人やお金持ちの人は、冰湖の直前まで馬に乗って運んでもらうことも可能だ。ぼくは利用していないのでわからないが、おそらく値段は高いことだろう。

 

・薄い川の上を歩いて行くような悪路

中盤で大変だったのは、道が泥でぬかるんでいる箇所が結構あったことだ。今日も昨日も天気がいいのにおかしいなと思って地面をよく見てみると、なんと道の上に水が少量流れており、ぼくたちは薄い水の川の上を歩かなければならない状態だった。そのような道がいくつもあった。

滑ったら危険だし、水が靴に入ってきそうになるし、泥で汚れてしまうので、冰湖にトレッキングする際にはふさわしい靴を選んで臨んだ方が絶対にいいだろう。少なくとも舗装された遊歩道を気楽に歩くような感じでは決してない。

 

・やがては完全な雪道と化していく

 

徐々に雪が出現してくる。そしてこの先が完全な雪道になることなど、ぼくたちはまだ知らなかった。

 

 

途中の展望台。すぐ目の前に広がる雪山の絶景に目が眩む思いだ。山を神聖なものとしてとらえる民族たちの気持ちが痛いほどに伝ってくる。

 

ここからがもはや完全な雪道。滑らないように慎重に足を進めて行く。

 

 

・道を間違えて進んだ痛々しい棘の森

 

途中で出現する広大な牧場。ここからがぼくたちの運命の分かれ道だった。なんと、通常の道とは違う道を地図を頼りに冰湖まで爆進してしまったのだ。なぜかぼくたちは、みんなが行く道を探し出すのに失敗してしまった。

この道絶対違うんじゃないの?てかこれって道じゃないよね???と心の中で強く思いながらも、百度地図を頼りに進もうとする中国人たちについて行く。木々や雑草で覆い茂った道のりを、拾った木の棒で払いのけながら進んでいく。

 

よく見ると、なんとほとんどの木に棘が張り巡らされているではないか!恐ろしい!まじで冗談ではなく現実的な茨の道だ。昔やったミッキーのゲームで、棘の森を進んで行くステージで棘に触れるとゲームオーバーになるものがあったがそれをまざまざと思い出した。

しかしこれはゲームではなく現実だ。ゲームではミッキーが棘に刺さってゲームオーバーになってもミッキーが画面上で死ぬだけなのでこちらは痛くも痒くもなかったが、この現状はそうはいかない。もしもこの肉体に棘が刺さっても、痛くても、血が溢れても、冰湖まで耐え忍びながら向かわなければならない使命に駆られているのだ。

しかももういやだと思って引き返そうにも、道なき道を来てしまったので帰り道さえわからない。ぼくたちはもはや前に進むしかなく、四方八方に張り巡らされた棘に当たらないようにせいぜい気をつけるくらいしか選択はなかった。

 

 

・現実世界とは思えない険しい岩山の先に

 

服を何重にも来ていたこともあり棘のダメージもなく棘の森と抜けると、そこにはこれは本当に現実世界なのかと疑ってしまうような険しい斜面の岩山が聳え立っていた。

 

 

急峻な岩山の傍には清流の大河。なんとこの大河は冰湖から来ている水だということだった。

 

 

そう、この見るだけでも迫力のある現実感のない急峻な岩山を、これから登らなければならないのだ。これを登らなければ冰湖にもたどり着けないし、宿にも帰れない。半ば絶望に押しつぶされそうになりながらも、なにも考えずにひたすらに険しい岩山を登った。

 

登って、登って、登りきった丘の上から突如見えた冰湖の風景は、まさにこの世のものとは思えない絶景だった。

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